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日本が誇るスポーツカーが埼玉県警のパトカーとして活躍していた!
新年早々にイベントが開催され、2022年こそは旧車イベントが復活するかと期待されたものだが、また新型ウイルス感染者が増えつつあり予断を許さない状況になりつつある。ニューイヤークラシックカーミーティングが開催された1月9日の時点では深刻な状況ではなかったため、数多くの展示車両と来場者が集まり活況を呈していた。
今回のイベントで注目されたのが、埼玉県警の協力により展示された3台のパトカー。スカイラインGT-RやRX-7、インプレッサWRXは現在、中古車相場が高騰している国産スポーツカーの代表選手ばかり。今回は室内まで撮影が許されたので、それぞれ紹介してみたい。
日産スカイラインGT-R VスペックII(R34)
まず紹介したいのが国産スポーツカーのなかでも世界中から注目されている1台であるスカイラインGT-R。R34の後期型VスペックIIがベースになった最強のスポーツカーだ。この車両は2001年ごろに配備され、現在では現役を引退してこのようなイベントに展示される機会が多いようだ。
第2世代GT-Rは代々、各県警の高速パトカーとして配備されてきたが、R34は埼玉県警だけでも複数台が採用された。この日は第2世代GT-Rとして最後のモデルといってもいいR34型の後期型VスペックIIをベースにした高速隊車両が展示された。
外観ではフロントグリル中央の旭日章が目を引くほか、ボンネットに装備されたアクリル板の虫除け、ルーフの回転灯など、高速パトカーとしての特徴をそのまま残してある。ボンネットを開くことは許されなかったが、フロントホイールからはVスペックIIらしくブレンボ製ブレーキキャリパーを確認することができる。
一方室内は2段式ルームミラーのほか、スピード違反を取り締まるための車速測定記録器やマイクなどを装備している点が市販車と異なる。速度計や回転計は国内仕様の市販車と変わるところはなく、180km/h以上は表示されないところが意外といえば意外。またフロントシートにはGT-Rだけでなくいずれのパトカーにもカバーが被せられている。これは長時間着座することや、複数人の警察官が乗車することを考慮して、シート本体が痛むことを防ぐためだ。
マツダRX-7(FD3S)
続いて紹介するのは、やはり埼玉県警の高速隊に導入されたFD3S型マツダRX-7だ。R34スカイラインGT-Rもスポーツカーだが、リヤシートやトランクに実用性があるから高速パトカーとしても理解しやすい。ところがRX-7となるとトランクは狭くリヤシートは事実上座ることがないといってよく、速度取り締まりに特化した配備と考えていい。
外観での特徴としてはR34スカイラインGT-R同様にボンネットの虫除けやルーフの赤色回転灯だが、赤色灯はルーフ以外にない。またルーフの回転灯中央にラッパ型のレーダーを装備している点が特徴。いかにも空気抵抗が大きそうで、加速性能をどれほどスポイルしているのか気になるところだ。
室内を確認すると運転席まわりは基本的に市販車のままに見える。オーディオの位置にマイク用アンプなどを装備しているところが特徴だろうか。また車速測定記録器などのかさばる装備は助手席側に配置されている。室内が狭いRX-7らしい部分だ。
スバル・インプレッサWRX STi
最後に紹介するのは高速隊ではなく埼玉県警の機動隊に導入されたGDB型インプレッサWRX STiだ。春日部ナンバーの個体は東部方面隊に配備されたもので、通常ならゴールドのホイールを装備している。この日は積雪や路面凍結が心配される時期だからだろうか、シルバーのホイールにスタッドレスタイヤを装備していた。
フロントグリルに装備された旭日章や赤色灯、ルーフの赤色回転灯などはパトカーとしての基本装備だが、高速隊ではないため虫除けは装備されていない。配備を表すようにリヤスポイラー側面に交機隊と書かれたステッカーが貼られているのが特徴だろうか。
また室内では運転席まわりは市販車然としていてダッシュボード中央上部にはオーディオまで装備されている。センターコンソールのマイクや助手席側の測定器が特徴といったところだ。いずれも今やマニア垂涎のマシンばかり。こうしたパトカーがいつまでも保管されることを祈りたい。