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シンプルながら多機能なバンコン|カトーモーター・ライラ
バンコンの後部座席は、前向きがいいか、横向きがいいかは永遠の論争のような気がするが、いずれにせよどちらにもメリットはある。
前向きは当然ながら、走行中に身体をしっかりとホールドすることができて、快適性という点ではアドバンテージがある。一方、横向きにした場合、車内のレイアウトに自由度が増し、特にダイネットスペースが広く確保できるというメリットがある。
ビルダー各社はそれぞれのメリットを活かしたバンコンを製作しているわけだが、当然ながらユーザーのライフスタイルは一様ではないので、どちらのメリットも欲しいという人向けのモデルもラインナップしている。その一例が、カトーモーターの「ライラ」だ。
後部の居住空間を見ると、出入り口の直近にバタフライ式の前向きシートを、その横と後ろに横向きシートが備えられている。
まず前向きシートだが、走行中の快適性だけでなく、その前部にある収納ボックスを使えばPCワークや趣味の作業ができるようになっている。
さらにこのシートを使えば、ベビーシートやチャイルドシートを装着することができる。ライラの乗車定員は5〜6名だが、就寝定員は2名なので、ニューファミリーの使用を意識しているかもしれない。
さて、横向きシートはセカンドが2人掛けとなっている。ちなみに取材車両は運転席回りが2人乗車仕様なので、乗車定員は5名だが、3人掛け仕様なら6名になるわけだ。
ダイネットは主に対面シート付近になるわけだが、日中はセカンドのソファーでゆったりとくつろぐこともできるし、連続している対面シートの片側を使ってゴロンと横になることができるのは、ものぐさ派にはうれしい。
テーブルを取り、対面シートを展開すると、1520×1000mmのベッドになる。ここを常設にして、ペット用のスペースにしておくなどという使い方もできる。
ギャレー類は車両後部に集中しており、右側は調理台+冷蔵庫、左側にはシンクになっている。こうした装備が車両後部にあると、オーニングなどを使って車外でくつろぐ時に、冷蔵庫やシンクへのアプローチが外からできるから便利だ。ちなみに後部の床下には収納があり、このおかげで8ナンバーを取得することが可能だ。
さて、セカンドシートもフラットにして対面シート部分と合わせれば、約1850×約1400mmの大人2名分のベッドスペースが完成する。これだけの広さがあればゆったりと寝ることができるが、運転席後ろの収納ボックスがマットと同じ高さになっているため、エアマットなどを使ってさらに広く寝ることも可能だ。
ちなみに2WDガソリン車ベースで、468万5000円〜のプライスだが、キャンピングカーとしての基本装備はほぼ揃っている。オプションを考えるなら、サブバッテリーの増加や、FFヒーター、エアコンの追加装備くらいだろう。
ウッディなインテリアが、スカンジナビアの香りを醸し出しているライラ。日中はもちろんのこと、夜も落ち着いた雰囲気の中で、心身共に癒やすことができるだろう。夫婦の二人旅をはじめ、レジャーのベース基地やトランスポーター、移動事務所としてなど、様々な用途が想定できそうな1台だ。まさに大人の秘密基地になりうる一台なのである。
カトーモーター・ライラ
■車両本体価格:515万3500円/展示車価格:546万1500円
■ベース車両:トヨタ・ハイエース
■乗車定員/就寝定員:6人/2人
■展示車のオプション装備:リヤヒーター 2万7500円/リヤクーラー 6万500円/350Wインバーター&液晶TV 22万円