ロータリーエンジン!PHEVの発電用で復活! マツダMX-30 RE-EVはいくら? どんなクルマ?

MX-30 RE-EV もちろんフリースタイルドア(観音開き)が特徴だ
マツダは、新開発1ローターロータリーエンジンを発電用に搭載したシリーズハイブリッドのMX-30 Rotary-EVの予約を開始した。発売は11月以降を予定している。価格は423万5000円~491万7000円。
PHOTO:山上博也(YAMAGAMI Hiroya)

ロータリーエンジンがついに復活した!

MX-30 RE-EV ボディカラーはジルコンサンドメタリック×ブラックの2トーン(6万6000円の特別塗装色)。

搭載するのは、発電用ロータリーエンジン、「e-SKYACTIV R-EV」だ。「発電用ロータリーエンジン」は8C型1ローターロータリーエンジンで、排気量は830ccだ。フロントに薄くてコンパクトな8C型をフロント右側(通常の横置きエンジン車ではトランスミッションがある位置)に積む。このエンジンは、あくまでも「発電用」で、直接駆動はしない。駆動方式はFWDである。

フリースタイルドアを持つユニークなクロスオーバーモデルのMX-30は、2.0LのガソリンエンジンSKYACTIV-G2.0+24Vマイルドハイブリッドが2020年10月に発売、翌2021年1月にEVモデルが追加された。今回、シリーズ式PHEVのRE-EVが追加されたことで、マイルドハイブリッド、PHEV、BEVの3つのパワートレーンが選択可能なモデルとなった。

MX-30 RE-EV

MX-30 RE-EVはFWDのみで4WDの設定はない。

全長×全幅×全高:4395mm×1795mm×1595mm ホイールベース:2655mm
トレッド:F1565mm/R1565mm
最小回転半期:5.3m
パワートレーン:8C-PH型 エンジン形式:水冷1ローターロータリーエンジン 排気量:830cc 圧縮比:11.9 最高出力:72ps(53kW)/4500rpm 最大トルク:112Nm/4500rpm 燃料供給:筒内燃料直接噴射 燃料:レギュラー 燃料タンク容量:50L

価格は478万5000円

MX-30 RE-EV Edition-R 特別仕様車のEdition Rの車両価格は491万7000円
MX-30 RE-EV Edition-R ジェットブラック×マローンルージュメタリックの2トーンは、Edition R専用カラー(5万5000円の特別塗装色)。マローンルージュメタリックは、R360クーペで使われたカラーで、100周年記念車でも採用されたマツダにとって大事な色だ。

まずは気になる価格から。
MX-30 RE-EVのベースグレードは423万5000円
Industrial Classic/Modern Confidence/Natural Monotone:478万5000円
特別仕様車 Edition R:491万7000円

だ。Edition Rは、2012年のRX-8の量産終了から11年の歳月を経て発電用としてロータリーが復活したことを記念してロータリーの復活「Return」の意味を込めた特別仕様車だ。

ベースグレードの価格は、各パワートレーンで次のようになる。
MX-30 ベースグレード(FWD):264万円
MX-30 RE-EVのベースグレード(FWD):423万5000円
MX-30 EV Modelベースグレード(FWD):451万円

装備を考えると、実際はIndustrial Classic/Modern Confidence/Natural Monotone:478万5000円がMX-30 RE-EVの価格と言っていいだろう。

MX-30 RE-EVには、マツダスカイプラン(残価設定クレジットプラン)が用意されている。残価率は
3年プラン:55%
4年プラン:43%
5年プラン:35%
6年プラン:30%

だ。メイングレードのIndustrial Classic/Modern Confidence/Natural Monotone:478万5000円を残価設定クレジットで買ったと仮定すると(金利を考えずに大雑把に言って)支払総額はそれぞれ
3年プラン:215万3250円
4年プラン:272万7450円
5年プラン:311万0250円
6年プラン:334万9500円

となる。

現在CVE補助金がPHEV(給電機能付き)だと55万円、受給できるはず(ただし4年保有しないといけない)。となると
4年プラン:272万7450円→217万7450円
5年プラン:311万0250円→256万0250円
6年プラン:334万9500円→279万9500円

となる。ちなみに東京都でPHEVを個人で購入した場合は、さらに45万(基本補助額)、5万円(メーカー別上乗せ額)、15万円(再生可能電力導入による上乗せ補助金)の補助金が受けられる。つまり東京都で個人でPHEVを購入すると最大120万円の補助金が付くのだ。となると
4年プラン:272万7450円→217万7450円→(東京都の場合)152万7450円
5年プラン:311万0250円→256万0250円→(東京都の場合)191万0250円
6年プラン:334万9500円→279万9500円→(東京都の場合)214万9500円

となる。ロータリーエンジンを搭載する世界唯一のモデル、しかもPHEVを体験するハードルは、かなり下げられるわけだ(補助金は現行制度の場合。制度変更により補助金額は変動する場合ある)。

EV走行距離は107km

8C型1ローターロータリーエンジン

MX-30 RE-EVは、8C型ロータリーエンジンを発電用に積んだシリーズハイブリッド式のPHEVだ。駆動はすべてモーターが受け持つ。搭載するバッテリーは17.8kWh。フル充電した場合のEV走行距離はWLTCモードで107kmだ。

この107kmを超えた場合はロータリーエンジンが発電するわけだ。駆動モーターは170ps(125kW)/260Nmの高出力型だ。
BEVのMX-30 EV Modelの場合は
バッテリー容量:35.5kWh
EV走行距離:256km
モーター出力:145ps(107kW)/270Nm
である。

ちなみに車両重量は
MX-30 RE-EV:1780kg
MX-30 EV Model:1650kgである。

パワーウェイトレシオは
MX-30 RE-EV:10.47kg/ps
MX-30 EV Model:11.38kg/ps

トルクウェイトレシオは
MX-30 RE-EV:6.85kg/Nm
MX-30 EV Model:6.11kg/Nm
である。

航続距離は877km

燃料タンク容量50Lという大きなタンクのおかげで長い航続距離が自慢だ。

MX-30 RE-EVのガソリンタンク容量は50L。WLTCモード燃費が15.4km/Lだから107kmのEV走行のあと、ロータリーエンジンが始動してから770km走る計算だ。15.4×50+107=877kmで、モード上はトータル877km走る計算だ。

MX-30(SKYACTIV-G2.0+マイルドハイブリッド):15.6km/L×51L=795.6km
MX-30 RE-EV:877km
MX-30 EV Model:256km

で、MX-30 RE-EVの足の長さは魅力的だ。

充電と給電 CHAdeMOで急速充電ができる

左リヤに給電リッドを装備。CHAdeMOと普通充電口がある。

バッテリーへの充電は、普通(AC)と急速(DC)の両方に対応している。

普通充電は6kW、急速充電はCHAdeMOに対応する。SOC(充電状態=State of Charge)20%→80%まで充電するのにかかる時間は
40kW以上の急速充電:約25分
6kWの普通充電:約1時間50分だ。

また、V2H(Vehicle to Home)V2L(Vehicle to Load)に対応する。一般家庭の1日の使用電力量を10kWhとした場合、バッテリーのみで1.2日分、バッテリー+ロータリーエンジンによる発電で約9.1日分の電力を賄える。これも、MX-30 RE-EVの魅力のひとつだ。

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