日本は世界でも類を見ない地震大国。世界中で起きている大地震の約15%は日本近辺で発生しており、日本に住んでいる限り、いつどこで大地震が起きてもおかしくない状況なのである。近年でもマグニチュード7以上の地震は阪神・淡路大震災(1995年)以降、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)、能登半島地震(2024年)など7回も起きており、経験している人も多いのでは? また最近では南海トラフ地震への警戒情報も出されており、大地震に備えた準備を進めておく必要がある。そこでぜひ確認しておきたいのが、自宅ガレージに置かれているカーメンテナンス用のツール。実は大地震や水害などの災害時に役立つツールが結構あり、覚えておいて損はないはずだ。
給電ツールは複数のタイプを用意して状況に合わせて使い分け
大災害時に備えて常備しておきたいモノと言えばまずは水と食料だが、現代人にとってもうひとつ確保しておきたいものがある。そう、電気だ。情報収集のためのラジオやテレビ、外部との連絡手段である携帯電話やパソコン、スマホ、夜間に明かりをともすためのライト、そして冬なら暖房機器、夏なら冷房・冷風機器など、災害時に必要と思われるアイテムのほとんどが電気を必要としているのである。電気を確保する方法としてもっとも手軽なのは乾電池だが、供給できる電力は心許ない。また、風力発電機やソーラーバッテリーは天候に左右されるため、安定供給は期待できない。そこで活用したいのが、期間は限られるものの大電力を安定供給できる“給電ツール”である。
その代表例がポータブル電源。2011年の東日本大震災以降に注目を集め、今では高性能化が進み価格もリーズナブルに。電子レンジを稼働できるほどの大電力も手軽に得られるようになっているのだ。
また、昔から一般的な給電ツールと言えば“発電機”。クルマと同様、ガソリンや軽油を燃料として使用するタイプが今も一般的だが、最近ではより手軽で安全に使えるカセットガスタイプが登場。メンテナンスも比較的楽なので、個人用としてはオススメだろう。
そして読者にピッタリなのが、クルマのバッテリーに直結して使用する大型のDC/ACインバーターの活用である。1000Wを超える大電力も比較的リーズナブルに入手でき、クルマのガソリンさえ確保できれば長期間の運用も可能だ。
どのタイプがオススメかは、災害の種類や規模、状況によって変わってくるので一概には言えないが、ポータブル電源と発電機、DC/ACインバーターすべてを所有していれば、どのような状況でも対処できるはず。いずれも日常ではアウトドアキャンプなどで活用できるので、予算の許す範囲で“電気の備蓄”をオススメしたい。
ガレージジャッキにポンプ、電動ツールもいざというとき役に立つ!
また、ガレージ内に常備している工具類も震災時にとても役立つアイテムが目白押しだ。まずひとつがガレージジャッキ。1トン以上あるクルマを持ち上げる力を利用すれば、ゆがんでしまった柱や壁、ドアの補強や復旧に使用でき、がれきの撤去や移動でも力を発揮してくれる。
もうひとつがエアポンプ。日常的な作業では大型のエアコンプレッサーが便利だが、非常時にはAC100V電源が使えなくなることも多いので、クルマのバッテリーで動くDC12V駆動やバッテリー駆動、手動ポンプが有用だ。エア注入タイプのクッションやエアーマットなど、アウトドア用品で必要になる場合が多く、活用範囲も意外と幅広い。大小複数のエアポンプを用意しておけば間違いない。
そしてもうひとつが、バッテリー交換式の電動ツールである。最近ではバッテリーの高出力化に伴い、インパクトドライバなど一般的な電動工具だけでなく、園芸用品やDIY用品など商品が多様化。災害時に役立つ工具としてはチェーンソーやパワーカッター、ブロワーなどが有用と思われるが、LEDライトや温冷蔵庫、扇風機、ラジオ、電子レンジまで用意されている。また、同一メーカーならバッテリーを使い回すことができ、限られた電気を有効活用できるというわけだ。
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