新型MINIに加わったEVモデルは、約140万円の補助金でガソリン車よりお得に購入できる!?

約10年ぶりのモデルチェンジろなる新型MINI3ドアに追加されたバッテリーEVは、最大で140万円※という補助金が適用されるため購入のメリットも大きい。その結果、1.5L、2.0Lガソリンエンジン車との差が縮まるどころか、BEVの方がイニシャルコストが下がるという逆転現象が起こることになる。お買い得モデルはどれなのだろうか?
※(CEV、東京都、江東区をすべての補助金を合わせた場合)

TEXT&PHOTO:塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)

新型MINI3ドアから「ONE」が消え、車名は「Cooper」系のみに

新型MINI3ドア(左)と新型カントリーマン(右)を披露。なお、カントリーマンはガソリンエンジン車の「MINI Countryman S ALL4」

約10年ぶりとなるMINI3ドアの新型は、一充電あたりの航続距離305km〜402km(欧州仕様値)のバッテリーEV(BEV)が初めて追加されただけでなく、ベーシックグレードの「ONE(ワン)」がカタログから消え、全仕様が「Cooper(クーパー)」を名乗る。注目のBEVは、2023年度の例では、最大で140万円(東京都江東区の場合)になるという補助金(CEV、東京都、江東区をすべて合わせた場合)もメリットも大きい。新型MINIもまた1.5L、2.0Lガソリンエンジン車との差が縮まるどころか、BEVの方がイニシャルコストが下がるという逆転現象が起こることになる。

2024年3月2日の「MINI(ミニ)の日」よりも1日早く開催された「MINI DAY 2024 New MINI Family」のプレスカンファレンスには、2017年からMINIのデザイン部責任者を務めるオリバー・ハイルマー氏が来日し、初代クラシックMINIを「リボーン(再生)」させた新世代MINIについて、デザイン面からその想いを語った。そちらは、別の記事を参照いただきたい。

MINI3ドアが約10年ぶりのフルモデルチェンジ!! デザイン責任者が語る「新世代」とは?

3日2日(ミニの日)に約10年ぶりとなる3ドアモデルの新型と新型カントリーマンのお披露目され…

日本では、MINIのことを、たとえそれが「ONE」や「JCW」だとしても「MINIクーパー」と呼ぶ人が多い印象を受けるのは私だけではないだろう(オーナーは違うだろうが、一般的に)。今回の新型では一般的な呼称と実際の車名が一致したことになる。

パワートレーンは、BEVのほかにICEも残されていて、「C」、「S」が付くのがICE。「E」が付くのがBEVになる。エントリーモデルになる「MINI Cooper C 3 Door」は、直列3気筒1.5Lガソリンエンジンに8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が組み合わされている。最高出力は115kW(156PS)/5000rpm、最大トルク230Nm/1500-4600rpm。

新型MINIクーパー3ドアのインパネ

直列4気筒2.0Lガソリンエンジンを積む「MINI Cooper S 3 Door」は、最高出力150kW(204PS)/5000rpm、最大トルク300Nm/1450-4500rpmで、こちらも8速DCTとなる。なお、MINIといえば、MTも設定されてきたが新型には用意されておらず、今後の設定については現時点では何もアナウンスできることはないそうだ。なお、従来型(先代)の3ドア車も2020年2月にMTの製造もストップしていた。

新型MINIクーパー3ドアのリヤビュー

新型MINIクーパー3ドアのスペックをICE、BEV、先代と比較すると

さて、BEVの「MINI Cooper E 3 Door」は、126.0Ah/40.7kWhのリチウムイオンバッテリーを積み、一充電あたりの走行距離は305km(欧州仕様値)となっている。最高出力は135kW(184PS)、最大トルクは290Nmで、1.5Lガソリンエンジン車のスペックを超えている。

同じくBEVで上級の「MINI Cooper SE 3 Door」は、容量136.0Ah/54.2kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電あたりの走行距離は402km(欧州仕様値)。最高出力は160kW(218PS)で、最大トルクは330Nmを発揮。こちらも動力性能では、2.0Lガソリン仕様を軽く超えている。

また、ICEとBEVではボディサイズもホイールベースもわずかに異なっている。先代3ドアとも比較してみよう。

ICE:全長3875mm×全幅1745mm×全高1455mm、ホイールベース2495mm
BEV:全長3860mm×全幅1755mm×全高1460mm、ホイールベース2525mm
先代:全長3865mm×全幅1725mm×全高1430mm、ホイールベース2495mm

ICEの方が15mm長く、BEVの方が10mmワイドで、5mm高くなっている。ホイールベースは、BEVの方が30mm長い。なお、BEVの駆動用バッテリーは、床下に配置されていて、ラゲッジ下にもサブトランクを備えている。展示車両のBEVは、オプションのウーファーやパンク修理キットなどが収まっていた。

