スノーピークが運営するキャンプ場にてEVを使ったキャンプイベントが開催される――。そんな情報を聞きつけて、流行のキャンプにEVがどう関われるのか、どんなものかと興味津々で参加してきた。
アウトドアでの新しい一面と災害時でもEVを活用するために
4月15~16日、新潟県三条市郊外にある「スノーピーク ヘッドクォーターズ キャンプフィールド」にて、日本環境防災とパワーエイドジャパン主催による「EVオートキャンプ実証トライアル」が開催された。
「数種類のEVを用意し、必要な車両には外部給電器を接続して様々なアクティビティのトライアルを行い、利便性、快適性を探求」(開催趣旨より一部抜粋)をテーマに、今回は第1回目となるが、そのルーツは2019年9月、首都圏を中心に記録的防風をもたらした台風15号による災禍の際、EVを使って停電地域への給電が行われたことがきっかけ。災害時でも慌てることなくEVを活用できるよう、日頃から慣れておこうということも目的としている。
参加したEVオーナー有志は、モータージャーナリストの片岡英明さんなど10名以上。車両ではホンダeや日産リーフe+、ヒョンデのアイオニック5、三菱アウトランダーPHEVなどが揃った。
都心では桜も終わり初夏を迎える季節でも、道中の越後湯沢付近は雪も残り、会場周辺はこれから桜の季節を迎える頃。
両日ともに生憎の雨模様ながら、日の暮れた頃にはお楽しみのBBQパーティがスタート。アメリカのトップグリルブランドであるウェーバー社の電気グリル「PULSE」をはじめ、電気炊飯器や電気ホットプレート、電気湯沸かし器などが持ち込まれ、これらにニチコンのパワームーバーを使って給電。電気で調理された夕食が饗され、それぞれのEVライフも肴に話に花が咲いた。
結局、到着早々に降り始めた雨は時折強くテントをたたき翌日の昼過ぎまで降り続いたが、電気を活用したキャンプは、アウトドアの新しい一面も垣間見せてくれた。
EVを活用した、クリーンでサステイナブルなアウトドアライフの普及を
話題のBEV、ヒョンデ・アイオニック5も参加
ヨーロッパのカー・オブ・ザ・イヤーをはじめ、日本国内でもモータージャーナリストから高い評価を得て、5月2日に発売されたヒョンデのアイオニック5の2WD(RR)と4WDの2モデルが持ち込まれ、参加者は試乗する機会を得た。BEVらしい近未来的なデザインのインテリアはシンプルかつ機能的な設えで、ただでさえエンジン車とは別空間に身を置いた感じだが、走り出せばそれはさらに強くなり、アクセルペダルを踏み込んだ分だけストレスなく、滑らかに加速していく。1900㎜近い全幅ながらコクピットからの見切りもよく、キャンプ場周辺の狭い道でのすれ違いでも苦労することはなかった。もしチャンスが得られるなら高速道路を含むロングドライブに出掛けたいと思った。またオプションでエアーベッドマットなども用意。スペックなどの詳細はホームページにて。
●479万円(スタンダードモデル/2WD)~589 万円(ラウンジAWD/4WD)●https://www.hyundai.com/jp/ioniq5
キャンプでEVやPHEVの電気を活用
コンデンサーメーカーであり、現在はネクスト事業として家庭用蓄電システムや電気自動車を活用したV2Hなどを展開しているニチコン(株)では、EVやHV、FCVから電気を取り出すV2Lの「パワー・ムーバ-」を2モデル3台を用意。4.5kW出力のVPS-4C1A(65万円)と3.0kWのVPS-3C1A(45万円・写真)が活躍した。機器代金の1/3が補助されるとのこと。アウトランダーPHEVで参加したのは東京支店の大田幸博さん。
会場は人気アウトドアブランド「SNOW PEAK」のキャンプ場
イベントの舞台となったのは、新潟県三条市郊外の小高い丘陵地帯に約5万坪の広大な広さをもつ「スノーピーク ヘッドクォーターズ キャンプフィールド」。その名のとおりスノーピークの本社機能とブランドストアを併設した人気のキャンプ場で、隈健吾氏と共同開発したモバイルハウスの「住箱-JYUBAKO-」サイトや電源区画サイトを含む8つのフィールドを有している。またイベント開催日の4月15日には、新たに内湯・露天風呂・サウナに加え、宿泊施設やミシュラン三つ星を獲得したシェフの協力を得たレストランを備えた「フィールド スイート スパ」もグランドオープンした。
●新潟県三条市中野原456 ☎0256-41-2222
BEVオーナー歴10年のジャーナリスト片岡英明さんも参加。
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