軽トラも空を飛ぶ時代に……?愛知県の官民連携プロジェクトは空から攻める【ジャパンモビリティショー2023】

愛知県は官民が協力し、新たなモビリティ社会の構築を目指している。ジャパンモビリティショー(旧:東京モーターショー)における同県のブースでは、官民連携プロジェクトに参画している企業が新たな形態の“軽トラ”を提案した。

愛知県は社会課題の解決と地域の活性化を図る官民連携プロジェクトの創出を目指す「革新事業創造戦略」を展開している。その枠組による最初の取り組みとして2023年5月、愛知モビリティイノベーションプロジェクト「空と道がつながる愛知モデル2030」を立ち上げた。

同プロジェクトには、株式会社プロドローン、株式会社ジェイテクト、名古屋鉄道株式会社、株式会社SkyDrive、株式会社テラ・ラボ、VFR株式会社の6社が参画。空を飛ぶクルマなど飛行系モビリティの社会実装の早期化や、自動運転車両との自動管制による同時制御など、新たなモビリティ社会の構築を目指している。

SORA-MICHIは車体の胴体部に荷物を格納する

プロジェクトの一環として、愛知県は10月25日から東京ビッグサイトで開催されているジャパンモビリティショー(旧:東京モーターショー)にブースを出展。翌26日にプレスブリーフィングを実施し、プロドローンが手掛けた「SORA-MICHI」を世界初公開した。SORA-MICHIはプロドローンの技術の粋を結集した無人のカーゴドローン。“空飛ぶ軽トラ”がコンセプトとして掲げられており、50kg積載で50kmを飛行できる。飛行時にはメインローターとテールローターのふたつの回転翼を使用するが、駆動輪も持っており、自走も可能。山間部などは空路で移動し、“ラストワンマイル”は地上走行するというアイデアだ。

■SORA-MICHI
全長×全幅×全高:約3m×約0.8m×約1.2m
燃料:ガソリン
パワーユニット形式:ガソリンエンジン
最大離陸重量:140kg
主要構造材料:CFRP
最高速:120km/h
最大飛行時間:50分
SORA-MICHIを手掛けたプロドローンは産業用ドローンの製造と販売を行っている。

愛知県のブースではSORA-MICHI以外にも、テラ・ラボの危機対策用長距離無人航空機「TERRA Dolphin Long Range Mode」と、SkyDriveの空飛ぶクルマ「SD-03」が展示されている。

TERRA Dolphin
TERRA Dolphinは固定翼の無人機。愛知県はこのドローンを使用し、災害発生時に広域にデータを取得し、迅速な状況と情報の共有を実現するシステムの構築を目指している。左側の主翼の一部(写真奥側)を取り外した状態で展示されていた。
■TERRA Dolphin
全長×全幅×全高:約4.6m×約8m×約2m
パワーユニット形式:レシプロエンジン
最大離陸重量:500kg
主要構造材料:複合材(主にCFRP)
最高速:100-200km/h
最大飛行時間:約10時間
SD-03
SD-03は2020年に世界初公開された試験機体。SkyDriveは現在3人乗りの商用機を開発しており、2025年の大阪万博での運行を目指しているという。
■SD-03
全長×全幅×全高:約4m×約4m×約2m
駆動方式:2重反転の4つのモーター・プロペラ
最大離陸重量:400kg
主要構造材料:複合材(CFRP)やアルミ合金など
最高速:40-50km/h
最大飛行時間:5-10分程度

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