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イタリアやドイツなどヨーロッパで食事をする時、席はテラスにしますか?と聞かれることがある。ヨーロッパの人々は外での食事が大好きだ。どこがベストか?と言えば、「温かい食事はエアコンが効いた室内で。その後、冷たい飲物と一緒にテラスに出る」が良い。
そんな他人任せで超快適とは遠いが、クルマ旅でも快適に過ごしたい。前回は就寝時に「快適に横になれる」がテーマだったが、今回は就寝時の温度、湿度管理だ。家やマンションでは当たり前のことが、じつは結構難しい。晩秋の寒い時には着込めば良いが、梅雨時から真夏に掛けての高温、高湿度。もう脱ぐ衣類は一枚もない。そこで、まずはクルマの室内を外気温と同じに保つ。僕自身から出す湿気も外に出す。そのためには風を入れ込めばよい。
ところが窓を全開にしたのなら、蚊やブヨ、アブがやって来る。彼ら(蚊はメスのみ)にとって、たいして毛も生えていない人間、柔らかい皮膚の僕はめっちゃ美味しいデイナーとなる。
また、寝静まっての奴らの夜襲は卑怯である。善良な市民(僕のこと)が夢を見ている時に襲ってくる。昼間なら空中戦でも地上戦でも対抗して戦ってやるのだが。
そこで就寝時の最善策はバリアーを張る。宇宙戦争で出てくるバリアーは21世紀の今日でも実現されてはいないようなので、ローテクではあるがベストはやはり網戸である。
じつは車中泊用の網戸は汎用品が市販されている。それも結構廉価である。ドアのサッシの部分にタイツのようにネットを被せるタイプ。これはよくできていてガラスを上下することができる。マジックテープで貼るタイプもある。防犯が必要なら、少しだけ窓を開けておくこともできる。
ところがレガシィ(BP5)はサッシュレス。窓枠がないので、汎用品をを使用できない。調べてみたが、当然ながら専用品もないようだ。そこで自作を試みる。枠を作りネットを張る。それをドアのゴムのモールに挟み込んでやる。多少の隙間が出来たとしても、そこはガムテープや隙間テープで塞げばなんとかなる。
次に必要(欲しい)なのは快適な「昼寝」。椅子に座って「うとうと」したい。そのために必要なチェアーの条件は?
1シートバックが頭まである事。シートバックが短いと、中身の入っていない僕の頭でも、首が折れて肩こりの原因になる。
2)肘掛け。組み立て式のハイバックチェアーで、肘掛けがあるものはじつは少ない。
まぁなんとか条件にあった物が手に入ったが、ちょいとお尻の形が合わずに残念。
さて、出掛けたとして車中泊はどこにクルマを駐めるか? 僕は飲酒はしないが、アルコールが入ったら移動はできない。もっともも利用しやすいのが道の駅や高速道路のパーキング。で、そこのどこがベストなのか?トイレの側は楽で良い。だがキャンプ場も同じなのだけれど、じつ実は夜中に人が多く往来する。クルマの横を歩かれると恐怖を覚えることもある。僕は少しだけトイレから距離を取る。早めに着いた時に良いと思っても、次第に混んできて、いつの間にか集団の中。そんなこともある。これは時の運としか言いようがないだろう。
今回は道の駅から離れた場所に、トイレのある駐車場を見つけた。街灯もある。明るすぎると寝づらいので、なるべく車内が暗くなる場所を選んだつもりだ。公園の注意書きもあるので、それに従う。
しばらくすると、どうやらここを管理をしている人のクルマが来る。トイレへ行き、すぐに帰っていく。あの管理の方は何のために来たのだろう?
あ、まずい。案の定シャッターが降り、トイレは閉鎖されていた。そのシャッターに貼り紙がある。「夜間は閉める」と書いてある。
「必要ならここへ行けば開いてるトイレがあるからね」
「え? できればそれ、昼間見える所に貼っておいてくれると助かるのだけれど」
昼間、ここが良いと思っても、夜間は違う。良い教訓である。
しばらくすると、クワガタを採取している人がひとりくる。世間話を少しする。
「ここの街灯は点灯しないよ。あるだけ。夜は真っ暗。昔は点灯していたからクワガタがよく採れたんだよ」
「え?街灯も点灯せずにトイレは閉鎖」まぁそのくらい良しとするか。せめて月でも出てくれよ。
あ、クワガタ採取の方の成果?「ミヤマクワガタ?」かな、メスが一匹。嬉しそうに家路にへと向かいました。そしてすぐ、山里の夜は早し。