PHEVには、将来のEVに動力を供給する予定のものと、同じ高効率電気モーターが搭載され、全般的にパフォーマンスと効率が向上する
同社は、かつて約束したほど早く全電動ラインナップに移行していないかもしれないが、それでもBEV化を徐々に加速していく構えだ。
それらの最初のモデルとなるのが、すでに米国で製造されている完全電気クロスオーバーSUVの「EX90」である。その後に、現行のXC60の後継車として、またテスラ・モデルYのライバルとなる、小型電気SUV「EX60」が続く。2026年に発売予定のこの新モデルは、ボルボの最新SPA3プラットフォーム上に製造される。また、新しい高効率モーターも開発中で、ボルボは第1世代モーターの85%から、現在の91%を上回る93%の効率を目指している。
さらに下位のモデルでは、以前XC40 Rechargeと呼ばれていた、小型のバッテリー電気SUV「EX40」も間もなく登場、待望のEX30がそれに続くことが決定している。EX30の納車は今年夏に開始される予定だったが、2025年に延期された。
ステーションワゴン好きにとっての朗報は、「EV60クロスカントリー」と呼ばれる電動モデルの生産準備が進められていることだ。また、フラッグシップセダンとして「ES90」の発売も決定している。
これらの新モデルの多くはバッテリー電気自動車(BEV)となるが、ボルボはハイブリッドカー・ファンを無視しているわけではない。同社は、新戦略の一環として、電気走行距離が大幅に延長された、プラグインハイブリッドのラインアップも準備している。これらの次世代PHEVは、XC60やXC90と同じ「SPA1」プラットフォームを採用するが、航続距離が大幅に向上する。ボルボの最高製品戦略責任者であるエリック・セヴェリンソン氏によると、これらのモデルは、最大33マイル(約53km)に過ぎない現行のXC90の電気航続距離をはるかに上回るという。
改良されたPHEVには、将来のEVに動力を供給する予定の、同じ高効率電気モーターが搭載され、全般的にパフォーマンスと効率が向上するのだ。
世界の自動車メーカーにおいて、BEVモデル売上が鈍化し、開発に遅れがでているが、ボルボはハイブリッドと並んで、順調にBEV計画を進めてるブランドの1つと言えそうだ。