DSのフラッグシップ電動クーペクロスオーバー「DS 8」の詳細が徐々に明らかになってきている。
DSブランドは当初、シトロエンの車両をベースにしていたが、DSとして単独開発した最初のモデル「DS 7クロスバック」が成功して以来、新型車の開発が加速。2018年には第2の単独開発モデル「DS 3クロスバック」が登場し、その後2020年には第3弾となるフラッグシップセダン「DS 9」が投入され、最新モデルはコンパクト「DS 4」となっている。
現在はDS 7とDS 3から「クロスバック」の名称が外され、全モデルが日本市場で正規販売されている。
そして2024年、DSはファストバッククロスオーバー市場に参入を目指している。そこに投入される新型車は新たなフラッグシップとなると見られており、「DS 8」を名乗ることになるだろう。現在のフラッグシップは4ドアのエグゼクティブセダン「DS 9」だが、セダン市場は冷え込んでおり、後継モデルとなるこのクロスオーバーにブランドの命運がかかっていると言っても過言ではない。
おそらく、ステランティスグループ内のプジョー408やシトロエンC5 Xなどのライバルと比較して、より豪華な選択肢として位置付けられるはずだ。
DS 8は、2020年に公開された「DSエアロスポーツラウンジコンセプト」の実質的な量産型となる。
カモフラージュで厳重に隠されたプロトタイプだが、最新情報によると、現代的なスタイリングの要素をファストバックシルエットのスポーティなクロスオーバーに融合させたイメージになるという。また、フロントエンドにはラインナップの他のモデルと同様、フロントバンパーにLEDエクステンションを備えたアグレッシブなヘッドライトを備えるようだ。
ただし、ディスプレイを兼ねるカバー付きグリルやボンネットと、ピラーの空力機能などコンセプトで見られた未来的要素は、量産型で大幅にトーンダウンされるようだ。
インテリアには、ステランティスのパーツカタログにあるような、最先端のテクノロジーが採用され、高級素材とともに接続性、快適性、安全性を強調。ただし、昨年の「DS M.i. 21 マニフェスト コンセプト」で見られた未来的なダッシュボード全体の湾曲ディスプレイは見送られ、2020年代終わりまで待つことになりそうだ。
市販型では、全長4300~4900mm (169.3~192.9インチ)のコンパクト、およびミッドサイズモデル向けに設計された「STLA M/Medium」アーキテクチャを採用した最大7人乗りのクーペクロスオーバーとなる。また98kWhのバッテリーパックを積み、1回の充電で435マイル(700km)以上の走行距離が実現することもわかっている。
このアーキテクチャは、シングルおよびデュアル電気モーターセットアップと互換性があり、215hp (160kW/218PS)から382hp (285kW/387PS)までの出力を実現するものだ。 DSは2024年以降に導入されるすべてのモデルが「完全に100%電気自動車」になると発表しているが、BEVの減速の中でPHEVの代替品が登場する可能性も否定できない。
DS 8のワールドプレミアは、2024年秋と予想され、発売されれば、世界市場で、セダンのDS 9に比べて、より大きな販売可能性を提供するだろう。またDS 9後継モデルとして日本市場導入も当然視野に入っているはずだ。