オーディオの名門「尾林ファクトリーが手がけたサニトラ! 140psオーバーのA12改A13+直結5速MTの最速サニートラック登場! 【東京オートサロン2024】

東京オートサロンの常連かつカスタムカーコンテストで何度も受賞しているカーオーディオの名門「尾林ファクトリー」。旧車に関してもこだわりを持つショップであり、今回は140psオーバーというサーキット走行を楽しめるサニートラックが展示された。
PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)

A12改A13エンジンを搭載するサニートラック。

カスタムカーコンテストで数度の受賞歴があるカーオーディオの名門ショップ「尾林ファクトリー」。カーオーディオだけでなくエアロパーツの取り付けからローダウン、さらにはボディメイクまでカスタムなら何でも任せられるショップとしても知られる。さらには旧車についてもこだわりを持ち、近年ではサニートラックのカスタム車両を展示するのが定番になっている。

荷台のアオリにオーディオをセット。

サニートラックは1971年に2代目へフルモデルチェンジされると、基本を変えずに’94年まで継続生産された。そのためタマ数が多く旧車入門に最適でもある。近年は値上がり傾向にあるが数年前までは安価に入手できたため、カスタムベースにされることが多かった。遊べる旧車として最も手頃かつ身近な存在ともいえるだろう。

度肝を抜く音圧が楽しめる。

ところが尾林ファクトリーの手にかかればご覧の通り。サニートラックではあるものの荷台からはフロアがなくなり、アオリを利用して巨大なオーディオがセットされているのだ。さらに荷台をよくよく見ればレース用安全燃料タンクをセットしつつ、リーフリジッドだったリヤサスペンションは4リンク式へと大変更。車高調整式サスペンションを組み込んでローダウンしつつ、しっかり走れる車体構成になっていることがわかるだろう。

フロアがほぼない!
4リンク化されたリヤサスペンション。

さらに注目なのがエンジン。2代目サニートラックには長らく直列4気筒OHVのA12エンジンが採用された。A型エンジンは1リッターから1.5リッターまでラインナップがあり、内部のパーツを組み合わせることで排気量を変化させる流用チューニングができた。このため様々な楽しみ方ができるし、長らくツーリングカーレースTSクラスで活躍してきたB110サニーと同じエンジンであるため、数多くのチューニングパーツが揃うことでも知られる。TSマシンと同じようなフルチューニングも楽しめるというわけだ。

トイカーズファクトリーでフルチューンされたA12改A13エンジン。

尾林ファクトリーによるサニートラックにはA12改A13エンジンが搭載されている。タペットカバーにはチューナーであるトイカーズファクトリーのステッカーが貼ってある。尾林ファクトリーとトイカーズファクトリーはショップが距離的に近いということもあるが、お互いに腕を認め合う間柄。A型エンジンについては数多くの経験を持つトイカーズファクトリーだから、エンジンチューニングに関して全面的に依頼しているのだ。トイカーズファクトリーはキャブセッティングにも長けており、組み合わされたウエーバーキャブレターは排気量を考えると大きめのサイズを使っていながら、低回転で実用的な特性を持ちつつ高回転で弾けるパワーを発生する。

オーバーフェンダーを装着してワイドなB.R.Eホイールをセット。

ボディの前後にはオーバーフェンダーが装着され、ワイドなB.R.Eアルミホイールをセットしている。これらボディパーツについてはスタイルキングのキットを装着してあり、もはや定番スタイルともいえる。サニートラックは1989年のマイナーチェンジでフロントブレーキにディスクを採用している。そのためキャリパーを社外品に交換しても構造変更にはならないため、足回りのチューニングについての自由度が高い。

カーボンで作り直されたインパネ。
潔くシートは運転席のみ。

旧車入門に最適な1台といえるサニートラック。さまざまな楽しみ方ができるため個性を生かしつつカスタム&チューニングが楽しめる。その好例と言えるのが尾林ファクトリーによる現車だろう。この車両では140psオーバーのパワーによる走りだけでなく、オーディオまで楽しめる。尾林ファクトリーでは3月10日に本庄サーキットでサニーばかりのイベントを予定しているから、今回のオートサロンで見逃してしまったならぜひ見学することをオススメする!

フロントマスクはB10サニー顔とされている。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…