カローラシリーズ初の都市型クロスオーバーモデル「トヨタ・カローラクロス」【最新国産SUV 車種別解説 TOYOTA COROLLA CROSS】

21年に誕生したカローラ一族のニューフェイス「トヨタ・カローラクロス」。ガソリンモデルとハイブリッドモデルの2種がリリースされたが、23年秋の一部改良では両モデルとも大幅変更が施され、さらにパワフルに、セーフティに進化を遂げている。上級クラスと変わらない上質な走りと乗り心地の良さはSUVの利便性と乗用車の快適性を両立させている。
REPORT:青山尚暉(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:花乃衣美優

走りや乗り味が高水準のHV 加速力が向上したガソリン車

カローラクロスはカローラの歴史の中で初のSUV。2023年10月の一部改良ではパワートレイン、先進運転支援機能のトヨタセーフティセンス、安全装備、コネクティッド機能を進化&充実させ、HVはすべての電動モジュールを刷新。

エクステリア

「Z」系グレードはテールランプの意匠が専用となり、標準装備の18 インチアルミホイールで差別化される。エントリーの「G 」系グレード以外は前後バンパーに金属塗装調のアクセントが備わる。最小回転半径は5.2m

ガソリン車は従来の1.8ℓから2.0ℓダイナミックフォースエンジンに変更。室内では「Z」の場合、従来の7インチから12.3インチに拡大したディスプレイの採用が目玉だ。

インストルメントパネル

「Z」系グレードは12.3インチのフル液晶メーターを標準装備。インパネ中央の10.5インチディスプレイオーディオは通信型ナビを基本としながら、電波が途切れたときに内蔵する地図データを利用できる機能も搭載する。

SUVといっても都市型クロスオーバーモデルのキャラクターであり、最低地上高は160㎜。HVはFFとE-Four=電気式4WDが選べ、ガソリン車はFFのみとなる。なお、全車、最小回転半径が5.2mと小まわりが効き、扱いやすさはなるほどカローラ一族ならではだ。

居住性

主力となるHVの走りはトヨタの上級サルーンを思わせる快適感があり、しなやかで上質な、段差を乗り越えても高いボディ剛性と足まわりが見事にいなす乗り心地の良さが最大の魅力。動力性能的には必要十分という範囲にとどまるものの巡行時の静粛性はハイレベル。ただし、エンジンが回りだすと車内にこもり音のようなノイズが発生するところが惜しまれる。2.0ℓとなったガソリン車は1.8ℓ時代と比較すればワンランク上のスムーズかつHVに負けない加速性能、巡行時の車内の静かさを発揮。

うれしい装備

後席用のドリンクホルダーはドアトリムに置かれる。高さも適切で使いやすいのはうれしい。シート中央にアームレストも備わる快適空間だ。
撮影車はオプションのラゲージアクティブボックスを装備する。耐荷重130㎏のデッキボードの下は深さ100㎜ほどのトランクとして利用できる。
月間販売台数      5545台 (23年9月~24年2月平均値)
現行型発表       21年9月( 一部改良 23年10月)
WLTCモード燃費     26.4 ㎞/ℓ ※ハイブリッドのFF車

ラゲッジルーム

こちらもエンジンのこもり音が気になる人は気になるかも。とはいえ改良で加わったプロアクティブドライビングアシストによる走りやすさは特筆モノだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.158「2024-2025 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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