荷台にはホンダ・モトコンポと連結可能なトレーラーを搭載【第2回ホンダクラシックミーティング】
2022年1月30日に埼玉県のしらこばと水上公園で開催された第2回ホンダクラシックミーティングには色とりどりの旧型車が参加した。今回のテーマは「サブロク」で、エンジン排気量が360cc未満だった時代の軽自動車をメイン。会場にはキレイなサブロクたちが並んでいた。ところが、その中に異様な迫力を醸し出しているクルマを発見した。それがこのホンダ・ライフ ピックアップだ!
何が異様かといえば写真を見れば一目瞭然、ボディがとんでもなくサビだらけなのだ。なぜこんなことになってしまったのか、近くにいたオーナーに話を聞いてみた。
オーナーは52歳の村上大祐さん。若い頃にトラックではないバンのライフ ステップバンに乗っていたことがあり、数十年経った時に突如としてもう一度乗りたくなった。そこで探し始めると、インターネットオークションでステップバンではないが、同じ顔つきのライフ ピックアップを見つけた。それが2007年のこと。ネット上でもボディが錆びているのは分かったが実車を見ずに落札してしまったという。
ライフ ピックアップに乗り始めると、見事にあちらこちらが壊れた。その度に修理してきたからノーマルより速いエンジンに仕上がったが、ボディは手付かず。サビが目立つ状態だったが発想を転換して、キレイに見せるため修理するのではなくサビを生かそうと考えた。そこでサビのないパネルでも元の塗装の上からサビ塗装を施した。本当に錆びて穴が空いている部分があるものの、ボディ全体がサビで覆われたことで本物のサビが目立たなくなったのだ。
今でも細かいトラブルは日常茶飯事だというが、エンジンは修理がてらにチューニングしてある。同系列の車種に乗る仲間がいるので、エンジンを分解してオーバーホールと同時に大幅な仕様変更が施された。その一端はライフ純正のツインキャブを装着していることからも察することができる。車名にあるように、ステップバンとピックアップはともに乗用車のライフをベースにしているため、流用チューニングが簡単にできるのだ。
一番手がかかっていないのが室内だろう。交換しやすいステアリングやメーターなどは純正のまま。だがそれだけでは面白くないので小物をたくさん並べることで自分らしさを演出している。
また純正のくたびれはてたシートは他車のものに変更してあるが、こちらも端が破れてしまった。ただ「ボロいけれど、そこそこ速い」のが魅力と語るように、状態の良し悪しは気にしていないのだ。
ファンキーと表現していい村上さんだからか、ピックアップの荷台に同じようなサビ塗装を施したホンダ・モトコンポと連結可能なトレーラーを積んで参加。荷台から降ろして2台同時に展示してあった。ここまでやることが徹底していると、見ているだけで楽しくなってしまうではないか。