2000年までに生産された旧車たち、約130台が大集合
毎年1月の初旬に開催されてきた「佐野ニューイヤークラシックカーミーティング」だが、2022年は開催直前になって佐野駅前広場が使えなくなってしまった。そこで主催者が機転を利かせて開催場所を埼玉県のキャッセ羽生に変更したことで、無事に予定通り1月9日の開催まで漕ぎ着けることができた。今回はイベントの模様をダイジェスト的に紹介しよう。
キャッセ羽生に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのがパトカーたち。埼玉県警が協力してスポーツタイプの警察車両を展示していた。しかも希望する見学者が車内へ乗り込めたり、警察官に写真を撮ってもらうというサービスぶり。警察官募集を兼ねた協力だから可能になったのだ。
パトカーだけでなく白バイも展示され、こちらもまたがることが可能だった。乗車して記念撮影をしたり装備品を観察したりと、途絶える人がないほどの盛況ぶり。県警に協力してもらうと来場者サービスだけでなく主催者側にもメリットがある。旧車のイベントというと違法改造車が会場付近を走り回る現象が付き物のようなイメージだが、警察官が大勢いることで彼らが近づいてこないのだ。
イベントは午前10時の開会式で始まった。感染対策としてマスクの着用や消毒液の設置などが盛り込まれ、来場者が安心して見学できる体制を整えていたのは当然のことだろう。また協力してくれた埼玉県警の挨拶では「注目される古いクルマだからこそ、マナーの良い運転」を心がけるよう呼びかけがあった。
会場入り口のそばにはオート3輪であるマツダT1500が展示されていた。確かにこんなクルマが走っていたら、いやでも注目を浴びるだろう。走行中のマナーには気をつけたいものだ。
オート3輪に負けない注目度だったのが比較的新しいオープンカーたち。シザードアに改造されたものが多く、走行中だけでなく停車中でも目立つことをアピール。このイベントの特徴として、2000年までに生産された車両であれば参加できることが挙げられる。多くの旧車イベントで参加規定を1980年代前後までに生産された車両としているが、さらに広い年式が集まることも注目度が高まる要因だろう。
旧車イベントは国産車が主役のようになりつつあるが、もちろん輸入車であっても参加が可能。やはりスポーツ系のモデルが注目を集め、手前のフェラーリ328GTBやシボレー・コルベット、メルセデス・ベンツ500SLなどは愁眉の存在。
国産旧車といえばハコスカやケンメリと呼ばれる日産スカイラインは外せない。食傷気味かもしれないが、今回は貴重なGT-Rが5台も並び圧巻だった。いずれも派手な改造がされずノーマルに近い状態だったことも好感度を上げるポイントだろう。
主催クラブが日本旧軽車会ということで、360cc時代の古い軽自動車たちも大勢展示されていた。ステップバンが並びホンダ車が多めの印象だったが、フロンテクーペやスバルR-2なども展示されていて、見飽きることがなかった。
古いオープンカーとしては日産フェアレディが並んでいたのが印象的。今回はフェアレディ2000ばかりだったが、SP/SR時代のフェアレディは60年代の国産車を代表する存在だった。
トヨタのスポーツカーといえばスポーツ800と2000GT。この日は2台が並んでいて、排気量やサイズこそ違うものの、この時期のスタイリングの共通性を感じさせてくれた。
参加対象になる年式が幅広いため、同じ車種の新旧モデルが並ぶことが多いところも楽しめる。今回はマツダ・サバンナRX-7が数多く参加して、初代SA22Cから最終のFD3Sまで3世代を見比べることができた。またホンダ・シビックも初代と2代目が並びスタイルの違いを、トヨタではクラウンが2代目と6代目が並び時代の違いを感じさせてくれた。
国産車が圧倒的に多かった印象だが、フォルクスワーゲン・タイプ2など人気の高い輸入車も参加し、ノーマルのものと救急車仕様が並び目を引いていた。
古い2輪車も参加対象になっているのだが、今回はエントリーが少なく主催者テントの傍に4台が並んだだけだった。ところが4台のうち3台がホンダ・ロードパルとその派生モデルで、珍しいためか見学する人が絶えなかった。
イベント参加者には景品を持ち寄ることが条件になっていた。というのも、午後に参加者を対象とした抽選会が行われ、全員に何かしらのプレゼントがあるからだ。さすがに百数十人もいるため進行が大変そうだが、主催者側は慣れたもので混乱なく終えることができていた。
この会場では3月6日にも同様のイベントが開催予定となっていて、主催クラブの精力的な活動には感心させられるばかり。見逃した人は、次回を楽しみにしていただきたい。