滑りをよくして、熱や振動の発生を抑止

気にしだしたらきりがない運転時の異音ではあるものの、割り切っていいものとそうでないものがある。走行ゆえの振動に端を発するものならまだいい。気にすべきはトラブルの予兆ともなる異音の発生だ。
音が出るということは、正常時とは異なる状態で動いているからに他ならない。そのまま続くようならゆくゆくは振動や熱も生じるし、放置したままだと部品の欠損にもつながりかねない。
精密な診断はプロに任せるほかないとして、再現性がない音の発生はプロも嫌がる厄介なものだ。その点、特定の操作をした時に出るものなら、ユーザー自身でもある程度の特定をできるだろう。
よくある異音発生の要因のひとつに、ワイパーのビビリがある。ワイパーゴムが窓ガラスに密着できていないための症状であり、ゴム劣化による効果目安とも言えるものの、新調直後のタイミングだってビビリは充分に起こりうる。
すべてとは言わずとも、接触面のうちどこか一箇所でも引っ掛かってしまうだけで、ビビリ音は発生しがち。こういう場合は専用メンテナーを接触面に塗布するだけでワイパー作動がスムーズになることがある。音が出る度にワイパー交換していたのでは不経済。試してみる価値は充分にある。

ファンベルトやエアコンベルトなどからの異音も、根本解決にはベルト周囲の新調が必要になるものの、ちょっとした噛み合わせで音が出る場合もある。そんな時も、鳴き止めスプレーを吹きかけることで止んでくれればしめたもの。ベルト全面とは言わずとも、ノズルが届く局所だけでも裏表にスプレーすれば、通常の駆動動作で液剤はベルト全体に行き渡ってくれる。
最近の事例だと、スライドドアのレール部分などでも開閉時の音が気になる場合も増えている。通常のドア以上にスライドドアは重量もあり、開閉動作も大きいため、より負担も大きいということだろう。異音の鳴き止め効果はもちろん、潤滑・防錆効果もあるグリースの定期塗布も効果的だ。