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次々と積み重ねられる、音作りのブレイクスルー
画質の向上に負けず劣らず、音の能力も段階を追って飛躍的に高められている。近年における最初のブレイクスルーは、カスタムパワーアンプの採用だった。パナソニック製のオリジナル部品を投入することにより、より粒だった音にでき、高域を伸ばして空気感を高められたという。人には認識できにくい領域まで含め、音の広がりに貢献する度合は大きなものだった。
2021年に新しいプラットフォームが導入された際には、そこからさらに能力向上を果たす。原音を忠実に再現する高音質オペアンプに、歪みを最小限に留めて音の輪郭を明瞭にできるフィルムコンデンサー、そしてノイズを効果的に除去するチョークコイルと、こぞって採用に踏み切った高音質パーツは多岐に渡る。とりわけパナソニックでは、一般的なレベルと比べて定められるる自社基準がより厳しいだけに、高性能を生むがゆえの耐久力低下は、わずかばかりも許容されない。2021年のタイミングにして、ようやく必要耐久を備えるに至ったがゆえの部品採用ということだろう。
スタジオマスターサウンドを手軽に、かつ誰しもに
そして、満を持して投入されたものこそ、これまたパナソニックブランドとなるオリジナルのDSPだった。何よりの動機はサラウンド効果の創出にある。既存のものだとスペック的に到底求めることができない高いレベルを狙ったがゆえだ。
この音質向上の象徴ともいえるのが、ストラーダでお馴染みの、音のプロ集団“ミキサーズラボ“が監修したサウンドセレクトモード「音の匠」に、新たに追加された『KIWAMIサラウンド」モードだ。サウンドではなく、サラウンド。リビングにおけるホームシアターに近づけるような臨場感溢れる音を得ることができる。
そもそもストラーダで理想とされる音は、厳密に言うと原音という表現に留まらない。追い求められるのはスタジオマスターサウンド。原音が全ての人にとって心地よくなるとは限らず、すべからくファインチューニングされた音をアウトプットするという考え方だ。
しかも細かな設定なしに、音の匠モードによるプッシュセレクトだけでこれが可能になる。カーメーカー純正のオーディオ環境を前提におき、メインユニットの交換だけでパナソニックが理想とする視聴環境を手に入れられることを考えても、その手法は実にスマートだ。
何より特筆すべきは、この効果を車種を選ばずに広く受けられる点。500車種を超える取り付け可能な適合情報は、全てパナソニック自社による現車確認が前提となる。レンタカーの手配も含め膨大な数の実車を確認した上で、車内の大きさや造形を問わず、どんなクルマに付けても効果を発揮するチューニングがなされているということだ。
世代、性別を問わず、どんな人にも体験できる手軽な高性能として、パナソニックのスタジオマスターサウンドは限りなく敷居が低い。こんな点にも注目だろう。