目次
日産の電動車両のモーター一覧
日産の電動車両のモーター一覧
BEV | 搭載位置 | モーター型式 | 最高出力/最大トルク |
リーフ | フロント | EM57型 | 160kW(218ps)/340Nm |
アリア | フロント | AM67型 | 160kW(218ps)/300Nm |
サクラ | フロント | MM48型 | 47kW(64ps)/195Nm |
e-POWER | |||
ノート/ノートオーラ/キックス | フロント | EM47型 | 85kW(116ps)/280Nm |
リヤ | MM48型 | 50kW(68ps)/100Nm | |
エクストレイル | フロント | BM46型 | 150kW(204ps)/330Nm |
リヤ | MM48型 | 100kW(136ps)/195Nm | |
PHEV | |||
三菱アウトランダーPHEV | リヤ | YA1型 | 100kW(136ps)/195Nm |
上は現在の日産の電動車両の駆動モーターである。
長らくラインアップを支えてきたのは、「EM57型」交流同期モーター(IPMモーター)だ。IPMとは「Interior Permanent Magnet」のことで、モーターの回転子(ローター)の鉄心に永久磁石を埋め込んだモーターのことだ。
EM57型はリーフ、初代ノートe-POWER、セレナe-POWERなどに使われた。
次に登場したのが、第二世代e-POWER、現行ノート/ノート オーラのフロント用モーター「EM47型」だ。最高出力は85kW(116ps)、最大トルクは280Nmである。
ノート/ノート オーラ4WDのリヤ用モーターが「MM48型」だ。このMM48型は
ノート/ノート オーラのリヤ用:50kW(68ps)/100Nm
サクラのフロント用:47kW(64ps)/195Nm
そして
新型エクストレイルe-4ORCEのリヤ用:100kW(136ps)/195Nm
として使われる。
MM48型を最初に搭載したのが、三菱アウトランダーPHEVのリヤで、三菱では「YA1型」という型式になる。パワースペックは100kW(136ps)/195Nmだから、新型エクストレイルのリヤモーターと同スペックだ。
注目は新型エクストレイルのフロントモーターだ。型式は「BM46型」。EM、MMというシリーズではなく、新しい「BM型」というシリーズになる。このBM46型は、やはりIPMモーターで、後述する「巻線界磁式」モーターではない。
アリアのフロントモーターは巻線界磁式のAM67型
BEVのアリアの駆動用モーター(フロント)は、「AM67型」である。これまでの、IPMモーターではなく、「巻線界磁式」の同期モーター(Electrically Excited Synchronous Motor、EESM)だ。リーフのEM57型もサクラのMM48型も永久磁石式(IPM)の同期モーターだ。なぜ、日産はアリア用にEESMを開発したのか?
より上級で大型のBEVであるアリアは、リーフよりも高速道路を使う機会も増え、高速走行時の効率がより重要になる。IPMモーターは高速側で効率が悪化することから、アリア用にはEESMの方が有利と判断したわけだ。低速低回転側はIPMが優れ、高速高回転側はEESMが優れていて、一長一短である。おそらく、アリアの4WDモデル、アリアe-4ORCEのリヤモーターは、フロントと同じくAM67型を搭載するだろう。