中古ガイシャを乗り続けるかどうかの分岐点! ジャガーXK8を車検に通すといくらかかるのか? 【XK8購入記Vol.10】

何かとお金のかかるイメージが強い中古ジャガー。買った後も乗り続けるかどうかが問われるのが車検のタイミング。では実際、中古ジャガーを買って車検を通すといくらかかるのか、ご紹介しよう。
PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
全長4770mmある伸びやかなスタイリング。

ジャガーを所有するのは手のかかる女性を嫁にもらうようなことと喩えられることもある。確かに以前「購入後1万キロ走った総決算!」とした記事で1万キロ走るまでにかかった費用が67万円以上になったことを紹介した。この総費用は購入から10カ月経った時点のものであり、その後も順調(?)に修理を続けてきた。エアコンの圧力センサーを交換したことは続けて記事にしたが、それ以外にも細々とトラブルは続いている。大きなトラブルではないのでそれほど気にしていないが、問題は車検だ。憧れのガイシャが中古なら格安で買えるので手にする人も多いと思われるが、その後乗り続けるかどうかのターニングポイントが車検だろう。

車検時に問題となるトラブル

購入直後から点灯し始めたスタビリティコントロールとトラクションコントロールの異常警告灯。

車検を通す予算があるなら、また違うクルマへ乗り換えるのが得な場合もある。実際、筆者のような自営業者の場合だと中古車の減価償却が1年だから、1年ごとに中古車を乗り換えて経費として計上するのが得策だったりする。もっと儲かっている社長なら新車を3年ごとに買い替えているなんてケースもこれと同じ。ただ、そこには愛がない。好きで手にしたクルマなのに、経費のことばかり優先して買い替えるなんて、筆者からすると冒涜的行為である。だからXK8の車検が切れる日が近くなったタイミングで、迷いもせずにJ-GearLabの長澤さんへ連絡を入れた。

中央列のフォグランプスイッチは点灯しなかった。

実は我がXK8は購入して間もなく、スピードメーター内にある警告灯に「スタビリティコントロール イジョウ」「トラクションコントロール イジョウ」の文字が表示されABSのランプも点灯するようになった。実際にABSが誤作動したこともあるが、通常は問題なく走行できるのでそのままにしていた。ただし、これら警告灯が点灯していると車検に合格できない。以前に長澤さんへ相談すると「ABSモジュール基盤を修理しないといけません」と言われていたこともあり、車検のタイミングで解消してもらうことにした。

フォグランプが点灯するように修理した。

さらにセンターコンソールには前後のフォグランプスイッチがあるものの、押しても引いても点灯しない。実際、ランプも点灯している様子はなく、とはいえ不便はないので放置していた。その横にあるシートヒーターはしっかり点灯して冬場は大いに助かるのだが、フォグランプを使う機会はそうそうない。ただし灯火類は装備されているすべてが点灯しないと、これまた車検に合格しない。修理する必要があるのでコンソールパネルを外して内側のバルブを交換して対応することとなった。

ハイマウントストップランプも点灯しなかったので修理。

さらに困ったことにハイマウントストップランプも点灯していなかった。通常なら新品の補修部品や中古部品を使って交換するわけだが、さすがは長澤さんで安価なLEDテープを用いて対応してくれた。大手ネット通販サイトなどで検索すると、今や数百円からLEDテープが買える。実際、今回の修理でも部品代は1000円しかかかっていない。このほか細かなバルブ交換が行われ、車検時にミッションオイルを交換するよう心がけているのでATFも全量交換してもらった。ATFを交換する場合、ミッションケースの下部を外すことになり、外すとミッションオイルフィルターが露出する。このような機会なのでフィルターも新品へ交換してもらった。

諸経費を別にした整備費用は20万円以上!

税金や強制保険などを別にした車検での整備費用のみで20万円オーバー。

これらの作業をお願いして検査場へ持ち込み継続車検を受けていただいた。その結果、整備作業の総額は上写真のように20万円を超えることとなった。さらに税金や自賠責保険代、検査代も別途必要になるわけで、車検時にかかったのは30万円弱ということになる。同じことをディーラーや一般の整備工場にお願いすると、おそらく50万円前後の費用がかかることだろう。国産車ならディーラーで車検を受けても諸経費含めて20万円かかることはそうそうない。そう考えたら確かに割高なことは間違いない。

結論 車検を通しても乗り続ける!

そんなこんなで乗り出してから1年半が経ち、XK8にかかった費用は100万円をラクに超えた。その後もマイナートラブルが起こっているけれど、乗るたびに惚れ惚れしているのだからオーナーとしては大満足なのだ。先月もタイトル写真を撮影した新潟県まで取材のため足を伸ばしたが、道中は実に快適に過ごせた。これからもまだまだ乗り続けるつもりなので、続報をお届けする予定だ。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…