タフなボクシーデザインと全車標準のガラスルーフはタフトならでは「ダイハツ・タフト」【最新軽自動車 車種別解説】

基本は「二人乗り+荷室」という潔い使い方を連想させる「ダイハツ・タフト」。荷室には汚れを落としやすい素材が使われ、後席のシートアレンジもシンプルだ。その分大型ガラスルーフや電動パーキングブレーキなどが全車標準装備で、前席着席者にとっての快適性が重視されている。軽自動車の使い方を根本から考えてみるクルマかもしれない。
REPORT:渡辺洋一郎(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:佐々木萌香

全車にうれしい機能が充実 前席と後席で役割を明確化

タフトはSUV感覚の軽自動車で、直線基調の比較的背の高いボディを備える。フェンダーのホイールアーチには、ブラックの樹脂製ストーンガードも備わり、SUVらしさを強調した。最低地上高も190mmと高いから、悪路のデコボコも乗り越えやすい。車内に入ると、インパネなどの内装も直線基調だ。質感は特に高くはないが、ATレバーやエアコンのスイッチがシンプルに配置されて操作性に優れる。

エクステリア

全グレードに15インチタイヤを標準装備することで、SUVらしいムードを高めている。樹脂フェンダーを大きめにカットすることでタイヤを見せる演出もSUVらしいものだ。最小回転半径は4.8m。

ほかの軽自動車と異なる特徴は、前席は居住空間として、後席は畳んで使う荷室と割り切ったこと。荷室には汚れを落としやすい素材が使われ、内装色も前席はブラック、後席はグレーと区分した。「G」に装着される車内側のドアハンドルも、前席はメッキだが、後席は樹脂製だ。後席はシートアレンジもシンプルで、背もたれを前側に倒せるだけ。前後スライド機能は備わらない。

乗降性

シートの座り心地は、前席は少し硬めながら身体にフィットして快適だ。後席は大腿部と座面の接する部分が短い。座り心地の点からも、後席は荷室として使うのが好ましい。

インストルメントパネル

オレンジ色のインテリアアクセントは「G」、「G ターボ」グレードに標準装備される。メーターはオーソドックスなアナログ式で、中央にインフォメーションディスプレイを備える。

タフトでは後席の機能をシンプルにしてコストを抑える代わりに、装備を充実させた。大型ガラスルーフのスカイフィールトップ、LEDヘッドランプ、電動パーキングブレーキは、価格が最も安い135万3000円の「X」を含めて全車に標準装着される。140万円以下の価格で、ここまで装備を充実させた軽自動車はほかにない。動力性能は、自然吸気でも運転しやすい。車両重量はFFでも800kgを超えるから、パワフルな感じではないが、最大トルクを実用域の3600rpmで発生させるエンジンと相まって、街なかをリラックスして運転できる。

居住性

ターボは1500rpm以下では駆動力が下がるが、それ以上なら1.0lエンジン並みの性能を発揮する。登坂路の多い地域のユーザーが販売店で試乗するときは、まず自然吸気で登り坂を走り、パワー不足を感じたらターボも検討したい。ターボの最大トルクは自然吸気の1.7倍で、坂道を登るときもエンジン回転数が過剰に高まらない。しかもターボのCVTは、ギヤ駆動を併用して効率を高めたから、燃費数値は自然吸気と比べて0.3km/lしか悪化しない(FF)。その割にターボの価格は割安で、装備が同等の「X」同士で比べると、価格上昇を8万8000円に抑えた。

うれしい装備

月間登録台数   4852台(21年8月〜22年1月平均値)
現行型発表    20年6月(グレード追加 21年5月)
WLTCモード燃費  20.5km/l ※「G」「X」のFF車 

ラゲッジルーム

プラットフォームはタントと同じDNGAの考え方に基づくタイプで、全高が1600mmを超える軽自動車としては、操舵したときの反応が正確だ。乗り心地は少し硬めで、路上の細かなデコボコを伝えやすい。段差を乗り越えた際の突き上げ感は小さいが、街なかを40km/h前後で走る状況で不満を感じないか、試乗車で確認したい。タフトを選ぶときの決め手はスカイフィールトップだろう。これを全グレードに装着したメリットは大きい。前述の通り後席がシンプルだから、2名で乗車して、荷物を積む用途に適する。

※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.140「2022年軽自動車のすべて」の再録です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/140/

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