ハコスカやケンメリなどのスカイライン、さらに初代S30フェアレディZ用のエアロパーツを開発している大阪市のスピードフォルム。国産旧車のカスタムとして斬新な手法を取り入れたことでも知られている。国産旧車には従来14インチや15インチのホイールが主流だったところ、スピードフォルムはより大径な17インチ、18インチなどのホイールを履かせることを前提にエアロパーツや車高を設定しているのだ。
またスピードフォルムが独創的だったのは大径ホイールと組み合わせるよう開発されたオーバーフェンダー。従来なら純正でオーバーフェンダーを採用していたスカイラインGT-Rや240ZG、TE27レビン・トレノ、ギャランGTOなどのスタイルが一般的で、より幅を広げたワークスタイプでもその形状は似たようなもの。ところがスピードフォルムが開発したオーバーフェンダーは上側が幅広く、下側が絞られた独特な形状をしている。これも大径ホイールを履かせた時の安定感やワイド感を強調するためのもので、個性的なスタイルを生み出すアイテムとなっている。
さらに純正のスタイルを崩すことなくよりスタイリッシュさを演出するフロントとリヤのスポイラーなども同時に装着することで、まとまりのあるスタイルを生み出すことに成功している。2024年の東京オートサロンには、これら発売済みエアロパーツに加えて、新たに形状を進化させたリアウイングタイプ2や新作のリアゲートスポイラーをお披露目。まだまだ進化を続ける余地があることを強くアピールした。
さらに今回はS30だけでなく最新のRZ34フェアレディZ用として、エアロパーツを新開発している。それが写真の白い個体に装着されているフロントリップスポイラー。S30で培ってきたノウハウを最新モデルにも応用してあるという。旧車に強いスピードフォルムだが、S30Zに乗るオーナーたちと話をしているうちにフェアレディZ好きは新旧問わずZが好きだし、複数台所有していることに気づく。そこでRZ34用を開発してみたところ、常連の間で好評だったという。さらにオリジナルマフラーも開発してあり、今後はRZ34用製品がさらに充実してくることが考えられる。フェアレディZが好きなら、しばらくスピードフォルムから目が離せなくなりそうだ。