電動ハードトップの麗しいスタイリング「マツダ・ロードスターRF」【最新スポーツカー 車種別解説 MAZDA ROADSTER RF】

現行のロードスターRFは、2018年にエンジンを大幅に改良されている。バルブスプリング、コンロッド、ピストンなどの主要パーツをあらためるなどの改良を行ない、最高出力を158㎰から184㎰へと拡大。トルクも5Nmアップしている。結果としてレブリミットは6800rpmから7500rpmへと引き上げられた。
REPORT:橋本洋平(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:神村 聖

ソフトトップとはひと味違う2.0ℓエンジンの走り

6月末に注文受け付けを終了したロードスター。これは次期型へのカウントダウンかと思われたが、実際のところはマイナーチェンジを控えているとの噂である。常に改良を続け、少しでも良いクルマを提供しようとしているマツダの想いがそこに現れている。

エクステリア

わずか13秒で開閉できるリトラクタブルハードトップの採用がロードスターRFの特徴。オープン時にはタルガトップ的イメージ、スポーツ性にエレガンスを加えたスタイリングとなる。ルーフを格納してもトランクスペースが犠牲にならないのも美点だ。
ブレンボのブレーキやBBS鍛造アルミホイールなどのスポーツ心をくすぐるブランドアイテムがメーカーオプションとして用意される。タイヤのエア圧が200kPaと低めなのもスポーツカーらしいところ。

現行のロードスターRFはそれを最も体現したモデルだ。2018年にはエンジンを大幅に改良したことが記憶に残る。バルブスプリング、コンロッド、ピストンなどの主要パーツをあらためるなどの改良を行なったそれは、最高出力を158㎰から184㎰へと拡大。トルクも5Nmアップしている。結果としてレブリミットは6800rpmから7500rpmへと引き上げられている。走れば高回転化されたそのエンジンはどの回転からでもアクセルのツキが良く、それでいて高回転まで途切れず爽快に吹け上がることを実現していた。この高回転化はATモデルにおいても恩恵があり、シフトダウンを多くの状況で受け入れられるようになったところが扱いやすかった。

インテリア

指針式タコメーターを中央に配置、ドライビングに集中できることを優先してデザインさ 電れたコクピットは、素性の良さを実感できる部分。ただメーター内のインフォメーションディスプレイが4.6インチ、センターディスプレイが7インチなのは設計の古さを感じさせる。
撮影グレードにはレカロ製シートが標準装備で、確かなサイドサポートが実感できる形状だ。座面は低くなっているが、乗降性にも配慮された絶妙のデザインとなっているのもうれしいポイント。
シフトの設計は非常に吟味されたという印象。ショートストロークではあるが、短か過ぎて操作が重いと感じることもない。
センタートンネルの影響からペダルレイアウトは右に寄っている印象もあり、意外にポジションは窮屈だ。

結果としてリヤの安定感が高まったようにも思えるシーンが増えた。後に加えられたKPCにより、リヤのリフト量が減少したこともまた、リヤの安定感につながっている。ソフトトップに比べれば重量増となるRFだが、それを差し引いても余りある速さが魅力的。電動トップだけではない面白さがある。

Country       Japan 
Debut        2016年11月(商品改良:21年12月)
車両本体価格      352万7700円~398万8600円

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.151「2023-2024 スポーツカーのすべて」の再構成です。

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