3人のモータージャーリストが公道で乗り比べ! Vol.1【新型アルファード&ヴェルファイア徹底解剖】

【新型アルヴェル試乗レビュー】納得できるグレード選びのために! 滑らかさとパワフル感が増したハイブリッド、快適性重視ならアルファードかも!?

いまディーラーでクルマを購入してもすぐには手に入らないので、自分の納得できるグレード選びが難しいかも!?
ここでは3人のモータージャーナリストによる試乗記を最速でお届け。
アルファードとヴェルファイアの違いに加え、
パワートレインや走りについても掘り下げているので、購入の参考にしてほしい。

2.5Lガソリン車と2.5Lハイブリッド車を試乗、どちらのパワートレインが秀逸?

まず乗り込んだのは、アルファードのガソリン車。パワートレインはシリーズ中でもっともベーシックなタイプで、モーターを組み込まない2.5L自然吸気。発進前からきっちりと進化を感じられることに驚いたが、その理由は振動の少なさだ。

先代の4気筒ガソリン車は、信号待ちなどアイドリング中にエンジンに起因する細かい振動が伝わってきていた(ドライバーだけでなく乗員も感じる揺れだった)。新型はその揺れを徹底的に改善することで、6気筒かと勘違いしそうなほど快適に変貌。先代2.5Lガソリン車から乗り換えれば、ドライバーだけでなく同乗者も含めて誰もが進化を実感できるはずだ。

走り始めて思うのは、動力性能はこれで十分だということ。重い車体とはいえ2.5Lの排気量があれば困ることはない。気になるのは、アクセルを踏み込んだ時のパワートレインからの唸り音。CVTの唸り音が目立つのに加えて、エンジン自体もややノイジーに感じられる。

CVTといえば、運転好きが気にするCVTの滑り感(エンジン回転数上昇と加速の立ち上がりのズレから生じる違和感)は先代よりもずいぶん改善されているのを実感できた。これはうれしいポイントである。

同乗者の視点では、後席は(アクセルを踏み込んだ時のノイズを除けば)快適で「苦しゅうない」という印象。コツコツやブルブルといった、車体やシートを通じて乗員に伝わってくる揺れや細かい振動が先代に比べて大きく減り、もはや高級セダンレベル。「人が不快に感じる振動を1/3に減らした」という開発陣の説明も納得だ。快適面の進化幅は大きい。

乗り心地の話を続けると、走行中は路面の段差などで「ドン!」という1発目の入力自体は、従来よりも気持ち大きいように思える。しかし、そこからの収束の良さ、フラットライド感は明らかにレベルアップし、後席でも快適性の進化を体感できる。では、2.5Lハイブリッドの運転感覚はどうだろうか?

2.5Lガソリン車と比べると、滑らかさとパワフル感が増している。発進はモーターが担当するだけあって氷の上を滑走するかのようにスムーズ。スーッと発進し、スイスイ加速していく。その後はエンジンの力も加わってグイグイ車速が増していく。

ハイブリッド車のシステム出力は250psなので、当然ながら加速性能はガソリン車を上回るものだ。しかし単純な加速性能よりも、音やトルクの立ち上がりなど加速感がスムーズなことがハイブリッド車のメリットといえる。

ハイブリッド車に関して言えば従来よりも圧倒的に良くなったのがドライバビリティだ。従来は「燃費が良いから、運転の気持ち良さは諦めても仕方ないよね」といった雰囲気さえあったが、新型はそうじゃない。何より改善されたのがアクセル操作に対する加速の反応の遅れで、新型はアクセルを踏む感覚と加速感がしっかりとリンクする。加速のまどろっこしさが払拭されているのだ。新型なら「ハイブリッドでも気持ち良く走れる」と断言できる。

そして雪道を走るドライバーだけでなく、運転を楽しみたいドライバーにもE-Fourを選ぶことをオススメしたい。なぜなら、ドライ路面においてもE-Fourのほうがハンドリングが良く、コーナリング性能も優れるからだ。その理由はリアモーターの大型化。これまでリアモーターは小さく作動速度上限も低かったので、実質的には雪道の発進アシスト程度にしか効いていなかった。しかし、新型はモーターが大型化されてより大きな駆動力を生み出すとともに、作動速度領域も高速道路の制限速度を超える領域まで拡大しているのだ。

そのメリットを感じられるのが、舗装路でのコーナリング。旋回中にしっかり後輪にも駆動力を送るから、後輪駆動車に近い爽快な曲がり方で良好なハンドリングを味わえるのがうれしい。運転好きなら、E-Fourを強くオススメしたい。

先代までのハイブリッド車はE-Fourのみの設定だったが、2WDが選べるようになったことも新型のトピックだ。車両価格も安く、普通に乗るなら2WDで十分。

新型で大きな話題となっているのが、アルファードとヴェルファイアのエンジンの違いだ。アルファードのガソリン車は2.5L自然吸気を積むのに対し、ヴェルファイアのガソリン車は2.4Lターボを搭載。ヴェルファイアの2.4Lターボは、新型では廃止されたV6エンジンの置き換えと考えればそのポジションが理解しやすい。

自慢はパワフルさなのだが、正直に言うとまず印象的なのは動力性能ではなく静かさ。アクセルを踏み込んだ時のノイズは、自然吸気だけでなく、ハイブリッドよりも静かなのだから予想外すぎて驚いた。

このユニットはドライバビリティを求めるドライバーにイチオシだ。エンジンを回す喜びや高回転の吹け上がりなど、エモーショナルさもしっかりある。

ヴェルファイアは全車に19インチタイヤを履くほか、ボディ剛性、サスペンション、パワーステアリングの味付けなどもアルファードと差別化されている。これはヴェルファイアの歴史上はじめてで、より運転を楽しむ人向けのクルマとしてアルファードとキャラ分けしているのだ。楽しく運転したいなら、ヴェルファイアのガソリン車を中心に考えるのが鉄則である。

ヴェルファイアでも後席は十分に快適なので重箱の隅的なレベルの話だが、後席の乗り心地はアルファードのほうが良い。快適性最重視なら、アルファードを選ぶべきである。

快適性だけでなく走行性能も大きく飛躍した新型アルファード&ヴェルファイア。確実に言えるのは、買った人の「満足度」や「いいもの買った感」は極めて高いということだ。人気が殺到しているのも、素直に頷ける。

新型アルファード&ヴェルファイア徹底解剖 まとめはこちら

新型ALPAHRD&VELLFIRE購入ガイド より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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