BP5スバル・レガシィツーリングワゴン | 車中泊用の網戸製作法

スバル・レガシィツーリングワゴン(BP5)で車中泊! 就寝時の温度、湿度管理でベストはやはり網戸。レガシィ用に自作してみる

クルマ旅でも快適に過ごしたい。前回は就寝時に「快適に横になれる」がテーマだったが、今回は就寝時の温度、湿度管理だ。ローテクだがベストなのは「網戸」。サッシュレスのレガシィ用に自作してみる。
TEXT & PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)

イタリアやドイツなどヨーロッパで食事をする時、席はテラスにしますか?と聞かれることがある。ヨーロッパの人々は外での食事が大好きだ。どこがベストか?と言えば、「温かい食事はエアコンが効いた室内で。その後、冷たい飲物と一緒にテラスに出る」が良い。

そんな他人任せで超快適とは遠いが、クルマ旅でも快適に過ごしたい。前回は就寝時に「快適に横になれる」がテーマだったが、今回は就寝時の温度、湿度管理だ。家やマンションでは当たり前のことが、じつは結構難しい。晩秋の寒い時には着込めば良いが、梅雨時から真夏に掛けての高温、高湿度。もう脱ぐ衣類は一枚もない。そこで、まずはクルマの室内を外気温と同じに保つ。僕自身から出す湿気も外に出す。そのためには風を入れ込めばよい。

レガシィで車中泊

スバル・レガシィツーリングワゴン(BP5)で車中泊! 夏は旅に出よう。キャンピングベッドを入れるにはどうする?

安く長く滞在するには、車中泊が最適だ。いつもの相棒、スズキ・ジムニー(M-JA71C)ではなく、スバル・レガシィツーリングワゴン(BP5)で出かけてみよう。車中泊のために、キャンピングベッドをレガシィに入れてみる。ディナーは炭火焼き鳥にチャレンジ! TEXT & PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)

ところが窓を全開にしたのなら、蚊やブヨ、アブがやって来る。彼ら(蚊はメスのみ)にとって、たいして毛も生えていない人間、柔らかい皮膚の僕はめっちゃ美味しいデイナーとなる。

車中泊やキャンプ場で夜、エンジンを掛けるのはマナーに反する。スポットクーラー等をクルマに持ち込む手段もあるけれど、まずは網戸。レガシィのウインドウはサッシュレス。市販品のクルマ用の網戸が使えない。工作にチャレンジだ。

また、寝静まっての奴らの夜襲は卑怯である。善良な市民(僕のこと)が夢を見ている時に襲ってくる。昼間なら空中戦でも地上戦でも対抗して戦ってやるのだが。

そこで就寝時の最善策はバリアーを張る。宇宙戦争で出てくるバリアーは21世紀の今日でも実現されてはいないようなので、ローテクではあるがベストはやはり網戸である。

じつは車中泊用の網戸は汎用品が市販されている。それも結構廉価である。ドアのサッシの部分にタイツのようにネットを被せるタイプ。これはよくできていてガラスを上下することができる。マジックテープで貼るタイプもある。防犯が必要なら、少しだけ窓を開けておくこともできる。

レガシィツーリングワゴン(BP5)のウインドウの状況。ガラスに枠がないサッシュレス。

ところがレガシィ(BP5)はサッシュレス。窓枠がないので、汎用品をを使用できない。調べてみたが、当然ながら専用品もないようだ。そこで自作を試みる。枠を作りネットを張る。それをドアのゴムのモールに挟み込んでやる。多少の隙間が出来たとしても、そこはガムテープや隙間テープで塞げばなんとかなる。

次に必要(欲しい)なのは快適な「昼寝」。椅子に座って「うとうと」したい。そのために必要なチェアーの条件は?

1シートバックが頭まである事。シートバックが短いと、中身の入っていない僕の頭でも、首が折れて肩こりの原因になる。

2)肘掛け。組み立て式のハイバックチェアーで、肘掛けがあるものはじつは少ない。

まぁなんとか条件にあった物が手に入ったが、ちょいとお尻の形が合わずに残念。

さて、出掛けたとして車中泊はどこにクルマを駐めるか? 僕は飲酒はしないが、アルコールが入ったら移動はできない。もっともも利用しやすいのが道の駅や高速道路のパーキング。で、そこのどこがベストなのか?トイレの側は楽で良い。だがキャンプ場も同じなのだけれど、じつ実は夜中に人が多く往来する。クルマの横を歩かれると恐怖を覚えることもある。僕は少しだけトイレから距離を取る。早めに着いた時に良いと思っても、次第に混んできて、いつの間にか集団の中。そんなこともある。これは時の運としか言いようがないだろう。

道の駅は車中泊のメッカだ。ただし、それぞれ運営している所が違うので、ルールも違う。車中泊が禁止されているところも存在する。車中泊が可能なら、ルールを守り汚さない。たったひとつのルール違反が今後禁止になることもある。次に利用する人達のために。僕自身は立ち寄る程度であるが。

今回は道の駅から離れた場所に、トイレのある駐車場を見つけた。街灯もある。明るすぎると寝づらいので、なるべく車内が暗くなる場所を選んだつもりだ。公園の注意書きもあるので、それに従う。

しばらくすると、どうやらここを管理をしている人のクルマが来る。トイレへ行き、すぐに帰っていく。あの管理の方は何のために来たのだろう?

あ、まずい。案の定シャッターが降り、トイレは閉鎖されていた。そのシャッターに貼り紙がある。「夜間は閉める」と書いてある。

夏場は汗をかく。道の駅に併設された温泉もあり、また日帰り温泉を利用しよう。明るいうちに汗を流しておいても、さっぱりとした夜は過ごせる。

「必要ならここへ行けば開いてるトイレがあるからね」

「え? できればそれ、昼間見える所に貼っておいてくれると助かるのだけれど」

昼間、ここが良いと思っても、夜間は違う。良い教訓である。

しばらくすると、クワガタを採取している人がひとりくる。世間話を少しする。

「ここの街灯は点灯しないよ。あるだけ。夜は真っ暗。昔は点灯していたからクワガタがよく採れたんだよ」

「え?街灯も点灯せずにトイレは閉鎖」まぁそのくらい良しとするか。せめて月でも出てくれよ。

山間に小さな駐車場を見つける。奥の建物はトイレだ。看板の注意書きを読み、問題がないのでここで夜を過ごす事にする。

あ、クワガタ採取の方の成果?「ミヤマクワガタ?」かな、メスが一匹。嬉しそうに家路にへと向かいました。そしてすぐ、山里の夜は早し。

夜を待つ間のワンショット。谷の夕暮れは早い。

レガシィ用網戸製作方法

網戸製作に用意したもの。後から足した物、使わなかった物もあるが、家の網戸の修理経験のない素人なのでお許しを。
網戸の型紙は撮影で使用しているロールのトレーシングペーパー。
カットしたら型紙が破れないようにすぐにマスキングテープで留めておく。風は大敵。
型が取れたら、マスキングテープで補強。ロールは家庭用の網戸用のネット。色はシルバーを選ぶ。
これも撮影用で使用しているプラステックダンボール。フレームとして使う。カッターで型紙に合わせて外周をカット。ネットとなる部分もカット。ここはいい加減。
でき上がったフレームに合わせ、ネットをホッチキスで留めて張っていく。化粧させるにはこの上に何かを貼れば良いが、とりあえず僕はこれで良しとする。完成。
あらかじめ室内に吹いておくタイプの蚊対策はこれ。リヤゲートを開けておく時には便利だ。室内を暗くしておくと、光で集まって来る虫も車内に入ることが少ない。
キャンピングベッドとハイバックのチェアがアースカラーなので、物置からウッド製のテーブルを持ち出す。立ち上がる機会が多いなら、ハイスタイルのチェアとテーブルが楽である。
ハイバックのチェアで居眠りがしたい。そこで新たに導入した組み立て式。ハイバック、その上に肘掛けの付いている物はまだ少ない。
折りたたみ式チェアのフレーム。さすがに複雑であるがショックコードで繋がっているので、組み立ては簡単である。
レガシィにインプットしたキャンピングベッドの全体像。これはロータイプとして組んだ状態。
こちらは付属のパーツを使い高くした状態。冬のテント泊ならこの状態で使用する。

車中泊用「火を使わない食事」

暑い夏なので火を使わない食材を業務スーパーで探してみる。真空パックの上に冷凍された食材は使い勝手が良い。冷凍のままクーラーボックスに入れておけば保冷剤の役目も兼ねる。冷凍のターキーだけは要加熱だったので、自宅にて湯煎。その後再冷凍。
ディナーの準備が完了。暮れ行く山里を楽しみながら夜を待つ。
「クルマの中で食事をしない」のは車中泊からは外れるのかもしれない。でも、旅はそれぞれオリジナル。マナーを守って。
使った食器やナイフはペーパータオルで拭く。出たゴミは自宅へ持ち帰り処理する。
See you!

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著者プロフィール

伊倉 道男 近影

伊倉 道男

フォトグラファー。国学院大学法学部法律学科卒。アパレル会社にて総務人事、営業を経験。その後、但馬 治…