3つの観点から改革に取り組みトヨタの全面的な支援を受けながら再生へ
ダイハツはこのたびの認証不正問題について、昨年12月20日に第三者委員会の調査報告書を受領し、国交省へ報告。報告書内容の事実確認のため、翌日以降、国交省による立入検査を受けてきた。
立入検査の結果、国内販売車種において、特に悪質な不正であると判断された3車種(※1)の型式指定の取消し手続きが開始されるとともに、新たな不正行為が確認された。また、法令違反につながる不正行為を行った同社の体制については、二度とこうした不正行為を起こさない体制への抜本的な改革を促す是正命令を1月16日に受領した。さらに、国交相からは、基準不適合の可能性がある2車種(※2)について、リコールが必要な場合は速やかに届出を行うよう指導された。
※1:ダイハツ・グランマックス/トヨタ・タウンエース/マツダ・ボンゴ(いずれもトラックタイプのみ)
※2:ダイハツ・キャスト/トヨタ・ピクシスジョイ
ダイハツは今回の件に対して、日本の道路事情に即した「軽自動車」という社会インフラに関わる立場でありながら、認証を軽視していると指摘されざるをえない不正行為により関連法令違反を行ってきたことは、自動車メーカーとしての根幹を揺るがす事態であると重く受け止め、「カスタマーをはじめとするすべてのステークホルダーの信頼を裏切り、多大なご迷惑をおかけしておりますことを改めて深くお詫びいたします」とのコメントを発表した。
ダイハツは、このたびの是正命令による指摘を真摯に受け止め、認証業務の見直しに留まらず、法令遵守を大前提に、経営、職場風土や文化、適切なモノづくり&コトづくりという3つの観点から改革に取り組み、トヨタの全面的な支援を受けながら再生に取り組んでいく意向だ。
今後同社は再発防止策をとりまとめ、国交省へ1カ月以内に提出し、その後の実施状況についても四半期毎に報告していく。なお、追加で判明した不正行為について、同社として技術検証を行い、安全性能・環境性能が法規基準を満たしていることを確認しているが、同省の指示に基づき、認証当局立会いでの試験など、必要な対応を行っていく方針だ。
また、今回の発表に際して、トヨタは以下のようなコメントを発表している。
「ダイハツ工業株式会社(以下ダイハツ)の認証不正事案について、お客様をはじめ、仕入先・販売店など、関係する皆様に多大なるご迷惑・ご心配をおかけしておりますこと、あらためて深くお詫び申し上げます。
本日、ダイハツが国土交通省より、このたびの不正行為に対する是正命令を受領いたしました。ダイハツが、再び信頼いただき、お選びいただける会社として再生できるよう、今回、ご指摘いただいた点を真摯に受け止め、認証業務の見直しに留まらず、抜本的な企業風土・経営の変革についても弊社としても全面的にサポートしてまいります。
まずはお客様をはじめ、仕入先・販売店の皆様のご不安に対して、ダイハツとともに丁寧に対応いたします。その上で、ダイハツの再生・変革に向けた取組みについては、1カ月後を目処に、再発防止策などの報告とあわせてご説明いたします」