新しくなった顔を見よ! マツダの主力SUVのデザインと走りが進化して円熟の境地へ【新型マツダCX-5】

マツダの主力SUV、CX-5が商品改良を行なった。その内容は多岐にわたり、デザインから走り、使い勝手に至るまで改良の手が加えられている。2種類の新たな特別仕様車がラインアップに加わったのもニュースだ。まさに円熟の境地に至った新型CX-5、発売は12月上旬が予定されている。

新型SUVの投入に備えてCX-5もアップデートを実施

マツダにとって、CX-5は4番バッターだ。グローバル販売台数のじつに3分の1を占めている主力選手である。日本の10月の販売台数を見てみると、CX-5は2163台で20位。これはマツダ車の中で最上位だ。マツダが重視している北米市場においてもCX-5はセールス好調で、1万177台を販売した。その次に売れているCX-30が3147台だったのと比べると、どれだけCX-5が人気を集めているかがおわかりだろう。

そんなCX-5がこのたび、商品改良を受けた。現行型は2017年登場なので、本来ならばそろそろフルモデルチェンジの噂が聞こえてくる時期。今回の商品改良の狙いは何なのだろうか。

マツダCX-5
商品改良が行なわれ、12月上旬から発売が開始される新型CX-5。写真のグレードはXDスマートエディション。
マツダCX-5
新型CX-5は最新の技術を取り込むことで「Baseの進化」を果たした。
マツダCX-5
こちらは改良前のCX-5。新型と比べるとフロントマスクが異なるのがわかる。
マツダCX-5
改良前のCX-5のリヤビュー。

それを知るためには、マツダが10月7日に発表した、2022年以降に予定しているSUVの販売計画を復習しておく必要がある。これによると、マツダはFFベースのスモール商品群としてCX-50を、FRベースのラージ商品群としてCX-60、CX-70、CX-80、CX-90を地域別に順次投入していくこととなっている。

この販売計画の中に、CX-5の名前はない。名前が似ているのはスモール商品群のCX-50だが、マツダの発表によると「SUVらしい存在感やオフロード性能が求められる米国に、新たなラインアップの中核として導入するクロスオーバーSUV」とのことで、CX-5の後継車というわけではない。一方、ラージ商品群のCX-60〜90はCX-5よりも上級指向となる模様で、こちらも現状のCX-5とはポジションが異なるモデルとなるようだ。

マツダ CX-5 2022年モデル

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10月7日、マツダは新たなクロスオーバーSUV商品群の計画を発表した。スモール商品群にCX-50、FRプラットフォームを用いるラージ商品群にCX-60/70/80/90と計5モデルを2022年以降に順次導入予定だ。マツダの大攻勢がここから始まる!

では、CX-5はどうなるのかというと、「継続的な商品改良やデザイン進化、モデルラインアップの拡充を図りつつ、最新の安全技術やコネクティビティ機能を導入して商品力を強化し続けていく」という。今回の商品改良は新規に投入が予定されているSUVの投入に備えて、「CX-5も新しく生まれ変わった」と感じてもらえるよう、最新レベルへアップデートを図るのが目的なのである。

より力強さを感じさせるフロントフェイスに変身

前置きが長くなったが、今回の商品改良の内容をご紹介しよう。

まずはデザインのリフレッシュだ。目を引くのが、グリルを囲むクロームの加飾(マツダではシグネチャーウイングと呼ぶ)の意匠が変更されたこと。従来型は先端で二股に分かれてヘッドライトの下に食い込んでいたが、新型はよりシンプルかつ力強いものとなった。また、ヘッドライトの灯体も丸型からも横長の楕円形となり、目元の印象が大きく変わった。

マツダCX-5
ヘッドライトへの食い込みが少なくなり、太細のメリハリも強くなったシグネチャーウイング。

ヘッドライト自体の機能も進化している。ハイビーム用のLEDが20分割(従来型は12分割)となり、照射エリアをよりきめ細かく制御できるようになったのだ。

マツダCX-5
ライトは外形とランプユニットのデザインが変更された。

もし新型CX-5の実車を見る機会があれば、新しくなったグリルのパターンにも注目していただきたい。立体的なピースをいくつも組み合わせた凝ったメッシュ形状となっており、間近で見ればその精緻な造形に驚かされるに違いない。

