カーボン製オーバーフェンダーの風格! 新型レクサスLXをJAOSが最速改【東京オートサロン2022】

レクサスLX600“OFFROAD”JAOS ver.
レクサスLX600“OFFROAD”JAOS ver.
東京オートサロン2022で目立っていたのが、「オフロード4WD」カテゴリーの伸長だ。デビューほやほやの新型レクサスLXをJAOSがカスタマイズして熱視線を集めていたほか、トヨタ・ランドクルーザー300の出展車も多く目についた。そこで浮かび上がってきたカスタムのキーワードが「オフロードへの回帰」である。その流れは今年、ますます加速していくこと間違いない!

PHOTO&TEXT●山崎友貴(YAMASAKI Tomotaka)

SUVカスタムのキーワードは「オフロードへの回帰」!

「東京オートサロン2022」は来場者約13万人を集め、今回も盛会のうちに幕を閉じた。国内外のカスタムカーが集結する同イベントにおいて、3年ほど前から目立っているのが「オフロード4WD」の存在だ。2019年は各社のジムニーが百花繚乱し、以降もトヨタ・ハイラックスやジープ・ラングラーアンリミテッドJLなどのカスタムカーが花を添えてきた。

そして、今年。昨年、15年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたランドクルーザー300や、先だって発表されたばかりのレクサスLXが会場でお披露目されたのは記憶に新しい。レクサスLXのカスタムカーを出展したのは、トヨタの純正アクセサリーとして認定されているブランド「JAOS」だ。

「LXオフロード」をベースにしたカスタムカーは、同社の老舗としてのノウハウを十二分に活かしたもので、オリジナルの前後バンパーやオーバーフェンダー、ホイールを装着。新型で設定されたオフロード仕様を、さらにヘビーデューティな雰囲気に仕上げている。まだ市場にもほどんど流通していないモデルだけあって、多くの来場者の注目を集めていたことは言うまでもない。

レクサスLX600“OFFROAD”JAOS ver.
レクサスLX600“OFFROAD”JAOS ver.
レクサスLX600“OFFROAD”JAOS ver.
レクサスLX600“OFFROAD”JAOS ver.

同社はランドクルーザー300のカスタムデモカーも展示しており、こちらは前後バンパーやオーバーフェンダーの形状において、LXよりもオフロード寄りに踏み込んだものとなっている。今年は多くのカスタムビルダーがランドクルーザー300を出展していたが、さすがはJAOSといえる完成度の高さを誇っていた。

トヨタ・ランドクルーザー300 JAOS style
トヨタ・ランドクルーザー300 JAOS style
トヨタ・ランドクルーザー300 JAOS style
トヨタ・ランドクルーザー300 JAOS style
トヨタ・ランドクルーザー300(トーヨータイヤ)
トヨタ・ランドクルーザー300(トーヨータイヤ)
トヨタ・ランドクルーザー300(M'z SPEED)
トヨタ・ランドクルーザー300(M’z SPEED)
トヨタ・ランドクルーザー300(M'z SPEED)
トヨタ・ランドクルーザー300(M’z SPEED)
トヨタ・ランドクルーザー300(アウトクラスカーズ)
トヨタ・ランドクルーザー300(アウトクラスカーズ)

さて、ジムニーの開発コンセプトが「原点回帰」であったことは周知の通りだが、今回のショーを通して改めて実感させられたのが、SUVのオフロードへの回帰だ。カスタムの本場であり、日本市場に多大な影響を与えているアメリカでは、ハリアーのような都市型SUVをオフロード仕様、さらに言うなら「オーバーランド仕様」にするのが流行している。

それはトヨタのブースを見ても分かった。同社のブースには、ひっそりとレクサスNX PHEVオフロード コンセプトが展示されていたが、まさにあのスタイルがイマドキのアメリカンスタイルそのもの。流麗な都市型SUVに、ミスマッチとも思えるオフロードタイヤやルーフラックを載せて、ナショナルパークに出かける。これが、彼の地のオフタイムの理想になっているわけだ。

レクサスNX PHEVオフロード コンセプト
レクサスNX PHEVオフロード コンセプト

会場には、さらにスチールバンパーや背面スペアタイヤキャリア、リヤラダーを付けたRAV4が並んでいたが、あれもまたアメリカンカスタムの手本のようなクルマだった。

しかし、本格的なオーバーランドが難しい日本では、こうしたスタイルは“机上”になりがちだ。カスタムには必ずしも実用性やリアリティは伴う必要はないので、デザインや空気感を楽しめばいいという考え方もある。それでいえば、三菱自動車が展示していたアウトランダーPHEVベースの「ヴィジョン ラリアート コンセプト」と「アウトランダー ラリーアートスタイル」は注目すべきクルマだ。

ヴィジョン ラリアート コンセプトはオンロード志向のコンセプトカーだということだが、オフロードカーも持つ筋肉質なイメージや、ラリアートのイメージが上手く活かされていた。アウトランダー ラリーアートスタイルに関しても、ターゲットはオンロード派だが、JAOSが創造するパーツ群のように、オフロード風味を上手に出している。個人的には、かつて常勝軍団だった頃のパリダカ・パジェロやWRCランサーエボリューションのように、もっと踏み込んだ泥系カスタムを期待したいところだ。

三菱ヴィジョン ラリーアート コンセプト
三菱ヴィジョン ラリーアート コンセプト
三菱ヴィジョン ラリーアート コンセプト
三菱ヴィジョン ラリーアート コンセプト
三菱アウトランダー ラリーアートスタイル
三菱アウトランダー ラリーアートスタイル

いずれにせよ、世のアウトドアブームに沿ったオフロード系カスタムがますます盛況になるだろう。前出のレクサスNX・PHEVオフロードコンセプトのようなスタイルのクルマが、休日になると多数走り回る予感がしている。

三菱ヴィジョン ラリーアート コンセプト

ラリーアートが復活! 22インチホイール+ブレンボ6ポットブレーキ装備のコンセプトモデルを初お披露目【東京オートサロン2022】

三菱ファンなら涙もののニュースだ。あのラリーアートがついに復活する。新生ラリーアートの可能性を提示するコンセプトモデル、ヴィジョン ラリーアート コンセプトに注目だ。

キーワードで検索する

著者プロフィール

山崎友貴 近影

山崎友貴

SUV生活研究家、フリーエディター。スキー専門誌、四輪駆動車誌編集部を経て独立し、多ジャンルの雑誌・書…