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手堅い装備で安心感のある車内! お手頃感も魅力の軽キャン|メティオ・ラクネル バンツアー アトレーバージョン
ダイハツ・アトレーが売れているという。2021年12月にデビューしたアトレーだが、発売わずか1か月で、月販目標台数の8倍となる約8000台を受注した。ちなみにハイゼットカーゴは約1万3000台。長きにわたってハイゼットカーゴの半分に満たない登録台数が続いたため、大躍進と言えるだろう。
新型の魅力は、ハイゼットカーゴと同じシートレイアウトが可能になったことだ。従来は完全なフラットにはならなかった後部座席が、4ナンバー化によって床下収納できるようになった。その分、リクライニング機構の廃止やシート形状の簡略化が伴っているが、そもそも2人乗車という使い方がベーシックな車種なので、あまりに気にする人がいないようだ。
魅力と言えば、忘れてならないのがアダプティブ・オート・クルーズの採用だ。このクラスとしては初の装備で、長旅をする中高年ユーザーに望まれてきた。この装備ゆえに、キャピングカー業界もハイゼットカーゴよりも注目しているようで、早速いくつかのビルダーがニューモデルを発表している。そのひとつが、メティオの「ラクネル バンツアー アトレーバージョン」だ。
ラクネルシリーズを知っている人は多いと思うが、同シリーズの特徴はベッドの基本フレームに高剛性・軽量なアルミ部材を多用している点だ。これに、後部に据え付けられる木製家具が加わる。家具は両サイドのカウンター、天井の収納コンソール、そして後部のテーブルに、中央ダイネットテーブルになる。
取り付けは車内にあるネジ穴やグロメットなどを利用するため、改めて穴開け加工を要しない。例えば、ちょっと別な用途に愛車を使いたい時や、車検の時などは簡単にキャンパー装備を取り外すことができるわけだ。
アルミフレームの取り扱いも非常にイージーで、それぞれのレールに凸部分を入れてスライドさせるだけ。組み立て・分解は、各フレームの設置場所だけ覚えておけば、誰にでも可能だ。マットの展開次第では、後席片側だけを使用するなど、いくつかの室内レイアウトができる。
フレームを組み立てるだけという利便性と、車内空間を最大限に有効活用するという目的を両立させるため、ダイネットにした時の脚の位置が若干高い。しかし、床座だけでは不便なことも多いので、対面かつ脚を投げ出すスタイルになるのは嬉しい。また車両後部に付けるテーブルは、レール内であれば位置を変えることもできて、重宝する。オートキャンプだけでなく、ケータリングなどにも使えそうだ。
電装系は100Ahのディープサイクルタイプのサブバッテリー1個、走行充電システム、集中電源、外部電源入力、そして18L冷蔵庫が標準装備となる。電源は12Vが1口と、USB-Aが2口。インバーターは1500Wタイプがオプションで用意されている。
ラクネルシリーズは派手さがないものの、オーソドックスなだけに使いやすいキャンパーだ。特にアトレーのそれは、車内空間がライバルのエブリイよりも広くなったので、快適性も従来よりもアップしている。ただ、車両価格が高くなってしまったため、標準仕様でも300万円オーバー(RS 4WDがベースの場合)。
少々お高いのが悩みの種だが、キャンピングカーは軒並み値上がりしているので致し方がない。選ぶキャンパーに困ったら、ラクネルなら手堅い1台と言えるだろう。
メティオ・ラクネル バンツアー アトレー バージョン
■車両本体価格:317万3500円/展示車価格:396万1099円
■ベース車両:ダイハツ・アトレーRS(4WD・CVT)
■乗車定員/就寝定員:4人/2人
■主要装備:サブバッテリー(AGM100Ah)/冷蔵庫(18L)/収納庫(床下収納)
■展示車のオプション装備:視界補助パック 5万5000円/インバーター1500W 14万3000円/カーペットマット 1万3925円/外部充電システム 10万5600円/ディスプレイオーディオ 5万8124円/薄型200Wソーラーパネル 18万1500円/ETC2.0車載器 4万2350円/CTEKバッテリー残量計 1万6500円/アルミホイール・タイヤ 17万1600円