先代は、仕様により若干全長と全幅(バンパーやフェンダーなどのデザインの差)は異なっていた。ICEもBEVも先代よりも若干ワイドになり、全高も高くなっている。

インテリアで目を惹くのは、メーターパネルが廃止され、運転にかかわる情報はヘッドアップディスプレイに集約されたのと、多彩な表示が可能な丸型センターディスプレイだろう。エアコンやインフォテイメント、車両、利用履歴などが表示されるほか、どこのドアが開いているのかも大きなイラストで表示。イグニッション(電源)のオン/オフやシフト選択などは、丸型ディスプレイ下に集中配置されたスイッチなどで行う。

ほかにも、新型MINIの特徴は、ライトとサウンドの演出にもある。全車に標準化される「MINIエクスペリエンス・モード」の採用により、ダッシュボード上に最大7パターンの光のグラフィックを投影。丸型メーターディスプレイの裏側から光を放っているのを確認できた。

サウンドデザイナーにより設計された「MINIドライビングサウンド」によりインテリア全体の印象が変化するのも特徴だ。「パーソナルモード」にすれば、自分で撮影するなどしたお気に入りの画像をディスプレイの背景に設定することが可能。

「ビビッドモード」にすれば、流れている楽曲のカバーアートの色に合わせた光の演出が25色の中から自動で選ばれ、ダッシュボード上に投影される。そのほか、ライトでは、前後ライトのシグネチャーの表示が切り替わるだけでなく、ウェルカム/グッドバイ・ライトにより前後ライトが挨拶して出迎え、お別れをしてくれる演出も用意。MINIファンの中には、愛車に名前を付ける人もいるそうで、ユーザーの所有満足度を高めてくれそうだ。

補助金でBEVの方が割安になる!?

最後にICEとBEVの価格を比べて見る。
「MINI Cooper C 3 Door」:396万円
「MINI Cooper S 3 Door」:465万円

「MINI Cooper E 3 Door」:463万円
「MINI Cooper SE 3 Door」:531万円

下位グレード同士では、67万円の差があり、上位仕様も66万円差とほとんど変わらない。先述したように、航続距離は別にしても動力性能では、BEVの方がパワフルかつトルクフルとなっている(現時点で車両重量などは明らかにされていない)。

冒頭で紹介したように、2023年度の例では、CEV補助金が85万円、東京都が45万円、発表会が行われた江東区の場合は10万円となっていて、総額140万円の補助金となる。補助金を前提とした車両価格では、新型MINIもまたIECを抑えてBEVの方が安く手に入ることになる。地方自治体によって補助金の有無や金額は異なるものの、CEV補助金だけでも逆転する。

新型MINIカントリーマン

なお、MINIクロスオーバーから車名を変えた新型カントリーマン(従来は商標の関係で日本ではクロスオーバーを名乗っていた)も同様に2023年度の例では、東京都江東区の例で、計140万円の補助金が受けられる。そのため、たとえば同じ「ALL 4」同士の比較では96万円、BEVの方が価格設定は高いものの、この例では逆転してBEVの方が安くなる。

「MINI Countryman C」:489万円
「MINI Countryman D」:509万円
「MINI Countryman S ALL4」:566万円
「MINI Countryman E」:593万円
「MINI Countryman SE ALL4」:662万円
「MINI John Cooper Works Countryman」:667万円

なお、こちらも「C」はガソリンエンジン車に、「D」はディーゼルエンジン仕様に付けられ、「E」と「SE」はBEVの車名に付く。なお、日本ではディーゼルエンジン車の人気が根強く、新型カントリーマンの2.0L直列4気筒ディーゼルターボは、ヨーロッパ以外では日本のみに導入されている。

新型MINIカントリーマンの2.0Lガソリンエンジン

さて、今回カントリーマンに追加されたBEVには、FFと4WDを設定している。「MINI Countryman E」は、最高出力150kW(204PS)、最大トルク250Nmを発揮するモーターを前輪に配置したFF。ボディ床下に積むリチウムイオンバッテリーは、容量232.0Ah/66.45kWhで、一充電あたりの航続距離は462km(欧州仕様値)。

新型MINIカントリーマンのインパネ

「ALL4」からも分かるように、4WDモデルとなる「MINI Countryman SE ALL4」は、最高出力140kW(190PS)、最大トルク247Nmを発揮するモーターを前後に配置。システムトータルでの最高出力は225kW(306PS)、最大トルクは494Nm。リチウムイオン電池は、容量232.0Ah/66.45kWhで、一充電での走行可能距離は433km(欧州仕様値)。なお、クーパー、カントリーマンともにBEVは、最大で130kWの急速充電に対応し、10〜80%まで30分で充電可能とアナウンスしている。納車は、3ドアもカントリーマンのBEVも2024年第二四半期以降となっている。

キーワードで検索する

著者プロフィール

塚田 勝弘 近影

塚田 勝弘

中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー…