初代となる現行型e-tron RSは、2021年に発売。ポルシェと共同開発したEV専用「J1」プラットフォームを採用し、タイカンと40%のコンポーネントを共有する兄弟モデルだ。
今回はスウェーデン北部の山中と、ドイツ市街地で2台のプロトタイプを捉えたが、異なるスタイルのエアインテークを備えており、ベースバージョンと最強RSプロトタイプと思われる。
ベースバージョンは、低いルーフラインと傾斜したテールを持つが、RSはよりアグレッシブなパッケージが特徴だ。両モデルともノーズとテールには迷彩柄のラップが施されているが、ベースバージョンのe-tron GTは、LEDヘッドライト下のサイドエアインテークの形状が笑みを浮かべているように見える。一方RSは、各ランプユニットの下に台形のサイドエアインテークがあり、各前輪のすぐ前にもう1つの垂直ベントが配置されるなど、よりアグレッシブだ。
またRS後部にはコンパクトなトランクリッドスポイラーと大きなホイールが見てとれる。よく見ると、タイカンと同じように巨大な10ピストンキャリパーが装備されており、運転席側前輪のクローズアップショットでは、ポルシェブランドの赤いブレーキキャリパーが確認できる。
ヘッドライトとテールライトは、現行コンポーネントだが、今後開発が進むにつれ、グラフィックや形状が新設計されることが濃厚だという。
兄弟となるタイカンは、大幅改良によりパフォーマンスバッテリープラスの容量が93kWhから105 kWhに進化した。ポルシェはEPAの正式な航続距離をまだ明らかにしていないが、独自のテストでは、1回の充電で最大365マイル(587km)走行できることが判明している。
またタイカンでは、ラインアップ内のすべてのタイカンのパフォーマンスを向上、現在の最強モデル「ターボS」では最高出力952psを発揮する。RS e-tron GTがそこまでハイパワーにする可能性は低いが、現在の最高出力646psを大幅にパワーアップされることは確実。800ps程度と予想される。現在電気モーターとバッテリーの開発は急速に進んでおり、ベースのGTもスペック向上は濃厚だろう。