溝呂木 陽の水彩カースケッチ帳 新連載・第1回 ボクとルノー・キャトルのこと

溝呂木 陽の水彩カースケッチ帳/新連載・第1回 ボクとルノー・キャトルのこと

今回からクルマ大好きイラストレーター、溝呂木 陽(みぞろぎ あきら)さんによる、水彩画をまじえたカー・コラムがスタート!! まずは自己紹介と愛車、ルノー・キャトルのおハナシです。

初めまして。自動車を中心に水彩画を描いているイラストレーター、溝呂木 陽(みぞろぎ あきら)です。53歳(もうすぐ54歳)、千葉県市川市に家族4人で暮らしています。

絵を描くのは幼稚園の頃から好きで、お絵かき帳は仮面ライダーやウルトラマンの他にもフェァレディZやカウンタック、ポルシェ934などで埋まっていました。そう、スーパーカーブーム世代です。東京・晴海の『サンスター スーパーカー 世界の名車コレクション ‘77』(編注:1977年に東京・晴海国際貿易センターで開催され、4日間の会期で46万人もの来場者を集めた伝説的イベント)は父に連れて行ってもらいましたが、並んでいる時に充填したフィルムが噛んでしまったようで、数枚しか写真が撮れなかったことを今でも覚えています。

小学生の頃は自由帳にクルマが出てくる漫画を描いて教室で回し読みしてもらったり、もちろんスーパーカー消しゴムあそびにも熱中しました。学校では他にプラモデル部というのがあり、廊下でモーター付きのプラモデルを走らせたのは懐かしい思い出です。プラモデルは幼稚園の頃から作り続け、50代まで途切れずに模型を作り続けています。模型仲間が増えて、展示会などに参加しているうちに、その模型仲間の作品も含めて個人で模型誌を発行、もう10年間作り続けています。

中学生の頃は古いクルマを取り扱う自動車雑誌に夢中になり、60~70年代のクルマの絵を雑誌のイラストコーナーに毎月投稿、そこから編集部に遊びに行くようになり、高校生の頃には連載ページをもらえるようになっていました。美大受験で浪人している時もクルマの絵や模型からはなれられず、武蔵野美術大学に入って合宿免許で夏休み中に免許を取得、最初のクルマは黄色いオンボロの1980年式ルノー・キャトルTLでした。キャトルを維持してく上で、当時できたばかりのクラブ・ルノー・キャトル・ジャポンに入会。そのクラブも今年30周年を迎えます。そして、キャトル・クラブの取材で知り合った『NAVI』誌の編集部から仕事をいただくようになり、大学生でイラストレーターとして本格デビュー。同時に『紙のクルマ』というペーパークラフトの書籍も発行させていただき、このシリーズは幸いにして人気となり6冊続きました。

我がオンボロ・キャトルは何度も故障があり、ミッションが噛んでシフトチェンジできなくなったり、走行中エンジンストールしたりと冷や汗をかいたものでした。最後はエンジントラブルで入庫した際に、主治医に「足回りが腐っている」との宣告を受けて、部品を取り外して廃車となりました。購入から6年後のことでした。クラブ活動で大勢で車山のフレンチブルー・ミーティングに行ったり、毎月ファミレスに集まったりと、楽しい思い出です。

次のキャトルは、そのクラブのメンバーの紹介で手に入れた1988年式の水色のGTLでした。排気量がTLの845ccからGTLの1108ccに上がって乗りやすくなり、乗り換えるに当たって、先代から取り外した黄色いTLのグリルやバンパー、ミラーなどを移植したりしました。1996年にこの水色のGTLに乗り換えてから、25年乗り続けています。数年前に立て続けにクラッチやウォーターポンプ、ブレーキのマスターシリンダー、燃料ポンプなどを交換したほかは好調で、昨年、懸案だった雨漏りするホロの張り替えも無事に終え、変わらずトコトコと走ってくれています。

30周年を迎えたクラブ、60周年を迎えたルノー・キャトル……。子どもが生まれてからは、めっきりとクラブに顔を出すことはなくなってしまいましたが、クラブの会報には30年間ずっと、表紙の絵を提供させていただいています。キャトル・クラブには何十年も付き合える仲間たちがおり、同じ車に何十年も乗り続ける人も少なくありません。まさに生き方の一部のような車だなぁと感じ入ってしまいます。

今回、久しぶりに我がキャトルの絵を描き下ろしてみました。この水色キャトル、最近は近所の買い物がメインですが、実に気持ち良く走ってくれます。ハンドルの横のシフトノブをひっぱたり押し込んだり、その不思議なリズム感と軽やかな走りは、もう体に染み付いてしまっています。

こんなボクですが、これからゆるゆるとカッコいいスポーツカーや味のあるクルマたちのことどもを書いて(そして描いて)いこうと思っていますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

今月は東京・原宿の『ペーターズ ショップ アンド ギャラリー』で水彩画と模型を展示する個展を開催します。2003年から毎年開催している『ペーターズ』での個展(昨年はコロナ禍のため、やむなくお休みしました)では、描きためた水彩画の原画をみなさまにご覧いただくと同時に、たくさんの模型や塗装したリアルフィギュア、我が家から持ち込んだ楽しい洋書、そして自分で発行している模型誌や画集などをギャラリーいっぱいに並べて十分に楽しんでいただける空間にしています(あ、もちろんルノー・キャトルだけではありませんよ)。

ぜひ、みなさまと『ペーターズ』の空間でお会いできればと思います。もちろん入場無料ですので、お気軽にお立ち寄りください。

溝呂木 陽 水彩展 2021 『SPORTS CARS from the WORLD(スポーツカーズ フロム ザ・ワールド)』のおしらせ

本連載の著者の個展が下記要綱で開催されます。どなたさまもぜひお立ち寄りください。

溝呂木 陽 水彩展 2021 『SPORTS CARS from the WORLD(スポーツカーズ フロム ザ・ワールド)』

会期日時:2021年10月22日(金)~27日(水) / 連日12時~19時 会期中無休・入場無料
(10月23日~24日の土・日はJR山手線内回りが終日運休のため原宿駅がご利用できません。地下鉄の明治神宮前駅か北参道駅からの徒歩、またはJR千駄ヶ谷駅からの『ハチ公バス』をご利用ください。)

会場:ペーターズショップ&ギャラリー
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2丁目31-18
TEL:03-3475-4947
http://www.paters.co.jp/

溝呂木 陽 水彩展、2021年、『ペーターズ』に帰ってきました。
フェラーリ、ポルシェ、コブラ、アルファロメオ…。珠玉のスポーツカーたちに加えてパリの風景、街並み、明るい陽の光を水彩画で表現していきます。
スポーツカーがロマンティックだった時代の車たちを鉛筆と水彩でアルシュ水彩紙の上に表現していきます。
今年10周年を迎えた個人製作模型誌『スポーツカーズモデリング』のバックナンバーや日々作り続けている模型完成品も展示、販売します。
おもちゃ箱のような溝呂木 陽の作品世界、『ペーターズ』の2フロアいっぱいに展開いたします。

著者プロフィール

溝呂木 陽 近影

溝呂木 陽

溝呂木 陽 (みぞろぎ あきら)
1967年生まれ。武蔵野美術大学卒。
中学生時代から毎月雑誌投稿、高校生の…