BMWが開発中と見られる、2ドアスポーツカーのプロトタイプをカメラが初めて捉えた。
ドイツの秘密飛行場で捉えたプロトタイプは、厳重にカモフラージュされているが、フロントエンドが「ノイエ・クラッセ」デザインであることがわかる。
BMW取締役会会長オリバー・ツィプセ氏は「ノイエ・クラッセは単なる車両や特定のコンセプトではなく、BMWブランドの再定義であり、同時にこれまで以上にBMWらしいものです」と語っている。これまでに「ビジョン・ノイエ・クラッセ セダン」と、X3サイズの「SUV」である「ビジョン・ノイエ・クラッセX」コンセプトカーが発表されており、後者のプロトタイプは既にスクープ成功している。BMWはファミリーサルーンとSUV以外にも計画を進めており、2027年までに6つのモデルを生み出す予定だ。
ノイエ・クラッセクーペと思われるプロトタイプは、ここ数十年のどのBMWとも似ていないが、「i8」のような比較的コンパクトな電動スポーツになる可能性があるという。
ディテールを見ていくと、低く非常に幅が広いことがわかり、フロントエンドには照明付きのツインキドニーグリルがはっきりと認識できる。側面では、ノイエ・クラッセデザインに似た掘りの深いドアが見てとれる。注目すべき点は従来のドアハンドルがないことで、代わりにBピラーに小さなタッチセンサーパネルを装備しているなど、そのフォルムと相まってまるで近未来から来たモデルのようだ。
後部では、スプリットタイプのLEDライトストリップを装備、バンパーにはアグレッシブなディフューザーも見られる。
そして最大のポイントは、このプロトタイプには4つの電動ハブモーターが搭載されており、従来のブレーキキャリパーがないことだ。昨年初めのメディア報道によると、BMWはハブモーター技術を進歩させるために、ミュンヘンに拠点を置くディープドライブ社に約1500万ユーロを投資したという。モーターをシャーシではなく、ホイールリムに取り付けた“ホイールハブドライブ”を開発した同社のデュアルローターモーターは、従来のモーターよりも大幅に高いトルクと電力密度を備えているという。
また、この新興企業はその技術により、同じサイズのバッテリーで電気自動車の航続距離が従来よりも20%長くなる可能性を示している。ただし、このモーターがどれだけのパワーを持っているか、そしてBMWがすでにテストしている1341psを発揮するというクアッドモーターパワートレインに匹敵できるかどうかは不明だ。
今後数カ月以内には、このモデルに関する詳細も明らかになるだろう。