“万が一”の証拠能力のための高画質ドラレコ選び!カロッツェリア「VREC-DZ810」を使ってみた!! ドライブの思い出も綺麗に残せる?

事故や煽り運転などの万が一に備えてドライブレコーダーを設置するのは今や常識……なのだが、意外に装着率が上がっていないのが現状だ。というのも、ドライブレコーダーは数多くの製品がリリースされており、ユーザー的には何を基準に、どれを選んだら良いのか? どこで買うのか? また、どうやって装着するのか? 悩みは尽きない。解決してくれるドラレコをレビューしてみました。
REPORT:会田 肇(AIDA Hajime)/MotorFan.jp PHOTO:MotorFan.jp/大音安弘(OHTO Yasuhiro)/PIONEER

事故や煽り運転に備えて……ドライブレコーダーを装着する意味

交通事故はいつ自分の身に降りかかってくるかわからない。これはドライバーなら誰もが感じていることだろう。ではどうして交通事故は起きるのかといえば、それはドライバー同士の意識にズレが発生しているからだ。

自動車の運転では、飛行機のように管制官がいるわけでもないから、あくまでドライバー同士のコミュニケーションの下でコントロールされる。そのため、ここに意識のズレが発生すると相手の動きが予測できなくなり、事故につながるのだ。

やっかいなのはこの意識のズレが、事故が発生した後も続いていた場合だ。目撃者でもいればその説明によって状況が裏付けられるかもしれないが、現実はその証言も曖昧であることは少なくない。そんな時に役立つのがドライブレコーダーなのだ。

2024年冬モデルとしてパイオニアがリリースしたドライブレコーダー3機種。証拠能力としての画質を重視したモデルを揃えた。

アクションカメラとは異なるドライブレコーダーの特徴

ドライブレコーダーは基本的にカメラ部と記録部で構成される。カメラで走行中の様子を撮影し、その映像をデジタルデータで記録するのがその主な役割だ。ただ、これだけなら一般的なカメラと何が違うのか?となる。

アクションカメラの人気モデル「GoPro」はムービーカメラとして非常に高性能。とはいえ、それでドライブレコーダーとしても使えるかというとそれは難しい。(PHOTO:GoPro)

ドライブレコーダーが一般的なカメラと違うのは大きく3つある。

一つは、エンジンを起動した瞬間から自動的に記録が開始されることだ。これによって、ドライブレコーダーは走行中のすべての状況が映像と音声データとしてメモリーカードに記録していく。特に一般的なカメラと大きく違うのが、記録データがいっぱいになると古い記録から自動的に上書きされていくこと。これを繰り返すことで、最新のデータが保存され続けるのだ。

二つめは、事故などで衝撃を受けた際は、その瞬間のデータを自動的に上書きされない別フォルダに保存することだ。しかも、そのデータは衝撃を受けた瞬間から一定時間(一般的には30秒程度)遡って記録される。そのため、事故が発生するまでの過程が動画映像を通して再現でき、しかもその映像は上書きされずに残されるのだ。

三つめは、前方だけでなく後方の映像も同時記録されることもドライブレコーダーならではの機能だ。加えて、保存したい瞬間を“イベント記録”として任意に記録保存しておくことができる。この映像は上書きされないため、あおり運転を受けた際の再現にも記録にも役立つというわけだ。

本体の表示画面でも前方と後方を同時に映すことが可能な機種も。写真のカロッツェリア「VREC-DZ810」は前方をメインに後方をサブ(画面右側)で表示するモード。

“万が一”で終わらせない!ドライブレコーダーの楽しい使い方

そして、ドライブレコーダーにはもう一つ見逃せない機能がある。それがドライブしたルート上のシーンを振り返る、いわば“想い出記録”のプレビューだ。

すでにドライブレコーダーを使っている人も多いと思うが、記録された映像を再生して確認する人はほとんどいない。そのため、実際に事故などアクシデントに遭遇して、その映像をドライブレコーダーで確認しようと思っても、それが思うようにできないことが珍しくないのだ。

そんな状況に陥らないためにも、普段からドライブレコーダーを“想い出記録”として活用して慣れてしまえば「肝心な時に使えない」ということも避けられるのではないだろうか。

ドライブ中に録画された一期一会の風景をそのまま上書きで消してしまうのは惜しい。

実際、ドライブ中は絶景シーンや貴重なシーンなど、ここぞ!といったシーンに遭遇することが少なくない。そんな時はドライブレコーダーのイベント記録や静止画撮影機能を使ってすかさず記録しておく。そして、帰宅したら記録した映像をPCなど専用アプリで再生してドライブの“想い出記録”として振り返るのだ。

