ルックスはキープ。中身は大刷新のフルモデルチェンジ!「ホンダ・N-ONE」【最新軽自動車 車種別解説】

1960年代に一世を風靡した「N360」をモチーフに、初代のエクステリアを敢えて踏襲した二代目「ホンダN-ONE」。外装はN-ONEらしさを追求した結果だが、中身は確実に進化し、軽自動車と感じさせない力強いフットワークと、一新したインテリアが魅力だ。
REPORT:河村康彦(本文)/工藤貴宏(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:菅原樹里亜

利便性と居住性が絶妙な全高 ボディ剛性や足まわりも特筆

今や日本市場におけるホンダの主力モデルと紹介しても過言ではないNシリーズの中にあって、圧倒的に大きなキャビン容量を売り物としたN-BOXほどにポピュラーな存在とは言えないものの、それでも確固たるファン層をつかんで離さないのがここに紹介するN-ONE。

エクステリア

セダンタイプのボディながら背は高め、という独自のパッケージ。現行モデルは二代目で、中身は刷新しつつ外観は従来通り(外板パネルは変更なし)のモデルチェンジを施した。最小回転半径はグレードにより4.5m〜4.8m。

今の時代の軽自動車としては特に”高い〞とは言えない全高は、FF仕様で1545mm。実際に乗り込んでみれば、頭上空間は十二分であるのはもとより、1550mmまでという制限付きが少なくないパレット式の立体駐車場にも乗り入れが可能であることから、「これ以上の背の高さが本当に必要なのか?」と、あらためて自問自答することになるユーザーも少なくなさそうだ。

乗降性

そんな現行二代目N-ONEのルックスが、1960年代に一世を風靡した同社の「N360」をモチーフとしていることは、2012年に誕生した初代モデルと同様。それもそのはず、二代目への世代交代に際してはボディ骨格やパワーパック、シャシー、そしてインテリアのデザインなどを一新する一方で、前後のバンパーまわりやライト類、そして法規対応のために必要な部分を除いては、エクステリアデザインはすべて従来型を踏襲という前代未聞の方法で行なわれている。もちろん、フルモデルチェンジに際しては新たなエクステリアデザインを採用という案も模索されたとのこと。しかし、N-ONEらしさを追求していくと結局のところ、初代で提案された姿こそが相応しいという結論に達したのだと言う。

インストルメントパネル

板状の加飾パネルが特徴的。「Original」の場合はホワイトだが、「Premium」系はブラックウッド調、「RS」はスチールヘアライン調とグレードごとに個性化している。

かくして、初代モデルと〝うりふたつ〞の姿で現れた現行二代目モデルだが、実車を目前にすると、バンパーなど樹脂部分の新デザインやウインカーの使用時には内周のリングがアンバー色で点滅するクッキリと輝いたDRL(デイタイムランニングライト)、凝ったグラフィックのリヤコンビネーションランプなどを加えることで、新しさを感じられる点が興味深い。一方のインテリアは、ダッシュボードの造形を一新させるなど、こちらは文字通りのフルモデルチェンジが行なわれている。

居住性

テストドライブを行なったのは、ターボエンジンとMTを組み合わせたスポーティグレードの「RS」。「圧迫感の少なさ」や「N360がそうだった」という理由から採用したという〝インパネシフト〞の使い勝手は、やや脇が開く感覚はあるものの操作性は良好。シフトの操作量は少なくないものの、各ギヤがセレクトされた感触は明確で、少々注意深く操作をすれば、アイドリング状態からアクセルペダルに触れずにスタートできる力強さも好印象だ。

うれしい装備

月間登録台数   1061台(21年8月〜22年1月平均値)
現行型発表    20年11月
WLTCモード燃費  23.0 km/l ※「Original」「Premium」のFF車

ラゲッジルーム

思いのほか高いボディの剛性感や、しなやかさすら感じさせるフットワークのテイストなどは、端的に言って「とても軽とは思えない」仕上がり。もちろんこのあたりには、外観は踏襲しても〝中身〞が刷新された効果がしっかり発揮されているに違いない。一時の軽自動車の価格からすれば確かにそれなりに高価ではあるものの、そんな対価ゆえの価値を実感させてくれる一台であることは確かだ。

※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.140「2022年軽自動車のすべて」の再録です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/140/

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