目次
LEXUS LM × TOYOTA ALPHARD
車重200kg増加ぶんの上質感でLMがアルファードを凌ぐ
レクサス LMとトヨタアルファードは、同じGA-Kプラットフォームを採用する兄弟車となる。外観をはじめとして、防音や防振など見えない部分にも多くの手が加えられているがボディサイズやホイールベースなどはほぼ共通であるため、室内寸法などに大きな違いはない。
アルファードとLMのもっとも大きな違いは、乗車定員と各部の装飾および機能と言えるだろう。アルファードの7人乗りとLMの6人乗り仕様では、3列目シートの中央に着座できるかどうかが異なる。
2列目シートはどちらも左右が独立したキャプテンシートが備わり、オットマンやシートヒーター/ベンチレーター機能を搭載した本革シートが装備されるが、 LMのほうはアームレストとオットマンにもヒーター機能が備わる。そのほか、LMは前席ドアに「e-ラッチシステム(電動ラッチ)」が搭載されるなど、レクサスならではの機能装備が追加されている。
内装の機能や上質感についても、より豪華な装飾と機能装備を目立たせない工夫が凝らされたLMのほうが、質感高い仕上がりであるのは間違いない。
レクサス LM 500h version L(6人乗り)
ボディサイズ:全長5125mm×全幅1890mm×全高1955mm
ホイールベース:3000mm
車両重量:2440kg
タイヤサイズ:225/55R19(前後)
トヨタ アルファード Executive Lounge E-Four
ボディサイズ:全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm
ホイールベース:3000mm
車両重量:2230kg
タイヤサイズ:225/65R17(前後)
前輪駆動主体のアルファードと、リアモーターを積極的に使うLM
両者はパワートレインも異なる。2.5Lエンジン+ハイブリッドシステムのアルファードに対し、LMは2.4Lターボエンジン+ハイブリッドシステムだ。エンジン単体の出力はLMのほうが高く、 より低回転から大トルクを発揮できるエンジン特性となっているほか、モーターの使い方にも大きな差がある。
182psを発揮するフロントモーターを用いて前輪駆動を主体とするアルファードに対し、全車4WDとなるLMはリヤモーターが重要な役割を担う。モーター出力は103psとアルファードよりも小さいが、リヤモーターの駆動力を緻密に制御することで操縦安定性や乗り心地のさらなる向上を果たしている。
ただし、燃費性能はアルファードの17.5km/Lに対して、LMは13.8km/Lと大きく下回る。パワートレインの違いのほか、豪華装備や遮音材の追加、各部のボディ補強や電子制御サスペンションの装備などにより、アルファードよりも約200kg重い車重が燃費性能にも大きな影響を与えているようだ。
レクサス LM 500h version L(6人乗り)
エンジン形式:直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量:2393cc
最高出力:275ps/6000rpm
最大トルク:460Nm/2000-3000rpm
トランスミッション:6速AT
駆動方式:4WD
トヨタ アルファード Executive Lounge E-Four
エンジン形式:直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量:2487cc
最高出力:190ps/6000rpm
最大トルク:236Nm/4300-4500rpm
トランスミッション:電気式CVT
駆動方式:4WD
その価格差600万円以上! レクサス版アルファードの価値は?
LMの6人乗り仕様と、アルファードのエグゼクティブラウンジとの価格差は600万円以上にものぼる。通常グレードのアルファードとの比較なら2台買えるほどの価格差だ。
アルファードのエグゼクティブラウンジも豪華さでは他の追従を許さないうえ、通常グレードのアルファードであってもミニバンとして十分な快適性が備わる。問題となるのは、6人乗りのLMに1500万円に見合うだけの価値があるかどうかだ。
広い室内空間に加え、LMに与えられた上質な内装や、乗り心地や静粛性を含めた快適性は間違いなく既存のショーファードリブンのなかでも随一と言えるだろう。LMには高い価格に相応しいだけの手が加えられており、レクサスのブランドバリューも相まって乗員の満足感を満たしてくれるのは間違いない。
より良い移動環境を手に入れたいVIPならLMを購入する価値はあるだろう。しかし、いかんせん価格が高すぎる。日常的に使うミニバンとして所有するなら、コストパフォーマンスに優れるアルファードのほうが扱いやすく、総合的な満足度は高いはずだ。