目次
実車に試乗したいなら11月21日の「FUJI 86 STYLE with BRZ」へGO
86からGR86へ。車名変更に伴いロゴも一新
今回のフルモデルチェンジに伴い、車名が「86」から「GR86」に変更されたのは既報の通りだ。車名変更に伴ってロゴも一新され、GRの文字が誇らしげにあしらわれている。また、フロントにGRブランド専用の「ファンクショナル マトリックス グリル」が採用されているのもGR86の特徴だ。
GR86は、先代と同様にスバルとの共同開発によって誕生。BRZとはGR86とBRZは2.4L水平対向エンジンやインナーフレーム構造により大幅に剛性を向上したボディなど、基本メカニズムの大半を共有している。その一方で、エンジンの特性やシャシーの味付けを変更することでキャラクターを明確化させることに成功した。両者の方向性を一言で例えるならば、GR86はダイレクト、BRZはリニアである。
トヨタとスバルは2019年9月に「新たな業務資本提携」に合意するなど、近年はより関係を深めている。現在は電気自動車を共同で開発中だ。GR86とBRZの実績からすると、電気自動車でも両社の個性が引き出されたモデルの登場が期待できる。
GR86は「RC」「SZ」「RZ」の3グレード構成
さて、BRZは7月29日に正式発表を済ませていたので、それから約3ヶ月経っての発売開始となったトヨタGR86。発売と同時に明らかになったのは、グレード構成と価格だ。
RC 279万9000円(6MT)
SZ 303万6000円(6MT)/319万9000円(6AT)
RZ 334万9000円(6MT)/351万2000円(6AT)
ご覧の通り、グレード名称も一新された。最上級が「RZ」、その下が「SZ」といった具合に、スープラなど他のGRモデルと統一感のあるネーミングとなっている。
RC【279万9000円】装備が充実。これなら街乗りでも使える!
うれしいのは、カスタマイズを前提として装備を簡略化したグレード「RC」が復活したこと。
先代のRCは199万円という驚きの低価格で登場。ただ、前後バンパーを未塗装の素地とするのはともかく、エアコンやオーディオ用スピーカー、インパネカバーも省略するなど装備を思いっきり絞り込んでいたため、サーキット走行が目的の一部のユーザーにしか受け入れられなかった。
新型は、そこまで極端な廉価グレードとはなっていない。ホイールは16インチサイズのスチールタイプ、シフトレバー&パーキングレバーはウレタン製と簡素化されているが、エアコンやスピーカー(2個だけど)をはじめ、一般的な装備は備わっている。
その分、価格は279万9000円と底上げされてしまったが、カスタマイズ前提のユーザーをはじめとして、より多くの人におすすめできるグレードとなった。
SZ【303万6000円〜319万9000円】価格と装備のバランスが良い中間グレード
中間グレードのSZは、ホイールが17インチのアルミタイプにグレードアップ。シフトレバー&パーキングレバーも本革製となり、手触りも上々だ。スピーカーの数も6個に増えている。
また、SZ以上のグレードではトランスミッションで6ATを選択することが可能だ。6AT車にはスバルの運転支援システム「アイサイト」が標準装備となるのがうれしい。
RZ【334万9000円〜351万2000円】18インチのパイロットスポーツ4が走りに効いている
最上級グレードのRZは、SZからの追加装備が多い。シート表皮はウルトラスエードと本革のコンビを採用し、メーターバイザーやドアトリムにはブランノーブというスエード調の素材があしらわれる。また、ステンレス製ペダル類とフットレストはアルミ製になっており、これらの素材変更は見た目と操作性の向上に貢献している。
RZの装備で最も注目すべきは18インチアルミホイールの採用だろう。タイヤの銘柄も、SZは先代から引き続いてミシュラン・プライマシーHPなのに対して、RZはよりスポーティなミシュラン・パイロットスポーツ4)を履くという違いがある。
ちなみにアンダー部の中央に装着されるリヤフォグランプも、RZのみの装備。レーシングカーをイメージしたレイアウトで、先代から継承された要素でもある。
どのグレードにも特色があり、購入の際には頭を悩ませることになりそうだ。個人的な意見としては、それほどカスタマイズをすることなくノーマルで乗るのならば、RZを第一候補としたい。というのも、新型GR86のプロトタイプをクローズドコースで試乗した際、18インチのパイロットスポーツ4がかなり好印象だったからだ。
RZは室内の仕立ても上質で、運転席に座っていると走る気分を大いに盛り上げてくれる。そうしたことを考慮すると、SZととの価格差も納得できるものではないだろうか。
KINTOなら月額2万1450円から利用可能。カスタマイズもOK
とにかく気軽に新型GR86を手に入れたいというのなら、KINTOを利用する手もある。KINTOはクルマのサブスクリプションサービス。毎月の利用料に税金・保険・車検などの諸費用が含まれているため、おカネの見通しがつきやすいのがメリットだ。
KINTOでは、新型GR86を月額2万1450円から利用できる(RCグレード、追加オプションなし、7年プラン、ボーナス月加算16万5000円の場合)。新型GR86の場合、他車では禁止されている車両のカスタマイズがOKなのもうれしいポイントだ。
11月21日(日)には富士スピードウェイで「FUJI 86 STYLE with BRZ」が開催される。このイベントでは新型GR86の試乗も可能なので、気になる方はぜひ足を運んでみて欲しい。
トヨタ GR86 RZ・主要諸元
■ボディサイズ
全長×全幅×全高:4265×1775×1310mm(全高はアンテナを含む数値。ルーフ高は1280mm)
ホイールベース:2575mm
車両重量:1270kg(6MT)/1290kg(6AT)
乗車定員:4名
燃料タンク容量:50L
■エンジン
型式:FA24
形式:水冷水平対向4気筒DOHC16バルブ
排気量:2387cc
ボア×ストローク:94.0×86.0mm
最高出力:173kW(235ps)/7000rpm
最大トルク:250Nm/3700rpm
燃料供給方式:筒内直接+ポート燃料噴射装置(D-4S)
■シャシー系
サスペンション形式:Fマクファーソンストラット・Rダブルウィッシュボーン
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク・Rベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:215/40R18
■燃費
WLTCモード:11.9km/L(6MT)/11.7km/L(6AT)
■価格
334万9000円(6MT)/351万2000円(6AT)