70系がレギュラーモデルとして復活
日本が誇るヘビーデューティー、ランクル70の「日本復活」正式発表に、心躍らせているファンも多いことだろう。新70は、高い信頼性を誇るシンプルな基本構造はそのままに、法規対応を含めた改良が加えられたマイナーチェンジモデルとなる。スタイリングでは、歩行者保護や冷却性能の向上などでフロントマスクを刷新。クラシカルな雰囲気を持たせつつ、現代的なデザインへと進化している。この70の歴史を凝縮した新フロントマスクは、地域によりLEDライトとハロゲンライトを使い分けるが、デザインは世界共通となるという。
日本仕様に話を絞ると、実は、約9年前の70とは仕様が大きく異なる。まずボディだが、バンとトラックは非設定となり、3ナンバー登録のワゴンのみに。その結果、後席のクッションや表皮などの質感が向上。さらにラゲッジの積載重量が抑えられるので、後輪バネがソフト化され、乗り心地も向上するという。パワートレインも刷新され、最新の1GD—GTV型2.8Lクリーンディーゼルターボ(最高出力204ps、最大トルク500Nm)を搭載。この性能は牽引性も考慮してのもの。トランスミッションは、6速ATのみに。残念に感じる人もいるだろうが、近年、世界でもATニーズが高まっており、ランクルでもMTは少数派となっているそうだ。また先進安全機能では、第2世代のトヨタセーフティセンスを搭載し、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報などの機能を備える。
新仕様の理由を開発者に尋ねると、「仕様を限定したのは、出来るだけ長く日本での販売を続けるため。前後デフロックも標準化し、ほぼメーカーオプションはなし。基本的にはボディカラーの選択となる」とのこと。またウインチについても、歩行者保護のために、フロントバンパー構造が変更されたため、非設定となるそうだ。
最新型となっても、70の精神は変わらない。向上したという乗り心地だって、最新SUVのような快適さはない。重視されるのは、道なき道を進み、安全に帰宅する手段であること。カッコだけ選ぶと後悔する、超硬派なクルマで有り続けるのだ。
Specifications
●全長:4890㎜ ●全幅:1870㎜ ●全高:1920㎜
●ホイールベース:2730㎜
●エンジン:1GD-FTV 2.8Lディーゼルターボ(204ps/500Nm)
●ミッション:6 Super ECT ※数値はプロトタイプ
▷ランドクルーザー新章開幕 まとめはこちら
STYLEWAGON(スタイルワゴン)2023年9月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]