ドライブ中の様子や絶景のルートなどを動画はもちろん静止画としても残しておける。

カロッツェリアのハイエンドモデル「VREC-DZ810D」の圧倒的高画質

さて、こうしたドライブレコーダーの活用に最適な1台が、次に紹介するパイオニアの最上位モデル「VREC-DZ810D」である。

VREC-DZ810D(3万800円※)
前後2カメラで高精細4K/830万画素の高性能ドライブレコーダーユニット。
※パイオニア公式オンラインショップ価格

システムは、フロントカメラを内蔵した本体とリヤカメラの2ピースで構成される。このうちフロントカメラには、一般的なフルHD(約200万画素)の約4倍(約830万画素)となる高解像度4K録画に対応したカメラを搭載。周囲の風景はもちろんのこと、先行車やすれ違うクルマのナンバープレートまで鮮明な記録を可能にした。

本体ディスプレイでも前走車のナンバーはもちろん、周囲の看板まで読み取れる。(※)
標識などもしっかり映るので、事故などの際の証拠能力も高くなる。(※)

4Kでの映像記録は別のメリットももたらしてくれる。4Kは映像そのものに豊富な情報量が含まれているため、輪郭を強調しなくても細部まで肉眼で見ているかのようにクッキリと描き出せる。つまり、先の“想い出記録”としての映像を4K対応ディスプレイで見ればそのままの美しさで振り返ることができる。これは4K画質で録画できるからこそ可能になったことなのだ。

フロントカメラの映像を動画で見る(映像:PIONEER)

さらにフロントカメラは夜間の撮影能力の高さも見逃せないポイントだ。
高感度・高画質を実現する「STARVIS」搭載のSONY製CMOSセンサー と、パイオニア独自の画像認識・処理の知見を活かした「AI-ISP(Image Signal Processor)」を組み合わせた「ウルトラナイトサイト」を採用。独自の機械学習アルゴリズムで運転シーンやノイズ特性に合わせた画像チューニングにより、従来比100分の1以下の光量下でも色彩豊かな映像を残すことを可能としているのだ。

薄暗い地下駐車場でも映像はハッキリと映っている。
「ウルトラナイトサイト」の比較映像(映像:PIONEER)

一方のリヤカメラ。こちらは解像度こそフルHDにとどまるが、高感度録画「ナイトサイト」に対応して後方の様子を、昼夜を問わず鮮明に記録することを可能とした。

リヤカメラの映像も本体ディスプレイで後続車のナンバーまでハッキリ見えた。(※)

中でも見逃せないのがスモークガラス越しで撮影する際の露出補正能力の高さである。このカメラには明るさを9段階に調整できる機能が備えられているが、それ以前にカメラとしての能力が極めて高いのだ。そのため、後続車の様子はしっかりと捉えられ、それはドライバーの姿まではっきりと確認できるほど鮮明に映し出せるほどだ。

撮影車両のリヤウインドウは濃いめのスモークが貼られており、外からではカメラが見えないくらいだった。
しかし、実際のリヤカメラの映像(画面左)はフロント(画面右)と変わらぬ明るさだ。(※)

もちろん、本体に備えた液晶モニターも見やすさも「VREC-DZ810D」の大きなポイントだ。画面サイズはプレビュー時でも映像をしっかり見せる3.0インチで、小型ながら車両の情報なども充分確認できる。さらに画面下部のインフォメーション表示部分は透過表現にしている他、モニターの角度を手前に起こすことでシートに座っている時の視認性も向上。これなら、車内での録画映像の確認にも充分応えてくれるだろう。

(※画像のナンバーはぼかし処理を入れています)

ハイスペックだけじゃない使い勝手の良さと装着のしやすさ

そして、「VREC-DZ810D」では、取付け方で他のドライブレコーダーにはない特徴がある。それは本体をフロントウインドウにピッタリと寄せて取付けるというもので、多くのドライブレコーダーが採用している上から吊り下げて取付けるタイプではない。

取材車両のデリカD:5では先進安全運転システム(ADAS)やウインドウ上部のスモークがあってやや下寄りに装着されていた。クルマによってはウインドウの上端ギリギリに装着することも可能だ。

この取付け方にどんなメリットがあるかというと、一つは本体をフロントガラスに寄せて取付けられるので、ガラスの映り込みが少ないということ。二つめがこのスタイルを採ることでブレ発生を極力抑えることができる。そして、三つめがフロント中央のADAS用ユニットやサンバイザーとの干渉を最小限にとどめられるということだ。

ウインドウに直付けするため、アームで吊り下げるタイプより本体が安定している=カメラがブレにくい。
カメラをウインドウのギリギリまで近くなるので反射や映り込みも起きにくい。

本体に備えた液晶モニターも見やすさも「VREC-DZ810D」の大きなポイントだ。画面サイズはプレビュー時でも映像をしっかり見せる3.0インチで、画面のインフォメーション表示部分を透過表現にしたり、モニターの角度を手前に起こすことで視認性も向上させている。

