日産キャラバン マウンテンベース コンセプト
こいつはサンダーバードの秘密基地か、それともウルトラ警備隊の極東基地か。まさに子供の頃に夢見たような「大人の秘密基地」とでも呼びたくなるのが、新型キャラバンをベースにしたコンセプトカー「CARAVAN MOUNTAIN BASE CONCEPT(キャラバン マウンテンベース コンセプト)」だ。
本来の狙いは、道なき道を何日も走り続けるトレイルランナーのためのベースキャンプ。ここを拠点として山で思いっきり遊び尽くそう、というものだ。
室内はモダン、ハイテク、ナチュラルといった要素が渾然一体となった趣だ。ウッド調のサイドパネルやテーブルが配置されており、ベンチを引き出せばテレワークのオフィスにピッタリの仕立てとなる。
テーブル奥のサイドパネルは透過式となっており、裏側に隠されたディスプレイの画面が透けて見える仕組みにはビックリ! そのほかにも天井全体で音を鳴らすサーフェススピーカー、スイッチ一つで透過する光量を変更できる電子シェード(ボーイング787で採用されて話題となったアレ)といった最新技術が盛り込まれている。ちなみに電子シェードはすでにセレナ用が日産ディーラーで販売中とのこと(いつの間に!?)。
また、アウトドアやレジャーで使用するさまざまな道具の収納を想定し、室内にはトラス風の収納が張り巡らされているのもユニーク。この形状は、山小屋で薪などを並べておく鉄格子をモチーフにしたもので、デザイナーさんのこだわりだそうだ。
エクステアリアも見どころいっぱい。ブラックをベースとしたボディカラーには木目調のラッピングが施されているが、そのイメージはクラシックな山小屋だ。ルーフには追尾式の太陽光パネルが据えられており、時間が経つにつれて移動する太陽に対して常に最適な角度を向き、必要な電力を車内に供給することを想定している。
フロントフェイスは山道での走行を想定してプロテクターを追加。狭い山道で張り出した小枝がかすめても傷になりにくいよう、プロテクション塗装も施されている。機能性はもちろんだが、ちょっと厳つい雰囲気を醸し出しているのがたまらない。
足元もタフな仕様だ。専用サスペンションの装着により車高を3インチアップしたうえで、前後にオーバーフェンダーを装着。レイズ製16インチアルミホイールとBFグッドリッチのオールテレーンタイヤ(215/70R16サイズ)の組み合わせもイイ。
また、ヘッドライトにはヒーターが追加されており、気温が5度以下になると作動する。発熱量が少ないLEDの場合、ヘッドライトに付着した雪がなかなか溶けないことがあるが、そうした不都合を解消してくれるアイテムだ。キャラバン用は参考出品なのだが、セレナやノート、キックスなどの車種に対応したものが昨年末から日産ディーラーで販売中という(いつの間に!?)。
見れば見るほどワクワクしてくるキャラバン マウンテンベース コンセプト。東京オートサロン2022の日産ブースでは新型フェアレディZが注目を集めていたが、それに負けず劣らずのインパクトを放っていたというのは決して言い過ぎではない。