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ヤマハ発動機は11月18日、電動アシスト自転車『PAS』シリーズの新型モデル3車種の発表会を実施した。
このたびお披露目されたのは、幼児2人同乗基準に適合した20型小径子ども乗せ電動アシスト自転車「PAS babby(パス バビー)」、「PAS kiss(パス キッス)」と、通学向けの電動アシスト自転車「PAS ULU(パス ウル)」の合計3モデル。PAS babbyおよびPAS kissは2025年1月30日、PAS ULUは2025年3月21日に発売される。
夫婦共用を前提の作り込みで乗り味改善
子乗せ電動アシスト自転車であるPAS babbyとPAS kissは、近年増加している夫婦で協力して子育てをしている世帯をターゲットにしたもの。従来モデルはコンパクトで低重心なレイアウトから、小柄な女性でも容易に扱える取り回しの良さに定評があった一方で、体格の大きな男性にはやや窮屈な設計となっていた。
そこで今回のフルモデルチェンジにより車両の各所をアップデート。とくに、夫婦で共用することが前提とされたため、車両後部に子どもを乗車させた場合でも、身体の大きな人でも違和感なく運転できるようにされたことが明かされた。
具体的には、現行モデルよりもリヤアクスルを数十ミリ後方へ下げるとともにリヤキャリアも同じく後ろへ移動。こうすることで後部の子どもと運転者のクリアランスが確保され、背の高い人がペダルを漕いでもカカトがチャイルドシートに接触しにくくなるなど、居住性が向上した。
このレイアウト変更により重心位置も後方へずれることになったが、それに合わせてフレームやフロントフォークの剛性、ジオメトリーなどを最適化。これらの調整により現行モデルよりも乗り味が確実に良くなっているという。
機能とカッコよさを両立させ学生へアプローチ
同時にお披露目されたPAS ULUは、高校生をメインターゲットに据えた通学向けの電動アシスト自転車。近年では路線バスや通学バスの本数が減少傾向にあるほか、幼少期から電動アシスト自転車が身近にある世代が成長したことで、高校入学を機に電動アシストモデルを購入し、通学に利用する人が増えているという。
ヤマハは実際に高校生による電動アシスト自転車の利用状況を調べたところ、急勾配の坂や荒れた路面を走行するほか、一般のユーザーよりも長い距離を走るなど、想定以上に過酷に使われていることが判明した。
調査を受け、ヤマハはPAS ULUに骨太のメインフレームを採用。形状はスポーツ自転車にも使われる断面が楕円になっているものとした。また、ヘッドとの接合部分には曲げを、根本部分には大きなガセットを入れることで剛性を確保。また、前カゴや荷台を車両中心に寄せた配置とすることで“マスの集中”を演出し、フレームデザインと合わせて機能と格好良さを醸すエクステリアを仕立て上げた。
加えて、電動アシストのチューニングも通学に適した設定とされるほか、ブレーキも強化するなど、活発な高校生によるハードな使用に応えるモデルとなっている。
発表会の最後には、ヤマハの電動アシスト自転車のイメージキャラクターに就任した稲垣来泉さんと小田惟真さんが登壇。
稲垣さんはヤマハの電動アシスト自転車について「実際に坂道を登ってみたんですけど、最初の漕ぎ始めから本当にすごく軽くて、こんなに軽く登ることができるんだって、すごく感動しました。デザインもすごく可愛くて、制服にも私服にも合う、色んなところにお出かけしたくなるようなデザインですね」とコメント。
小田さんも「想像以上に乗り心地が良くて楽しく乗らせていただいて、カメラが回ってないときにも坂道を走ったりしていました。僕はもともとテニス部だったのですが、自転車移動が多くて大変だったのですが、この“電チャリ”にもっと早く出会っていたら、僕の人生変わっていたなって思っています」と冗談を交えながらPASシリーズの快適性を語った。