”見えない”無限チューンで変身した新型ヴェゼルに驚くしかない!【試乗インプレッション】

ボディの捻じれを制御するパフォーマンスダンパーが走りを上級シフトさせる。
マイナーチェンジによってエンジンのキャラクターを押し出したスポーティな走りに進化した新型ヴェゼル。ワークスチューニング・ブランドである無限は、その新型ヴェゼルに対して軽量アルミホイールやスポーツサイレンサー、そしてパフォーマンスダンパーといったパーツを設定することで走りを磨くという。
REPORT:山本晋也(YAMAMOTO Shinya) PHOTO:井上 誠(INOUE Makoto)/M-TEC

軽量アルミホイールとパフォーマンスダンパーで走りが変わる

様々なシチュエーションでナイスなサウンドを響かせるスポーツサイレンサーも魅力たっぷりだ。

ホンダ・ヴェゼルが2024年のマイナーチェンジにより走りの面でも生まれ変わったことはご存知だろうか。吸音材や遮音材の配置やボリュームを変えることで静粛性を向上させた一方で、ハイブリッドの制御はエンジンの存在感を増すように変更されている。

そんな風に改良された後期型ヴェゼルに対して、ディーラーで購入できるワークスチューニング・ブランド「無限」は、軽量アルミホイールやスポーツサイレンサー、そしてパフォーマンスダンパーといったチューニングアイテムを用意した。

無限の18インチアルミホイール「MDW」は、同じ18インチの標準装着アルミホイールと比べて1本あたり3.2kgも軽量化を実現しているというもので、加減速やコーナリングといった運動性能全般に効いてくることが期待できるもの。スポーツサイレンサーについても、マイナーチェンジによりアクセル操作とエンジン回転のリニア度が増した新型ヴェゼルにおいてはマッチングがよさそうだ。

「パフォーマンスダンパー」というのは、ヤマハ発動機が開発した技術に基づいたパーツで、モノコックボディ全体をバネとしと捉え、ボディのしなり(変形)を減衰することで、ハンドリングや乗り心地の向上に貢献しようというもの。もちろんパフォーマンスダンパーの味付けは無限が作り込んだものとなっている。

はたして、これら3つのチューニングパーツは、新型ヴェゼルの走りをどう変えてくれるのだろうか。

標準装着のアルミホイールに対して1本あたり3.2kgも軽量化した無限「MDW」アルミホイール。

シャープな走りになったが乗り心地やノイズのネガは感じない

デモカーのベースグレードはe:HEV Z PLaYパッケージ(パノラマルーフ)

乗り出して最初に感じたのは、スポーツサイレンサーの効果だ。

ステンレス製パイプとチタン製テールエンドの組み合わせは見た目からして高級感のあるものだが、エキゾーストサウンドも1.5Lハイブリッドパワートレインとは思えないほど、深みのある音を奏でてくれる。窓を閉め切った状態でキャビンに入ってくるサウンドにも、こもり感はなく、非常にスポーティ。だからといって窓を開けたり、外で聞いたときのサウンドが大きすぎるわけでもなく、非常にバランスのよい音量にコントロールされていることが印象的だった。

ハンドリングについては軽量アルミホイールとパフォーマンスダンパーの相乗効果となるが、ひと言でいえば「サスペンションブッシュを固めたようなしっかり感がある」。コーナリングのアプローチでの初期応答性が向上しているだけでなく、もっともロールが大きくなるような横Gが入っているシチュエーションでのシッカリ感が改善していることも感じられた。

一般にボディ剛性を高めていく方向では振動やノイズといった部分が犠牲になりがちだが、パフォーマンスダンパーはそうしたNV性能についても改善効果が高く、剛性感と快適性が高次元でバランスされた乗り味となっていたのには正直驚かされた。パフォーマンスダンパーの価格は14万3000円と絶対的に安価とは言いがたいが、その効果とコストの関係でいえば「コスパが抜群のチューニング」といえるだろう。

MUGEN VEZEL 主要装着アイテム

装着アイテムの合計金額は133万7820円
MUGEN VEZEL 主要装着アイテム
フロントグリルデカール(2024年8月下旬発売予定):1万9800円
フロントアンダースポイラー(2024年8月下旬発売予定):8万8000円
サイドガーニッシュ:11万円
リアアンダースポイラー:7万7000円
ウイングスポイラー:11万円
テールゲートスポイラー:11万円
ドアミラーカバー:3万9800円
ベンチレーテッドバイザー:2万9700円
スポーツサイレンサー:16万5000円
アルミホイール「MDW」(2024年8月下旬発売予定):4万9500円/本
パフォーマンスダンパー(2024年8月下旬発売予定):14万3000円
スポーツマット:3万8500円
スカッフプレート:2万2000円
ハイドロフィリックLEDミラー:5万1700円
ドアハンドルプロテクター:3080円
換気性能にも優れたベンチレーテッドバイザー。
ロゴ入りのスポーツマットは定番アイテムのひとつ。

WR-Vの無限パーツも開発中

ホンダのSUVラインナップにおける末弟的モデルとして誕生したばかりの「WR-V」に対しても無限はパーツ開発を進めている。現時点ではデザインスケッチが公開されているのみだが、ロゴ入りグリルガーニッシュやスポーツサイレンサーなどが確認できる。こちらも、おおいに期待したい。

無限WR-Vデザインスケッチ(開発中)
無限WR-Vデザインスケッチ(開発中)

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著者プロフィール

山本 晋也 近影

山本 晋也

1969年生まれ。編集者を経て、過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰することをモットーに自動車コ…