本体画面は3インチと大きめで見やすく、本体下部に4つ設置されたボタンも大きめ。それぞれのボタンのアイコンだけでなく、画面内にも機能のアイコンが表示される。

さらに操作ボタンも本体下部に配置しているため、ミラー裏に取付けた場合でも操作しやすい。このボタンには「イベント録画」ボタンも割り当てられているので、ここぞ!と思ったシーンでそのボタンをワンプッシュすればOKだ(静止画ボタンに切り替え可能)。

一番右の三角+「!」が「イベント録画」ボタン。
「イベント録画」画面。静止画の撮影も可能。

実は想像以上に酷使されている!使用するSDカードに要注意!

こうして4K+フルHD映像で美しい映像を残してくれる「VREC-DZ810D」だが、これを確実に記録するために欠かせない機能が備えられている。それは「SDカードフォーマットフリー機能」と、「SDカードフォーマット警告機能」の2つだ。

SDカードフォーマットフリー機能
SDカードフォーマット警告機能

前述したように、ドライブレコーダーではデータを記録し、そして上書きするという作業を常に繰り返している。つまり、一般的なカメラとは比べものにならないほどメモリーカードは酷使されていることになる。そんな状況下でも安定して記録し続けられるのがこの機能というわけだ。

高信頼性microSDカード16GB〜128GB(4400円〜1万4300円※)
高耐久・高速化を実現したドライブレコーダー・NP1推奨microSDカード。
「VREC-DZ810D」には32GBのマイクロSDカードが同梱されているが、容量の小さいカードはそれだけ上書き頻度も上がり頻繁なフォーマットが必要になり、その分、書き込み保証回数に達するのも早くなる。パイオニアでは128GBまでのマイクロSDカードを用意しており、大容量タイプを使用するのがオススメだ。
※パイオニア公式オンラインショップ価格

オプションを使用すれば24時間監視が可能!
駐車時のいたずらや盗難対策にも有効

なお、「VREC-DZ810D」の電源は付属のシガーライターアダプターで取ることになっているが、オススメは電源をバッテリーから直接取って接続する方法だ。

シガーソケットに挿すだけで簡単に電源をとれる手軽さがメリットだが、反面、ケーブルが室内に見えてしまうので見た目的にはスッキリしないし、他の機器と電源を取り合いになることも。
シガーソケット電源を利用している場合は駐車監視機能が使えない。せっかくの機能をフル活用するなら駐車監視ケーブルを使ってバッテリーから電源を取りたい。

別売の駐車監視ケーブル「RD-DR002」が必要となるが、これによってアダプターを介するよりもしっかりとした電源取得が実現する。加えて前後2つのカメラで24時間体制での記録も可能となり、駐車中に起こるトラブルをしっかり監視できるようになるのも嬉しいポイントとなるだろう。

駐車監視用電源ケーブル RD-DR002(2970円※)
駐車監視録画対応、ドライブレコーダー用電源ケーブル。ドライブレコーダーと組み合わせることで、エンジンOFF時に衝撃を検知した際に映像を記録できるようになる。
※パイオニア公式オンラインショップ価格

メーカー直販のパイオニア公式オンラインショップという選択肢

いざ、ドライブレコーダーを買うとなるとどこで買えばいいのだろうか?カー用品店に行くことが慣れている人であれば展示品をみながら実際のサイズや使用感を確認できるし、取付もやってくれるので便利だろう。大手カー用品店であれば全国的に多数の店舗を構えており最寄りの店に足を運べば良いが、近くに店舗がなかったりなかなか買いに行く時間がないユーザーもいることだろう。そんな時はネット通販を利用することになると思われる。

Amazonや楽天など普段から利用している通販サイトや、あるいは最安値を掲げるサイトを利用することもあるだろう。ネット通販は実物を見ることはできないが、価格面で有利であったり、商品が手元に届くメリットも大きい。
問題があるとすれば取付けだ。カーDIYに慣れていれば手間こそかかれどやってできないことはないが、そうでもないと取付け作業はなかなかにハードルが高い。

しかし、パイオニアの公式オンラインショップで購入すれば「出張取付けサービス」を利用することができるのだ。

パイオニア公式オンラインショップ

プロが自宅駐車場などで実車に合わせて装着してくれる「出張取付けサービス」

パイオニア公式オンラインショップで購入したものの、自分では取付けられない。あるいは綺麗に取付けたいというユーザーは出張取付けサービスを利用することができる。パイオニアが作業を委託する「モービルテック株式会社」がメカニックを派遣して取付けてくれるというもの。

