2021-2022 webOPTION編集長が推すのはこの3台 86&BRZ/GT-R/RX-8

Webオプション編集長が推しまくる”いまチューニングするなら、これだ!”

Motor-Fan.jpのMotor-Fan/Motor-Fan TECH./Motor-Fan Bikes/Web Option/SW DressUp Navi/GENROQ webの各チャンネルを担当する編集者たちが、「個人的な想い」で推す、いまお勧めのクルマ3台をお届けする。今回はウェブオプション編集長タケモトが推しまくるチューニングベース3選です。
TEXT○竹本雄樹(webOPTION編集長)

チューニング前提のクルマ選びって楽しいですよ!

名のあるスポーツモデルの価格高騰が叫ばれる昨今。かくいうタケモトは、4年前にRX-7(FD3Sの4型)を150万円で購入しましたが、その直後に価格が急騰。現在、FD3Sの相場は400万円以上が当たり前という意味不明な状況になっています。

「セブンにそんな価値ないわ!」というのが本音ですが、基本的に中古車の価格は「需要と供給」のバランスで決まるわけで…。何が言いたいのかというと、スポーツカーには買い時が存在するってことです。今回紹介する3台は、まさに“今が買い時のチューニングベースたち”です。
ちなみに、R35GT-Rはここ数ヶ月でイッキに値上がりしましたが、初期型の適性相場は400万円〜500万円。狙っている人は価格が落ち着くまで待ちましょう!

オススメその1 トヨタ86(ZN6)/スバルBRZ(ZC6)

過給機チューンも自由自在! FRスポーツの筆頭

先行デビューのBRZに続き、いよいよGR86の本格的なデリバリーも開始され、カスタマイズ&チューニングシーンは俄然盛り上がりを見せはじめていますが、その裏でこれまで以上に注目度が高まっているのが初代86/BRZの中古車です。

とくに前期型は150万円以下の個体も頻繁に見受けられるようになるなど、カスタム&チューニングベースとしての人気はまさに右肩上がりの状況! 実際に第2のシルビアとして86/BRZを育てているチューニングショップも多く、これから間違いなくメインストリームモデルになるでしょう。

86/BRZに採用される水平対向2L NAのFA20は、低重心搭載でFRスポーツの仕上がりを左右する重量バランスで考えると優れたエンジンです。ただし、カタログスペックこそリッター100馬力を果たしているとはいえ、常用域となる4500rpm付近にトルクの谷があるため、スポーツ走行時にストレスが溜まりがち。
FA20チューニングはざまざまな方法が存在しますが、コストパフォーマンスまで含めて人気が高いのは、HKSのGTIIスーパーチャージャーキットを使ったボルトオンの過給機チューンです。
ターボと同じ高速型の遠心式コンプレッサーを持つスーパーチャージャーユニットは、シャフトに取り巻くよう配置された3個のローラーが圧着力を変化させながら、トラクションフルードを介して非接触でコンプレッサーホイールを加速させる構造となっています。
パワーアップ率は凄まじく、ポン付けでも約60馬力アップを実現。インジェクターまで交換するフューエルアップグレードキットを追加すれば約100馬力アップも射程範囲という驚きのパフォーマンスを有しています。
GTIIスーパーチャージャーキットの導入コストは、キット代と取り付け工賃でおよそ50万円という予算感。プラグやエアクリーナー、さらにオイルクーラーを入れても70万円程度で収まる計算です。

オススメその2 日産GT-R(R35)

時空を超えるような加速感を体験せよ!

他媒体が新型の予想などしておりますが、WEB OPTION調べでは現時点で日産はR36型の開発など行なっておりません。仮にこれから開発するとしても、内燃機関でのパッケージングは難しいでしょう。つまり、VR38DETTエンジンはR35型が最後ということになります。

仕事柄、1000馬力級のチューニングカーに乗る機会も多々ありますが、GT-Rのフル加速は異質。アクセルを踏み抜けば、フルノーマル状態でも身体がシートに押し付けられ、信じられない突進力を披露してくれます。初めて乗った時は本当に衝撃を受けましたよ。「これ、やばくないか?」って。

メンテナンス歴がシッカリしていれば、基本的にGT-Rは過走行でも壊れることはないので、狙い目は初期の2007年〜2008年モデル。ちょっとECUをイジってやるだけで最新モデル以上のパフォーマンにもっていけますよ!

ひとりの職人が1基ずつじっくりと手で組み、全数検査をして性能を確認した後に組み付けられるGT-R専用設計のVR38DETT。登場時は480馬力の最高出力でしたが、熟成を進めた結果、2016年モデルで570馬力に到達。ニスモに至っては高風量タービンの装着などで600馬力を発生させています。
GPS連動で、国内主要サーキットではスピードリミッター解除が行なえるGT-Rですが、チューニングシーンで主流になっているのは、各メーカーが販売している後付けの『リミッターカット』と、チューニングショップが展開する『ECUデータ変更』の2パターンです。
HKSのVACなどを使ったリミッターカットは、ECU解析が進んでいないデビュー初期に人気を集めましたが、R35チューニングが成熟期に達した現在は、ECUチューンついでのリミッター解除がベスト。なお、2015年モデルまではエンジン側のECUとミッション側のTCMの双方での変更が必要でしたが、2017年モデル以降はECU側のみでリミッター解除が可能です。

オススメその3 マツダRX-8(SE3P)

ベース車両50万円!狙いは初期型5速MTモデル

レシプロエンジンでは絶対に味わえない、軽快な吹け上がりを身上とするロータリーエンジン。その搭載車のなかでも、今もっとも狙い目となっているのがRX-8です。マツダのRE搭載最終モデルでありながら、中古車相場は完全に底値。RE入門モデルとしても、チューンベースとしても最適なのです!

コレクターズアイテムとしては後期最終モデルの価値が高いのですが、手軽にREを楽しみたいというのであれば、お勧めはズバリ前期のベースグレード。車両価格50万円前後から狙えるし、スポーツグレードのタイプSに比べて走行距離が少なめの傾向も魅力ですよ。

心臓部の13B-MSPエンジンは、チューニングなしでレブリミット9000rpmを実現しています。高回転までイッキに駆け上がるスムーズな回転フィールは、NAロータリーならではの特権です。
RX-8は、RX-7よりもエンジンを低く車両のセンター寄りに搭載。加えて足まわりのアーム長を長くするなど、旋回性能におけるパッケージングは、最強のコーナリングマシンと呼ばれるRX-7以上で、実際、パワーをあまり必要としないミニサーキットでは、RX-7と変わらないタイムで周回できるんです!
RX-8は2008年3月のマイナーチェンジを境に前期型/後期型と呼び分けるのが一般的です。後期型へのマイナーチェンジによってボディ剛性や操縦安定性が向上、エンジンは潤滑系を全面変更し、オイル消費量の抑制や冷却効率を改善。また、6速MTユニットはそれまでのアイシン製から自社製となり、耐久性がアップするなどさまざまな箇所がバージョンアップされています。
NAであるRX-8はECUの現車セッティングによるフィーリングアップが非常に効果的。後期型は制御がより複雑化され、イジれるショップが限られている状況ですが、RE雨宮などの老舗は自由にセッティングできる体制を整えています。

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