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家族みんなで享受できる使いやすい高性能
1988年の登場から早25年が経過したロングセラーながら、時代のニーズに沿って常にその姿・形を変えてきた“楽ナビ”。節目となる25周年を迎えても、その進化は留まるところなく、これまで以上に意欲的だ。
ついに踏み切られたオンライン対応化は、とりわけ大きなステップと言える。リアルタイムでの交通情報を取得できる能力は言うに及ばず、地点検索でも、そして地図更新でもと、オンライン化の恩恵でより多くのデータをスマートに取り込めるようになった。
今や家族誰しもがオンライン前提の暮らしを送るなか、車内をWi-Fiスポットに変えられる有料オプションサービスも大きな魅力。オンラインによる恩恵は、ナビ本体やドライバーだけでなく、車内空間全体に、そして乗員全てが享受できることにもなる。
その上で、市販カーナビ最新のカタチであるフローティング構造が採用されたことも見逃せない。パイオニア・カロッツェリアの市販品では初の試みであり、限られたスペースのままでディスプレイはより大きく鮮やかになる。ルートガイドはより見やすく、そしてエンタメ映像も迫力を増す。オンライン対応によって車内での再生コンテンツが膨大に増えるなか、その相乗効果まで得られるのだから、まさにその歩みは市販ナビの王道たるものだ。
ブランドスタート25周年を彩る全社を挙げた大型プロジェクトの結実
モデルチェンジのプロジェクトは2020年の夏に始まった。
「当初は当時の楽ナビにフローティングモデルを追加するか、しないかという検討でしたが、次第にフルモデルチェンジを伴ったスケールが大きな企画となっていきました(山内氏)」
冬には企画自体がより大きなものに変貌していく。
「全社横断のプロジェクトとして立ち上げて、いわゆる新プラットフォームを開発しようということになりました。そこでいろいろな仕様や機能をイチから考えていくことになりました(山内氏)」
定期的に行われるモデルチェンジの際とは、その様相も違った。
「クルマなどでも共通のプラットフォームがあると思いますけど、あのような感じで1個のプラットフォームをまずは楽ナビで作り、それをいろんなモデルに展開していこうという企画のトップバッターだったというのが、この楽ナビのポイントになると思います(山内氏)」
当然、だいぶ先を見据えた大掛かりなものとなる。
「「今回のプロジェクトは、5年後でも現役で戦える最低限のハードスペックや仕様を満たすことを前提に開発をしています。カーナビの進化はハードスペックに影響を受けることが非常に多いので。ただ、ここまで全社横断的に作り込んだのは、なかなかない活動だったと思います(山内氏)」
当初の計画時点より、発売年が楽ナビにとっての25周年記念に当たることはわかっていた。
「それに恥じないようなモデルとして作ろうと、社内でも話をしていました。通信機能の部分も含めて、既存のカーナビでは満足できない部分を払拭し、ブレークスルーできるモデル作りをしようというふうには考えていました(山内氏)」
結果、市場からの反響も上々だという。
「直感的な操作が、新しいインターフェースになってできるようになったという声が多く聞かれました。わかりやすいインターフェースは楽ナビの根幹です。今や基準はスマートフォンになってきていますが、このモデルはフリック入力など、そういったもにも自然と対応しています(堤氏)」
プロモーションを兼ねた展示会では、こんなエピソードもあったという。
「25周年のイベントを実施した際に、大学生ぐらいの方がふらっと来られまして。親のクルマに楽ナビがついていて、自分もいつかクルマに乗る時には楽ナビをと、そんな思いを聞きまして。本当に嬉しくてですね。私たちの目指すのは、使っていただくご本人はもちろん、ご家族の方にもその良さを知って頂くこと。こういった形で、次の世代へとどんどん受け継がれていくといいなと思っています(堤氏)」