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トライトン開発ボス・増田義樹氏とヒルディセントを試してみる
清水：三菱トライトン・ディーゼル、ピックアップ系の四駆。ついに公道で走れる時が来た。
去年、音更（※おとふけ／三菱自動車・十勝研究所[北海道河東郡]）で乗ったんだけど（※帰ってきた三菱新型「トライトン」ディーゼルを清水和夫が一足お先に堪能！「本物のハードボイルド4WD」）。
増田：乗っていただきましたよね！
清水：こちらは、チーフプロダクトスペシャリスト、いわゆるチーフエンジニア。開発で一番偉い人、増田義樹さん。
増田：よろしくお願いいたします！
清水：サイドブレーキいいね！ EPB（Electric Parking Brake）じゃないところが。じゃ出発！ 今、四駆モードになってるんだっけ？
増田：はい、4LLc、センターデフがロックになっています。
※ドライブモード NORMAL（ALL）＝さまざまな路面環境や走りに幅広く対応する走行性能と燃費をバランスよく発揮。 ECO（2H）＝アクセルペダルのレスポンスを穏やかにし、エコで経済的な走りをサポート。 GRAVEL（未舗装路／4H）＝砂利道未舗装路の他、豪雨の際でもトラクション性能を高め高い安定性を実現。 SNOW（氷雪路／4H）＝滑りやすい路面でも安心感が高く、かつドライバーの意図通りの走りを実現。 MUD（泥濘／4HLc）＝ぬかるんだ路面などの悪路でスリップを制御。高い安定性と脱出性能を発揮。 SAND（砂地／4HLc）＝砂地で力強く安心感の高い走りを実現。 ROCK（岩場／4LLc）＝岩場や凹凸のある路面でパワフルで安心感の高い走行を実現。脱出性能を発揮。
ぬかるみだって無問題！
清水：やっぱりディーゼルの下のトルク、いいよね。あ、なんか岩がある！ ぶつけたらごめんなさい（汗）。
増田：デパーチャーアングル、アプローチアングルをしっかり作っています。
清水：昨日、大雨で今日晴れたけど、道が最悪。だから最悪の道を最強のトライトンが走っているって感じ。お、バンクがある。
増田：だいぶぬかるんでます。
清水：アプローチアングルが取れているから、懐がゆったりしていてノーズを打たなくていい。
増田：アプローチアングルは30.4度取っています（※GLS ＝30.4度／GSR＝ 29.0度）。
清水：それは他のSUV、ピックアップに比べても大きい方？
増田：そうですね、大きい方です。
清水：今、タイは総合認証だから、タイで作って認証を取れば、そのまま日本とヨーロッパのWP29（自動車基準調和世界フォーラム）にそのままいけるから。第2の祖国みたいな感じ。なら、部品メーカーも結構アセアン、タイでほとんど調達できる？
増田：そうですね。タイの工場もあり、その周辺にもいろいろ…。
清水：タイヤからABSメーカーとかコモンレールとか。
清水：これ、ヒルディセントできる？
増田：ディセント、こちらにあります。
清水：自動的にブレーキをつまみながら、右足はアクセルもブレーキも何も踏んでいない状態。時速2～3km/h、歩くくらいのスピード。
増田：アクセルを踏むとスピードを調整できます。
清水：その時は戻した時の速度になる？
増田：はいそうです。
清水：ドライバーオーバーライドして速度上がって、アクセルを戻すとその速度に再びヒルディセントが設定されます。こういうところに電子制御を使ってくるって、いいね。
ラリーの大先輩、増岡浩さんとオフロードラン
清水：トライトンのオフロード走行2パターン目。助手席にいらっしゃるのが、世界的に有名なラリードライバーの増岡浩さん。
増岡：去年、音更でオフロードをちょっと攻めましたけど！
清水：ちょっと待って、これ今、何モード？
増岡：4HLcですね。四輪駆動のハイのセンターデフロックですね。
清水：でも音更のコースは凄かった。
増岡：あそこも昔はお客様にも貸し出していたんですけど、今はもう専用のテストコース。かなりハードなコースです。
清水：道作りが大事。道がクルマを鍛えるところがあるから。道を簡単に作ったらクルマは鍛えられない。
増岡：やっぱり人とテストコースですね。「行けない！」と思われるコースをわざと作ったんです。それをターゲットに。
清水：え!?っていう感じ。ココ、ラクタのコブみたい！
増岡：ここではアプローチアングル、あと最低地上高でしっかりかわしていきます。
清水：え!? ここ行くの??
増岡：すり鉢状です。今、前が見えないんですけど、カメラで道が見えます。
清水：ウヒョ！ 先が見えないって怖い。でもパリダカなんか先見えないとこだらけ。パリダカもペースノート、持ってるの？
増岡：いえ、ないです。
清水：行き当たりばったり？
増岡：もうその時に考えます。
三輪駆動でもイケちゃう
清水：今、どこかのタイヤは浮いてる。だから三輪駆動。
増岡：はい、浮いてますね。
清水：でも、タイヤがスクラム組んでるから“オッケー牧場”みたいな！
増岡：今、後ろのタイヤが浮いています。スリップしたら、アクセル踏んでいくとトラクションコントロールでカバーしてくれる。
清水：も～これはやめられない！
増岡：清水さん、もしよろしかったらここでせっかくなので、モード変えましょう。4LLc、これ一度戻しますね。
清水：センターデフロックのローギヤード。
増岡：はい、これで入って、なおかつドライブモードを、これでロックです。これが一番強いヤツ。
清水：4つのタイヤがスクラム組んでギヤもローギヤードにして。
増岡：なおかつ、タイヤが浮いた時でも1番ブレーキを掴む。
清水：スピードは出ないけど、最強のトラクション。
増岡：はい、そうです。今、約半分に減速しています。なので走りやすくなると思います。
清水：これはモノコックじゃできない、フレーム構造じゃないとこういうことできない。
増岡：今、30cmくらい後ろのタイヤ、浮いています。乗っているとわからないですけどね。さらに使おうと思えば、リヤデフロックがあります。
清水：あぁ、それが一番最強！ そのリヤデフロックっていうのはメカニカルに？
増岡：メカニカルで完全ロックです。
【SPECIFICATIONS】 車名：三菱トライトン GSR／GLS 全長×全幅×全高：5360×1930×1815mm／5320×1865×1795mm ホイールベース：3130mm トレッド（前/後）：1570/1565mm 最低地上高：220mm 車両重量：2140／2080kg 乗車定員：5名 最小回転半径：6.2m エンジン型式/種類：4N16／直4DOHC＋ターボ 内径×行程：86.0×105.0mm 総排気量：2439cc エンジン最高出力：150kW(204ps)/3500rpm エンジン最大トルク：470Nm(47.9kgm)/1500-2750rpm 燃料タンク容量：75L(軽油） ミッション：6速AT 燃料消費率(WLTCモード)：11.3km/L サスペンション（前/後）：ダブルウイッシュボーン／リーフスプリング ブレーキ（前/後）：ベンチレーテッドディスク／リーディングトレーリング タイヤサイズ（前/後共）： 265/60R18 車両本体価格（税込）：5,401,000円（GSR）／4,980,800円（GLS）