超美品の初代シビック入手、最高の状態で始めた幸運な若者の旧車生活!

【希少残存車を探せ フルオリの残し方】 1975年式 HONDA CIVIC1500 3DOOR RSL 【G-ワークスアーカイブ】

22歳で初めて手にしたクルマが旧車!
ホンダ好きな父の影響でホンダ学園に進学した学生は、ヒストリックラリー参戦プロジェクトを通して旧車へのネットワークを広げた。その結果、シビックが転がり込んできた。

ラリー用のレストアでクラブの先輩と知り合う

生まれた時から実家にビートがあったというオーナーは現在22歳の学生。ビートに乗り続ける父がホンダ車好きで、旧車にも理解があった。その影響から地元の新潟で自動車整備士になることを決め、筆記と実技が学べるホンダ学園へ進学した。寮生活を始めたので愛車を持とうとは考えず、通勤や日常の足はスーパーカブ。だが、友達が勤めるバイクショップへ行くと60年代のホンダCD125があり、その場で買ってしまうほど旧車好き。

東京大学と共同でニュージーランドとオーストラリアで開催されるヒストリックラリーに参戦するプロジェクトが立ち上がると、何はともあれ参加。参戦車両のSB1シビックをレストアするため、クラブに連絡して情報やパーツ供給をお願いする。親しくなったクラブの大先輩たちからある時、「オーナーが亡くなったので乗る気がある人はいないか」と持ちかけられた。それがこのRSLで、走行2万キロに満たない状態だった。

全高 1325mm
トレッド前 1300mm
全長 3700mm 
ホイールベース 2200mm
全幅 1505mm
トレッド後 1280mm
初代シビックは1200ccの2ドアボディで72年に発売開始。同年中に3ドア、翌年に2速ATのホンダマチックと1500ccと同CVCCを追加。74年に5速MTと1200cc・76psのRSを追加。75年に全車CVCC化してRSは1500のRSLとなった。

ED型エンジン 総排気量:1488cc 最高出力:70ps 最大トルク:10.7kgm

キャブへのリターンホースを外すだけでCVCCでも回転落ちが早くなる!
クーラーのコンデンサーを置くスペースが初めから備わる。ラジエターは小さめ。

足まわり ホイールサイズ:4.5J×13 タイヤサイズ:155/80R13

FRONT

純正155SR13は入手難のため155/80R13を履く。鉄ホイールはメッキリング付き。
REAR

入手時はRSワタナベを履いていたが純正にこだわって鉄ホイールを探し出した。

エンブレム類

73年のCVCC追加時にグリル内へエンブレムが追加された。テール左には誇らしげに51年規制適合車を謳っている。

最高の状態で始めた幸運な若者の旧車生活

手に入れたシビックは初代オーナーが大切に維持していた個体で、走行距離が極端に少なかった。それを前オーナーが尊重し、途方もない苦労をして現状を維持してきた。だが前オーナーが急逝されたため、家族が引き取り手を探していたのだ。

シビックが来たのは去年の11月。しばらくは実家に置いていたが、雪解けと同時に埼玉のシェアハウスへ移動させた。それからは純正に戻すべく鉄ホイールを探し出し、先日遊びに行ったイベント会場でオーバーヘッドコンソールを見つけて装着した。

普段のメンテはさすがにホンダ学園の生徒。今のところ困ったこともないし、ホイールと同時に入手したメッキリングを磨くことも楽しんでいる。フルオリで維持することが目標なので、破れかけていた泥除けも程度の良い中古を見つけて交換している。

だが、これから長く乗りたいしクルマを買い換えるつもりもないので、燃料ホースや電装系はリニューアルしたい。恵まれた旧車ライフをスタートさせた、幸福な若者の悩みといえそうだ。

外装

CIVIC1500 3DOOR RSL

オークランドグリーンと呼ばれる塗装は部分補修されているものの、基本的には新車時のもの。RSLはバックランプを左右に装着する。
73年のCVCC追加時に1500モデルだけノーズが長くなった。RSLのみオーバーライダーを装着する。
ボンネットのベンチレーションダクトは後期モデルで形状が変更された。
ダクトの裏側に金網を追加してゴミが室内に入らないよう工夫している。
新車からのワイパーアームには製造メーカーであるミツバの文字が入る。
アンテナのメッキはツヤツヤで、モール内の樹脂も奇蹟的に残っている。
交換歴は不明ながら純正マフラーに穴はなくまだまだ現役を続けられる。
3ドアはテールランプより一段低い位置から開閉するハッチゲートを備える。

インパネ

丸く湾曲したダッシュはウッド風のパネル付きでウッドステアリングとマッチしている。
メーターパネルには回転と速度計、インジケーターを装備。積算計は実走行。
ダッシュ上に水温と燃料計、下にラジオや空調を配置。時計はオプション品。
「ロックしましょう」ステッカーが残っているドア。ロックの赤字もキレイ。
オーバーヘッドコンソールにはオイル交換時の距離数を記録できるメモリが付いている。
内側はブルーがかったグレーのモケットでヘタリがほぼないシート。もちろん破れ無しだ!
リヤシートバックを中央のノブを引いて倒せばフラットな荷室にできる。
このHONDA CIVIC1500 3DOOR RSLの記事は、令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)に掲載された記事を引用・転載したものです。

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