日産キャラバン マイルーム コンセプト
東京オートサロン2022の日産ブースに展示されていたのは、2021年10月にマイナーチェンジを行ったキャラバンをベースにしたコンセプトモデルだ。最近流行りのキャンピングカー仕様かと思いきや、あに図らんや。テーマは「どこでもMY ROOM」で、自分のお気に入りの部屋をまるごとキャラバンに載せて出かけることをイメージしている。
そう言われてみると、車内はオシャレなワンルームのような仕立てとなっているのがわかる。製作の際も、クルマの枠組みから離れて「家を作る」つもりで行ったという。場所や時間の制約にとらわれることなく、自由に仕事をしたり、大切な人と時間を過ごしたりするための部屋は、いかにも居心地が良さそう。
車内は明るい木目がしつらえられているが、じつは本物の木が使われているのはごく一部。ほとんどは樹脂の上に木目のフィルムを貼ったものだという。間近で見ても本木目にしか見えないほど超リアル。樹脂ならば木のように縮んでしまうこともないので、より工作精度を高めることができるというメリットもあるという。
車内後方に据えられたベッドはいかにも寝心地が良さそう。実はこのベッドは跳ね上げ式になっており、すっぽり左側の壁に収めることができるのだ。そうすると、キャラバン本来の荷物をたくさん積む用途にも使えるというわけである。
2列目のシートは3種類のアレンジに対応する。車内でくつろぐ際は後ろ向きにして、5名乗車で走行する際は前向きに変更、そして就寝する際はフラットにしてリヤベッドとつげる、という使い方が可能だ。
2列目席の後方にあるテーブルも可動式となっている。使わないときはクルッと回転して右側の壁の棚に早変わり。その上部に設けられた引き出し式の収納ボックスも使い勝手が良さそうだ。
前席と後席を隔てている壁はスクリーンにもなる。プロジェクターを使えば車内はシアタールームに変身、寝転びながら映画を楽しむこともできるというわけだ。
天井や側面の足元には間接照明が配されており、柔らかい光で照らしてくれる。こうした光の演出も、まるで家のようにくつろげる雰囲気をつくり出す上での重要な要素となっている。
賃貸マンション暮らしで自分の個室がないレポーターは「こんな部屋があれば…」と羨望のまなざしで取材したのでした。