マツダCX-5
立体的なピースがをフローティング配置することで先進性と力強さを表現するフロントグリル。

また、グリル自体の形状は従来よりスクエアに近くなり、その下に設けられたロワーグリルもより横長のものに改められた。これらはワイド感と安定感の向上に貢献している。

マツダCX-5
上下ともにグリルの形状が変更され、ロー&ワイド感が強まった。

リヤに回ってみると、テールライトの形状が変更されたのに気づく。新型では下側の中央部分に段差が設けられ、ヘッドライトと同様、灯体も楕円形状に改められた。また、バンパーの下端もよりワイド&ローを感じさせる台形の意匠となっている。

マツダCX-5
テールライトもランプ外形とランプユニットのデザインを変更。横長のLEDが新鮮だ。
マツダCX-5
バンパー下部のデザインも小変更されている。

これらのデザイン変更により、CX-5は最新の魂動デザインにアップデートされた。そもそもマツダの「魂動デザイン」は、2012年登場の先代CX-5からはじまったもの。2代目、つまり現行のCX-5によってそのフェイズ1が完成し、2019年登場のマツダ3から「引き算の美学」をテーマとした魂動デザイン・フェイズ2がスタートした。じつは現行型CX-5も、大きな動きで表現されるボディ造形などに「引き算の美学」の考え方を取り入れていたのだが、今回の商品改良によって、ボディ造形以外の部分もフェイズ2仕様となったわけだ。

マツダCX-5
今回の改良により、マツダ3から始まった最新の魂動デザインへと足並みがそろえられた新型CX-5。

新型CX-5ではダイナミクス性能も進化を果たしている。スカイアクティブビークルアーキテクチャーの考え方を適用し、主にボディやサスペンション、シートが改良された。また、「MAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT(通称Mi-DRIVE」の採用も新型のトピックだ。これらの具体的な内容は別記事でご紹介する。

マツダCX-5
新型CX-5のインパネ。大きな変更はないが、シートは見直しが行われている。
マツダCX-5

新採用の「Mi-Drive」って何だ!? さらに進化した走りと使い勝手に注目【新型マツダCX-5】

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スポーティか、アウトドアか。好対照な2台の特別仕様車が新登場

続いて、新型CX-5で注目したいのがバリエーションの拡大だ。今回、新たに2種類の特別仕様車が設定されることとなった。それがスポーティさを強調した「Sports Appearance(スポーツアピアランス)」と、アウトドアテイストを取り入れた「Field Journey(フィールドジャーニー)」である。また、上質さをアピールする「Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)」も進化を果たしながら従来型から継承される。これらの特別仕様車も別記事で詳細にご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

マツダCX-5
特別仕様車「Sports Appearance(スポーツアピアランス)」
マツダCX-5
特別仕様車「Field Journey(フィールドジャーニー)」
マツダCX-5
特別仕様車「Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)」
マツダCX-5スポーツアピアランス

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マツダCX-5フィールドジャーニー

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微に入り細を穿つ改良が施された新型CX-5。価格は267万8500円〜407万5500円で、発売は12月中旬が予定されている。

マツダ CX-5 XD Smart Edition(2WD/6MT)・主要諸元

■ボディサイズ
全長×全幅×全高:4575×1845×1690mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1620kg
乗車定員:5名
最小回転半径:5.5m
燃料タンク容量:56L(軽油)
■エンジン
型式:SH-VPTS
形式:水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ
排気量:2188cc
ボア×ストローク:86.0×94.2mm
圧縮比:14.4
最高出力:147kW(200ps)/4000rpm
最大トルク:450Nm/2000rpm
燃料供給方式:電子式(コモンレール)
■シャシー系
サスペンション形式:Fマクファーソンストラット・Rマルチリンク
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク・Rディスク
タイヤサイズ:225/65R17
■燃費
WLTCモード:19.5km/L
 市街地モード:16.7km/L
 郊外モード:19.0km/L
 高速道路モード:21.4km/L

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