2024年もジャパンモビリティショー開催決定!10月中旬“ビジネスライク”に実施すると自工会が発表 あわせて公正取引に関する方針と取り組みを明らかに

自工会は5月23日に記者会見を実施し、2024年もジャパンモビリティショーを開催すると明らかにした。また、自工会として適正取引に関する方針と取り組みも公表。加えて、同会の副会長を務める日産の内田社長は、公正取引委員会からの勧告後も同社が違反行為を続けていた件について現在調査を進めており、一週間を目処にあらためて説明する場を設けるつもりであることを明らかにした。

日本自動車工業会(自工会)は5月23日、東京都内でプレスカンファレンスを実施。2024年もジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー/JMS)を開催することのほか、自工会としての適正取引についての方針を明らかにした。

23日の会見には片山正則会長や、本日付で新たに副会長に就任した松永明氏のほか、内田誠 副会長、佐藤恒治 副会長らが出席した。

“JMS 2024”開催決定も正式名称は検討中

東京モーターショーから名称が改められ、2023年に“初開催”されたJMS。2024年度の同イベントは千葉県の幕張メッセで10月15日(火)から18日(金)までの4日間にわたり開かれ、デジタルイノベーションの総合展である『CEATEC 2024』と併催イベントとして連携する。

従来の東京モーターショーはクルマや技術の見本市および展示会だったが、自工会は昨年コンセプトとイベント名を変更。自動車業界の内外から広く出展を募り、あらゆる未来のかたちを提示する「共創プラットフォーム」へと変貌させた。そしてこのたび、これまで隔年開催としてきたショーを毎年開催とするとともに、2年のイベントをひとつのパッケージとすることとした。

5月23日の自工会による会見より

具体的には、1年は「プロセスイヤー」として企業連携を推進し、“未来を創る、仲間づくりの場”となるビジネス向けイベント、そしてもう1年は「ショーイヤー」として昨年のJMSのような未来のモビリティを見たり体感したりするショーケースイベントとなる。

5月23日の自工会による会見より

「プロセスイヤー」での開催となる2024年のJMSの主な企画は3つ。スタートアップを含めた企業同士のつながりをつくる「ブース出展」、スタートアップ・事業会社間でコミュニケーションを取る機会となる「ビジネスマッチング」、夢のある未来だけでなく、モビリティ社会の課題についても語り合う「Future Mobility Forum(未来モビリティ会議)」となる。

5月23日の自工会による会見より

片山会長いわく、2024年のJMSは「休催年度版」であり「翌年のJMSへの仕込み」となるとともに、昨年とは異なりビジネスライクな催しとなるという。正式な名称も含めてまだ議論段階にあるとのことで、詳細は今後明らかになっていく見通しだ。

■JAPAN MOBILITY SHOW 2024 開催概要

会期:2024年10月15日(火)~10月18日(金)
開場時間:10:00~17:00
会場:幕張メッセ(国際展示場)
入場料:無料(全来場者登録入場制)※入場にはオンラインでの登録が必要
公式サイト:https://www.japan-mobility-show.com/

適正取引「徹底プラン」を改訂・公表へ

また、片山会長はこの日、3月の公正取引員会から勧告を踏まえ、自工会は下請取引についての緊急点検を実施し、現在も徹底的な調査を続けていくこと明らかにした。

今回の一件を重く受け止めた自工会は、法令遵守を前提とした取引をサプライチェーン全体で推進していくことで“550万人の仲間”と日本の競争力強化に貢献すべく、理事会で再発防止策や今後の仕入先とのコミュニケーションの仕方などを議論し、あらためて今後の方針を決定。

具体的には、下請法の遵守を徹底し違反行為の事前防止に努めるほか、日本自動車部品工業会とも連携し原材料費などの上昇分については、適切なコスト増加分の全額転嫁を目指していく。

自工会から発表された公正取引に関する方針と取り組みは以下の通り。

●自工会方針
・原材料費/エネルギー費の上昇分について、適切なコスト増加分の全額転嫁を目指す
・労務費について、仕入先と十分に協議のうえ適正に価格転嫁
●取り組み
・上記の方針を織り込んで、「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」および実効性を高める「徹底プラン」を今月改訂・公表

この方針と取り組みについての発表に際して、日産自動車の社長を務める内田誠 副会長は、同社が公正取引委員会からの勧告を受けた後、下請け業者に対して下請け代金の減額に該当すると判断された金額を返金するとともに、割戻金の運用を廃止するなど、再発防止に向けた対策を行っていることをあらためて報告。

加えて、5月10日に日産が公正取引委員会から勧告を受けた後も、違反行為をおこなっていた疑いがあると報じられた件について、報道後すぐに内田副会長自らが責任者となり、外部弁護士を含めた調査チームを立ち上げ、事実確認を進めていることを明らかにした。

「本調査は公正取引委員会、またならびに経済産業省にも適宜報告をさせていただきながら進めており、事実確認は進めておりますが、現時点では最終確認に至っておりません。引き続き調査は継続してまいりますが、取引先の皆さまとの信頼関係の構築に取り組むなか、今回このような声が上がっていることを大変重く受け止めております」

「調査結果について一週間を目処に、皆さまにご説明する機会を持たせていただきたいと考えております。今、業界を挙げて適正取引の徹底に向けた取り組みを進めているなかで、このような報道がなされたことに対し、関係各位をはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまに大変申し訳なく思っております」

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