GE Hondaが持続可能な航空燃料を100%使用した航空エンジン 「HF120」の試験に成功

ホンダとゼネラル・エレクトリック社(GE)による折半出資子会社であるGE Honda エアロ エンジンズ(GE Honda Aero Engines, LLC /以下GE Honda)は、10月17〜20日に米フロリダ州で開催されているビジネス航空ショー「ナショナル ビジネス アビエーション(NBAA 2022)」にて、持続可能な航空燃料(SAF=Sustainable Aviation Fuel)を100%使用した「HF120」ターボファンエンジンの試験に成功したことを発表した。

今後の航空燃料の進化・普及を見据え、100%持続可能な航空燃料を使用できる可能性を確認

ホンダとゼネラル・エレクトリック社(GE)による折半出資子会社であるGE Honda エアロ エンジンズ(GE Honda Aero Engines, LLC /以下GE Honda※)は、10月17〜20日に米フロリダ州で開催されているビジネス航空ショー「ナショナル ビジネス アビエーション(NBAA 2022)」にて、持続可能な航空燃料(SAF=Sustainable Aviation Fuel)を100%使用した「HF120」ターボファンエンジンの試験に成功したことを発表した。
※GEとホンダの共同出資により、2004年10月に米国ノースカロライナ州バーリントンに設立された航空エンジン合弁会社

SAFは航空領域でのCO2排出量を削減し、カーボンニュートラルを達成する手段のひとつとして注目されている。SAFの利用は米国材料試験協会(ASTM=American Society for Testing and Materials)による認可制となっており、既存のジェット燃料へSAFを混合できる含有率の上限が定められている。現在の上限は50%となっているが、今回の試験により、今後の航空燃料の進化・普及を見据え、100%のSAFを使用できる可能性を確認できたことになる。

今回の試験では、100% SAFを「HF120」で使用した場合のエンジン性能への影響を、既存のジェット燃料と比較し評価。SAFには、現在最も普及しているHEFA-SPK(※)を使用し、地上でのエンジン試験をGEの設備(米オハイオ州ピーブルズ)にて数日間にわたり実施した。その結果、通常のジェット燃料を使用した場合と同等の性能が確認された。
※Hydroprocessed Esters and Fatty Acids Synthetic Paraffinic Keroseneの略。動植物由来の油を水素化処理して合成される航空用燃料。既存の石油精製設備で製造でき、現在、最も普及しているSAFの一種。

GEとホンダは、SAFの安全性を評価し規格化の支援を行う国際団体(FAA/OEM Review Panel)に加入しており、SAFの安全性と普及に向けて活動している。今後も両社で協力し、持続可能な社会に向けたCO2排出量の削減など技術を進化させ、業界をリードしていく。

ホンダ公式サイト「航空エンジン」

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