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地震大国だからこそ必要な災害支援車のコンセプトカー
アリアNISMOを初公開するなど2024年の東京オートサロンではスポーツ色を前面に押し出してきた日産ブースで、異彩を放っていたのが「キャラバンDisaster Support Mobile-Hub」。直訳すると「災害支援移動拠点」となるが、まさに地震などの災害で役所機能を喪失してしまったときに、そのかわりを務めることを狙ったコンセプトカーとなっている。
具体的には、100名程度の小規模な自治体をイメージしているということで、住民のスマートフォンを充電したり、職員のノートパソコンを稼働させたりする電源として活用、2〜3日は拠点として活動できることを目指している。そのための電源として、日産のEV「リーフ」から取り出したバッテリーをリサイクルしたポータブルバッテリーを17機搭載しているのも日産らしいところだ。
2024年元旦に発生した能登半島地震の被害を受けた方、いまも避難を続けている方もいるので安易なことを言うべきタイミングではないが、今回の件からもわかるように地震などの災害はいつ襲ってくるかわからない。このような災害支援車が量産されるようになり、多くの自治体に配備されるような未来がやってくるかもしれない。
着替えに利用できる小部屋も用意。キャラバンのパッケージに感心
それにしても、コンセプトカー「Disaster Support Mobile-Hub」を見て驚くのは、ベースとなったキャラバンの見事なパッケージだ。
写真からもわかるように、スマートフォンの充電ステーション、救護室、食事を提供するための設備、着替えや授乳などに利用できる個室、そして自治体としての業務を行える机といった設備が一台のなかに収まっているのだ。
キャラバンが働くクルマとして効率的なパッケージになっていることは知られているが、これほどの可能性を持っていることを、カタチとして見せられるとキャラバンという商用バンへの魅力も感じさせられる。
災害支援というのはオートサロン的な世界観とはちょっと違うかもしれないが、商用1BOXが持つパッケージングの可能性を体感するという意味でも、キャラバンのコンセプトカーは必見だ。