出張取付けサービスで作業中のメカニック。自宅駐車場などで作業してくれるのだが、作業のためにドアやリヤゲートの開閉スペースが広めに必要になるため、サービス依頼時に作業場所についての確認がある。

メカニックは普段から多数かつ多様な車種にドライブレコーダーを取付けており、その蓄積された経験値と技術により幅広い車種に最適な方法で取付けてくれる。特にドライブレコーダーは電源から本体までやリヤカメラへのケーブルなど、その取回しが難しい。シガーソケット電源を利用するならまだマシだが、「VREC-DZ810D」の駐車監視機能を利用するためにバッテリーから電源を引くとなるとより難しくなる。

写真はパイオニア「NP1」の取付けだが、電源確保はもちろんケーブルの取回しなどDIYではハードルの高い作業内容となった。

それにケーブルは内装の内側に隠してインテリアはスッキリさせておきたいところだが、内装を剥がすのはDIYに慣れていても二の足を踏む作業。しかし、出張サービスならこれもプロのテクニックにより美しく仕上げてくれるのだ。配線や取付け位置はもちろん、カメラの角度などもきちんと調整してくれるので安心して使用できる。

ケーブルを内装の内側に隠すには内装パーツを取り外すことになるのだが、これはDIYではかなりハードルが高い。外し方もわからないし、壊さず傷つけず外すにはコツや経験が必要。プロとDIYで大きく差がつく作業だ。

カー用品店で取付けた際に作業内容に不安を感じたり、取付け方法や場所に不満を抱くケースもあるようで、そういった経験をしたユーザーが愛車に応じたフィッティングをしてくれる出張取付けサービスを利用しているという話もあった。

ケーブルは完全に内装の裏に隠された。(右のETC車載器は出張取付けサービスとは無関係)

また、MotorFan.jpでも執筆するモータージャーナリスト・大音安弘氏もパイオニア「NP1」の取付けにあたって出張取付けサービスを利用した(写真)。

愛車のBMW Z4にNP1を取付ける際に、出張取付けサービスを利用しました。担当してくださったのは、綺麗なツナギを着用した物腰柔らかい方でした。作業前の打ち合わせでは、的確な返答をいただけたので、安心して任せることができました。内装の着脱は丁寧で、取付けもスムーズ。さすがプロの仕事と思わせるものでした。輸入車でも全く問題がないので、機会があれば利用したいと思います。(大音安弘)

と、普段からクルマに触れDIYで作業することも少なくないモータージャーナリストから見ても、その作業やサービスは納得できるものであったことがうかがえる。

【BMW Z4オーナーレポート vol.9】ではパイオニア出張取付けサービスを利用して「NP1」を装着している。

費用や対応車種は?出張可能エリアは?

どれくらい工賃がかかるのか?状況によって追加が発生したりしないのか?不安に感じるユーザーもいるだろうが、パイオニア出張取付けサービスは料金が固定でオープンにされているのが安心だ。よほどのイレギュラーが無い限りは追加料金が発生することはないという。

2カメラドライブレコーダーをパイオニア公式オンラインショップで購入した際に利用できる出張取り付けサービス例だが、駐車監視機能付き電源裏取り用ケーブルで装着してもこの価格。シガーソケットで装着するよりも作業内容的にはバリューだと感じる。

輸入車や作業性が輸入車に近いレクサスは対応できないケースがあるそうで、不安な方はサポート窓口へ事前の問い合わせを。

パイオニア公式オンラインショップサポートセンター
電話番号:0120-556-422(無料)


また、基本的に全国47都道府県で対応しているものの、都道府県によっては作業担当の所在地により対応できないエリアもあるという。対応エリアについてもオフィシャルサイトを事前にチェックしておきたい。

出張取付けサービスの依頼フォーム。出張場所や取付け車種、候補日などを記載する。出張場所は基本的に自宅や自身の契約駐車場となる。取付け日は予約状況次第だが、ゴールデンウィークのような長期休暇の前は日程に余裕を持った方が安心。逆に空きがあれば翌日でも対応できるケースもあるそうだ。

「出張料理」というものがある。一流シェフが自宅などでその腕を振るい家に居ながらにしてプロの料理を楽しめるという非常に贅沢なサービスだ。
出張取付けサービスも、一流のメカニックがユーザーの自宅まで来て愛車に合わせた取付けを行なってくれるのだから、考えてみるとこれも実にプレミアムなサービスなのではないだろうか?

ドライブレコーダーをはじめパイオニア製品を購入した際に、取付け方にこだわるのであれば出張取付けサービスを利用してみては如何だろう?製品、サービス、仕上がりで、より満足度が高まるに違いない。

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著者プロフィール

会田 肇 近影

会田 肇

1956年、茨城県生まれ。明治大学政経学部卒。新卒で自動車系出版社に就職した後、フリーランスとして独立…