世界最大のBEV市場である中国において、新型bZ3はトヨタとBYDが合弁で設立した電動車技術会社「BTET」と「一汽トヨタ」の3社連携で開発された。搭載された電動システムは、BYDのリチウムイオンLFP電池(リン酸鉄リチウムを使用)をベースに、トヨタの電動化技術を融合させ、電池構造、冷却システム、制御システム、安全システムが新たに設計され、高効率・安全性を兼ねている。これにより、最長航続距離は600kmを記録。また、「10年後でも90%の電池容量の維持」を開発目標に、電池劣化抑制にも力が入れられている。
新型bZ3は、4,725×1,835×1,475(mm)のボディサイズで、Cd値0.218を誇り、燃費向上に貢献している。この優れた空力性能は、バンパー部のエアガイド、エアカーテンのほか、空気抵抗を減らすアルミホイール形状によって実現されている。また、デザイン面では、フロント部に特徴的なハンマーヘッド形状が採用され、BEV専用パッケージによる2,880mmのロングホイールベースとロングキャビンによって伸びやかなサイドシルエットが実現され、スピード感とエレガントさが両立されている。
bZ3の車体は、トヨタのBEV向けプラットフォーム「e-TNGA」をベースに、低重心、優れた操縦安定性が実現されている。開発コンセプトは「ファミリーラウンジ」。5人乗りキャビンに、家族や友人と楽しめる空間を目指して設計されている。ドライビングポジションは筋疲労を起こしにくい姿勢に設計されており、遠距離運転時にも披露しにくいポジションとなっている。さらに、ドライバーの好みに合わせた情報化・知能化が推し進められ、快適な室内レイアウトが実現されている。
インテリアには、縦型の大型センターディスプレイが採用され、それを囲うようにトレイ型インソールが一体化されている。ワイヤレス充電のほか、スマートフォン連携機能も充実されている。クライメートコントロール、ミュージック再生、トランク操作の操作系統は大型ディスプレイに集約され、音声認識機能の充実とも相まって、利便性・先進性が向上されている。