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2001年は21世紀最初の年。どんな年だったか?
2001年は平成13年。つまり21世紀最初の年だったわけだ。どんな年だったか?
日本アカデミー賞作品賞:『雨あがる』(第25回)2001年作品が対象の2002年は『千と千尋の神隠し』
米・アカデミー賞作品賞:『グラディエーター』(第73回)2001年作品が対象の2002年は『ビューティフル・マインド』
NHKの朝ドラ:『ちゅらさん』/『ほんまもん』
NHKの大河ドラマ:『北条時宗』
日本レコード大賞:『Dearest』(浜崎あゆみ)
総理大臣:小泉純一郎(第87代)
9月11にアメリカ同時多発テロが起きたのが2001年。清水寺の「今年の漢字」は『戦』だった。
自動車関連で言えば
日本カー・オブ・ザ・イヤー:ホンダ・フィット(初代)
F1世界チャンピオン:ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
WRC世界チャンピオン:リチャード・バーンズ(スバル・インプレッサWRC)
である。この年の新車販売台数は登録車が405万9046台 軽自動車が185万3519台。
この年日本でもっとも売れたのはトヨタ・カローラだった。
どんなクルマたちが走っていたのか?
初代ホンダ・フィット
2001年にデビューしたのが、初代ホンダ・フィットだ。大ヒットを記録して、その年のカー・オブ・ザ・イヤーも受賞している。パワートレーンは1.3ℓ直4(86ps/119Nm)+CVTだ。
エントリーグレードの「Y」の価格は106万5000円だった。燃費は10・15モードは23.0km/ℓ。
ちなみに、2001年の消費税率は5%である(1997年から。2014年から8%、2019年から現状の10%になった)。
現在のフィットのエントリーグレードはベーシックの155万7600円である。パワートレーンは1.3ℓ直4DOHC(98ps/118Nm)+CVT、燃費はWLTCで20.4km/ℓだ。
価格は20年間で1.46倍になった。
トヨタ・ヴィッツ
1999年デビューのヴィッツの2001年5月発売のモデルでエントリーグレードのBエコパッケージの価格は89万5000円。パワートレーンは1.0ℓ直4(70ps/95Nm)+5MTだった。
現行ヴィッツでもっとも安いのは、
F Mパッケージの120万3400円
パワートレーンは、1.0ℓ直3(69ps/92Nm)+CVT
こちらも価格は1.34倍になっている。
ホンダNSX
1990年にデビューした初代NSXの2001年モデルは
ベースグレードが940万7000円
タイプSが1035万7000円
だった。エンジンは、3.0ℓV6・NAで265ps/294Nmである(タイプSで280ps/304Nm)。トランスミッションは6MTか4ATだった。スーパースポーツでもトランスミッションは4速ATだったのだ。
2022年のNSXは、2代目の最終モデル。タイプSの価格は2794万円である。20年間に価格は2.70倍になったわけだ。
スカイラインGT-R(R34型)
スカイラインGT-Rは、R34型の末期に当たっていた。
2001年5月発売のGT-R Mスペックは595万円エンジンは、2.6ℓ直6ターボ(280ps/392Nm)だった。
それにしても、いまから思うと595万円なら、頑張れば(清水の舞台から飛び降りる気持ちで長期ローンを組めば)買えそうだったのだ。
現在のGT-Rは、R35のモデル末期。
GT-Rのベースグレードは1082万8400円だ。エンジンは、3.8ℓV6ツインターボ(570ps/637Nm)で出力は2倍以上になっている。
ベースグレード同士での価格は20年間で1.82倍になっている。
マツダRX-7
スポーツカーばかりになって恐縮だが、2001年はFD型RX-7の末期。2001年12月発売のタイプRバサーストは価格は339万8000円。
エンジンは13B2ローターターボ(280ps/314Nm)だった。
三菱ランサーエボリューションⅦ
三菱のランエボはエボⅦ世代。
ランサーRSエボリューションⅦが251万8000円
ランサーGSRエボリューションⅦが298万8000円
だった。エンジンは4G63型直4ターボで280ps/383Nmのスペックだった。トランスミッションは5MTだった。
トヨタ・スープラ
トヨタのスポーツカー、スープラはA80型のモデル末期。
エントリーのSZが295万円
トップグレードのRZが448万円
ともにRZのエンジンは3.0ℓ直6ターボ2JZ-GTE(280ps/451Nm)だった。
現行スープラの2.0ℓ直4モデルのSZが495万5000円
3.0ℓ直6のRZが731万3000円だから、RZは20年間で価格が1.63倍になったということだ。
当時、国産ハイパフォーマンスモデルのエンジン出力は、280psの自主規制があった。だから、どのモデルも最高出力は280psだったのだ。自主規制が撤廃されたのは2004年のことだった。
メルセデス・ベンツCクラス
メルセデス・ベンツCクラスW203型の日本デビューは2000年だ。
2001年モデルはエントリーのC200コンプレッサーで455万円。パワートレーンは2.0ℓ直4スーパーチャージャー(163ps/230Nm)+5MTだった。
現行Cクラスの一番安いグレードはC200アバンギャルドの654万円である。価格差は1.44倍
BMW 3シリーズ
2001年当時のBMW3シリーズはE46型だった。中核モデルの320iが418万円。エンジンは2.2ℓ直6DOHC(170ps/210Nm)+5ATだった。ちなみにボディサイズは全長×全幅×全高:4470mm×1740mm×1415mm ホイールベース2725mm(小さい!)
現行3シリーズ(G20型)のエントリーは318i の510万円。320iは561万円である。パワートレーンは、2.0ℓ直4ターボ(184ps/300Nm)+8AT。320i同士の比較では価格は20年間で1.34倍となった。
価格の話ついでに、給料の話も少し
この20年間で、クルマの技術進歩は著しい、燃費も安全性も運転支援技術も、もちろん快適性も、そしてボディサイズも大きく成長(進化)している。だから、価格が上昇するのも、当然だ。
問題は、それと同じペースで収入が増えていっていないこと。これが「失われた20年」あるいは「失われた30年」と言われている経済状況だ。
ちなみに、2001年の大発会の東京株式市場の日経平均株価は1万3691円49銭だった。2022年は2万9301円79銭だ。ご存知の通り、日経平均株価の史上最高値は1989年12月29日の3万8915円である。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると
サラリーマンの平均年収は
2001年:454万円
2020年:433万円
大学卒の初任給は
2001年の大卒初任給は19万5100円
2019年の大卒初任給は21万0200円
である。給料は上がらず(というか下がっている)、クルマは進化した分、価格が上がっている。
冴えない話が最後にきてしまったが、新成人たちが社会に出て活躍する頃には、「失われた時代」が終わって、輝ける時代が来てほしいと切に願う。