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放置された状態から自力チューンで復活
乗り物ならなんでも大好きなオーナー。昔から色々なバイクやクルマに乗ってきた。それもノーマルで乗ることは少なく大抵自分でカスタムしている。仕事も工務店業務のようなことを各種してきたので、塗装以外のことならすべて自分でできる。そんなこともあって、ノーマルで乗ることがなくなっていった。
そもそもイジルのが好きなのか、それともできるから自分でやってしまうのか。おそらく両方ともなのだろう。なにしろガレージを自作して、電動シャッターまで自分で付けてしまう。ガレージ内には工具や旋盤など一式揃い、まさにDIY工房といった感じ。
そのオーナーが34年前から乗っているのがステップバン。見つけた当時は自動車屋のリフトの上に載せられたまま放置されていたような状態。当然不動だったのだが、自分でなんでもやるから問題なし。直すついでカスタムを同時進行させたのだ。
ライフ・ピックアップ・マメ知識



1971年にN360と入れ替わって発売された新型車がホンダ・ライフ。360cc2気筒エンジンは空冷から水冷へと進化し、従来のクーペであるZもライフベースへ生まれ変わる。さらに72年になるとライフをベースに今でいうミニバンスタイルを取り入れた商用車のステップバンを追加。さらに翌年にはステップバンをベースに運転席より後ろを荷台としたピックアップが発売されたのだ
SUSPENSION

4.25J-10+145SR10
スピードスターの10インチといえば、FLーⅡ。フロントは4.25Jと特殊なサイズながら145タイヤがジャスト

ローダウンしてフロントタイヤとフェンダーの隙間は40mmしかない

7J-10+19×8.00-10
訳がわからないサイズのタイヤはバギー用。リヤは7Jで極太だが、そのままではもちろん入らない

下げきった感じのリヤはほぼ隙間ナシ。タイヤのハイトも高い
ENGINE

エンジンは当然のようにボアアップ仕様。バイク用ピストンを使った定番の仕様だがキャブがヘン?

キャブの正体はドゥカティPASO用。ファンネルもPASO純正

インマニは完全加工品。アルミ溶接は自分じゃ無理だったとか

組んだ当初はクーラーも使えた。でもパワーロスが大きいので外した
古さと新しさが違和感なく同居

34年前だとホンダは部品がなんでも揃った。でもノーマルでは乗らずエンジンは自分でボアアップした。キャブはどうしてもダウンドラフトにしたくて、なんとインマニをアルミ溶接によりワンオフしてドゥカティ用をチョイス。パワーアップに合わせてフロントブレーキをディスク化したり、ローダウン+極太タイヤのために足回りも加工の嵐になった。
ところが外装はほぼノーマル。元に戻せないのは嫌だから、あまり変えていないのだ。それは内装も同じだが、実用性を向上させるカスタムが施されている。なんとフロントシートはライフAT用ベンチタイプ。幅を切り詰め右端にサイドブレーキを移植。リヤはヒンジを加工して折りたたみ式にしたうえ荷台を犠牲にして足元の広さを確保している。さらに前後を倒してフルフラットにできるのだ。
最近になって手を加えたのはリヤゲート。流用モノだがダンパーが強いため、ロックを解除すると自動的に持ち上がる。閉めるのはもちろん手動だ。またイグニッションは汎用のスマートキー。クルマは古いけれど、意外に新しいモノ好きでもあるのだ。
このステップバンは発売中の G-ワークス2022年6月号で紹介! この他、さまざまな国産旧車を掲載中!懐かしの車両に出会えるかもしれません。 キャブ車からターボ車まで、令和に残るクルマ改造雑誌 みんなの知りたい情報満載!G-ワークス