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小型ボディでも安心感は抜群 操縦安定性や乗り心地も良好
シエンタはこの3代目でプラットフォームをTNGA GA-Bに一新。扱いやすい5ナンバーサイズを維持し、ホイールベースは先代と同じながら、全高を先代比で20㎜(室内高も20㎜高い)高めたことで乗降性が向上。室内頭上空間のゆとりも増している。エクステリアはぶつけやすい前後バンパーの側面とボディサイドに黒い未塗装のプロテクションモールを大胆に配することでクロスオーバー感を強調。万が一、そこをぶつけても、パーツ交換だけで済むメリットまで生まれている。
エクステリア
インテリアは先代からすれば、一気に大人っぽく、上質になった。インパネ、ドア内張りの一部を布張りとして、質感の高いシート地と合わせ、かなりシックで上級感あるリビング感覚が演出されているのだ。パッケージングで特筆すべきは2列目席。先代より膝まわり空間が80㎜も増して足元広々。逆に、3列目席の膝まわり空間は減少。しかし3列目席を畳んで使うユーザーも多いことから、見識ある進化と受け取れる。また、先代同様、大容量ワゴンとも呼べる2列シート仕様も揃う。
乗降性
ノア/ヴォクシーなどとは違い、後席エアコン吹き出し口をもたないが、オプションで天井サーキュレーターを用意。2/3列目席にも快適な空調環境が与えられている。プラットフォーム、パワートレインはともにヤリス譲り。すなわち1.5ℓ3気筒エンジンを基本に、ニッケル水素電池を用いるハイブリッドではモーターを加えたシリーズパラレル式ハイブリッドとし、エンジン91㎰、12.2㎏m、モーター80㎰、14.4㎏mというスペックで、WLTCモード燃費最高28.8㎞/ℓを誇っている。
インストルメントパネル
現行シエンタの真打ちとなるハイブリッドの最上級グレード「Z」の3列シートモデルに乗り込めば、まずは先代で違和感のあったドライビングポジションがグッと自然になったことがわかる。ただし、電子パーキングブレーキは依然未搭載で、足踏み式サイドブレーキのため、足元広々とは言えないのが残念。が、電制シフトを奢るハイブリッドのZグレードのみ、全車速対応のACCに渋滞時にうれしい停止保持機能が付く。高速走行の機会が多いならZグレードだろう。
居住性
走り出せば、もちろん出足はモーター走行。モータートルクによるスムーズで静かな加速感が気持ちいい。車重はガソリン車に対して70㎏重くなるものの、ドライブモードがノーマル以上なら、2〜4人乗車での加速力に不満はない。パワーステアリングは軽く扱いやすいのだが、乗り心地は先代までのフワリとしたタッチとは別物。TNGAらしいボディ剛性の高さを実感できるしっかり感と快適感を両立した乗り味になる。
うれしい装備
月間販売台数 10875台(23年5月~10月平均値) 現行型発表 22年8月 WLTCモード燃費 28.8 ㎞/ℓ※「HYBRID X」の5人乗り/FF車
ラゲッジルーム
操縦安定性もなかなかで、カーブでの車体の傾きは意外にも最小限。四輪のタイヤが路面に張りつくような安定感・安心感あるコーナリングを披露し、カーブが苦手なドライバーでも安心だ。先進運転支援機能のセーフティセンスとともに標準装備される、先行車との接近時やカーブ手前で自動減速してくれるプロアクティブドライビングアシストの好制御と合わせ、運転の安心感が極めて高い一台となる。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.155「2024 最新ミニバンのすべて」の再構成です。