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異業種が融合して新しいEVとモビリティサービスを開発
2022(令和4)年3月4日、ホンダとソニーグループは共同で、新しい時代のモビリティとモビリティサービスを構築するための提携に向けた検討を進めると発表。両社で合弁会社を設立し、2025年に高付加価値のEVを共同開発して市場に投入することに合意したのだ。
新会社「ソニー・ホンダモビリティ」を設立
ホンダとソニーグループは、2021年夏頃から新しい時代のモビリティとモビリティサービスを共同で進めるための協議を開始。具体的な3つの目標である“合弁会社設立”、“2025年に高付加価値EVの開発・市場投入”、“モビリティ向けサービスの提供”を策定し、2022年のこの日に合意に至った。
新型EVの開発はホンダが、モビリティ向けサービスはソニーが担当し、新しく設立される合弁会社がそれぞれの強みを融合させ、事業化する。提携締結の半年後の9月28日に「ソニー・ホンダモビリティ」を設立。新会社の資本金は100億円で、ソニーとホンダがそれぞれ50%ずつ出資し、CEOはホンダから、COOはソニーから選任された。
新会社を通じて、ホンダの持つ最先端の環境・安全技術をはじめとしたモビリティ開発力、車体製造技術およびアフターサービス運営の実績と、ソニーグループのイメージングセンシング、通信、ネットワークおよび各種エンターテインメント技術の開発・運営の実績を持ち寄り、新しい時代のモビリティとモビリティティー向けサービスの実現を目指すのだ。
ソニー・ホンダモビリティの新型EVの名は「アフィーラ」
2023年10月17日に開催された「ジャパンモビリティ2023」で、ソニー・ホンダモビリティが開発中の新型EV「アフィーラ・プロトタイプ」を先行公開した。
アフィーラは、15代目クラウンと同等サイズの流麗なラインを持つ4ドアセダン。ドアノブもない、サイドミラーに替えてカメラを装着するなど、ボディのフラッシュサーフェス化を追求し、車内外には計45個のセンサーが搭載され、特定条件下でのレベル2の採用が想定されている。
車体前後には、「メディアバー」と呼ばれるディスプレイを装着し、外部とのコミュニケーションが図られ、車内の前方には左右いっぱいに「パノラミックスクリーン」を装備。液晶画面の視認性向上のため、リムの上半分がカットされた形状のステアリングホイールが採用され、天井は広々としたガラスルーフになっている。
また車内では、エンターテインメント要素を充実させ、車内でゲームを楽しめるなど、ソニーの技術が活用される予定だ。
2025年に発売、2026年春から北米、後半には日本で納車予定
2024年1月、ソニー・ホンダモビリティは開発中の「アフィーラ」に、生成AI(人工知能)を使った対話型システムを搭載するため、マイクロソフト社と提携。マイクロソフト社のクラウドサービスを活用し、AIと会話することでクルマに指示を送れるようにするのが狙いだ。
アフィーラは2025年に発売、26年春から北米、同年後半には日本でも納車される予定になっており、今から大きな注目を集めている。
自動車界と電機・エンタメ界の2つの異種ブランドの技術が融合した新しいEVがもうすぐ誕生する。自動車メーカーが作るEVと、いったいどのような違いがあるのか、差別化できるのか、今から楽しみだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。